うとうととまどろんでいたら
夢の中に君が帰ってきてしまった。
間延びした声で「おかえり」と私は云い、
少し疲れた声で「ただいま」と君は云い、
私は起き上がって、
…起き上がって? ....
庭の片隅で蟻が巣を作る
巣穴から砂を持ち出しては
ぽとりぽとりと落として帰る
(その砂が落ちる力を
私たちは万有引力と呼んでいます)
感心して砂を運ぶ蟻を
見つめているが
....
あるきつかれた鄙びたモーテル
きみは背のたかいテーブルと椅子に
ぼくはその向かいから
きみをぼんやり眺めていた
ふるい鉄マドから差し込む
外界のひかり
照らされ
スパゲティーを丁 ....
ほら、君と僕と。
お月様と。
おっきな三角形。
けど、たまにお月様はかくれんぼ。
僕と君も、手を振って。
僕とお月様、ふたりっきり。
何だか遠くて、淋しいね。
....
学生は撫で合いを求めて学校に行く
彼氏と彼女の意味のない領域を作る
男女間に友達の領域は存在せず
社会人は生きる為に会社に行く
自分の時間を持つ事は許されず
仕事と言うなの課題 ....
ある日
「生きることは汚れてゆくことだ」と
あなたは言いましたね
その言葉の意味が分からなくて
僕は不安になりました
またある日
「人の心はダイヤの原石のようだ」と
あなた ....
私はこの茨の茂みの上を
軽やかに歌いながら
飛んでいく陽気な雲雀
ひたすらに陽気に歌い
明るい昼の太陽と戯れ
光を浴びて自由に空を舞い遊ぶ
そんな私ですが
夜になると
この肌寒い茨の ....
凍った星屑が
壊れた金平糖のように
降る十月は
魔物が
楽しそうに笑っているよ
人間たちは
人間に飽きて
あやしい魔物に
憧れているのさ
あちこちに
着飾った素敵な ....
カフェに行きてえ お茶が飲みティー
でも代官山や三宿あたりのオッシャレーなカフェは
俺たちには高すぎる 精神的に高すぎる
お似合いのカフェを求めて 恥をかかない場所を求めて
俺たちは旅をした ....
目を閉じると
楽しかった頃の自分が見える
好きなあなたの笑顔が見える
叶えたかった夢が見える
目を開くと
時刻に追われている自分が見える
愛から情に変わったあなたが見える
夢を忘 ....
ぶんっ
  
風がさそう夜は
目が潰れるほどに 
 眩しく 暗い
銀に輝く夜が
ぶんっ
  
視線をすい ....
今の私にとって
感じることが生きること
感じさせることが生きること
きょとんと首をかしげる
(鬼サンコチラ)
木の実をついばんで
天気雨とかくれんぼ
*
二羽がくちばし
頰よせあって
(フレンチキスっていう ....
生まれて きた それは 事実か?
生まれたのだろうか
産む という 行為に
認められた 事実はあるのか?
生を 肯定すべきか
あの 夕陽に 飲む 女の声
死から 生まれてきても
それ ....
列車を降りて
たどりついたのは
ごく細い町
雨は熟しているのに
建物はアイス・バーみたいなんだ
ホテルのベッドで
ゆっくりとくたばっていく
眠ればプール
....
いつも定められた電車に乗って
東の朝日を窓から浴びる
電車を降りれば
眩しかったことを忘れている
私がいる
いつも決められた時間割に沿って
前の黒板を席から眺める
授業が終われば
....
空とぶセスナの 繰り返される女の声が
街中、凶暴にふりそそぐさなか、彼はいつものように
駅前のロータリーでキャベツを抱いて
坐る。 踵をつぶした革のスニーカーを穿き、
深緑のトレーニングウエ ....
賢しい男であった試しはなく
理性と欲望の区別すらつかなく
1、2、3、4、
千鳥足
認識
認識
この通り
無知の極みはその通り
5、6、7、8、
目も ....
今朝
露にかがやいて
咲いた朝顔が
のこらず
消えてしまつた
―小鳥が来て
食べてしまつたわ―
と
その家の母親は
呆れ返つたが
真実は
その ....
夕立の中で君は背骨を読んでいた。
真っ暗な瞼のうらに現れているみどりの正三角形を、
くうきを吸い上げた則妙筆でなぞるように
繰り返してみる。
大地を這う蛇に似た、
千万(ちよろず)の ....
trick or treat
Jack-o'-Lanternを持った魔女の行進
trick or treat
まっくら洋館で一夜限りの遊戯
蝋燭の灯りに小さな悪魔の笑い声
時計がぐるりぐ ....
流すというよりは
こぼれるという感じ
涙が線を
引いていく
まるで上から下へ
潤いを運ぶ川のように
一筋の流れがかすかに伝い
(ぽ、と)
....
君は畑の太陽さ
そう ハロウィーンの日にはね
君は一晩中輝いて
不気味な笑みを浮かべてる
ハハハ アハハハ
そんなにおかしいかい?
ちがうよ これは魔女のしわざさ
ハハハ アハハハ
魔 ....
識閾下の原罪の内部で成長を続けた粘性の原始海である
午後六時の迷路の中をひたすらに彷徨う球体の少女である
オリーヴの地平線の際で揺れている乾いた人のかたちである
ついさっき僕の目の前に現れた金属 ....
しとしとと降り続ける雨垂れが
カノンのようにリズムを刻みながら
網膜を穿ち男達を溶解させていく
ボルトで締め付ける頭蓋の奥に
ナイフでイニシャルを
蝋で消えぬ印章を残す
新聞や ....
剥き晒しの胸に
止まることもなく速まることもなく
その厚ぼったい皮下脂肪のしたの
鼓動。
湖面にウろコの魚が跳ねて
細やかな金属音を立てて広がる水の輪の
真新しい命の祝福も
....
JE TE VEUX (あなたが欲しい)
そう思う時 僕は一人ぽっち
君の頬にふれキスをして
夕日を眺めるとき
僕らは風になる
星の数ほどの言葉と
波の揺らめきのような想いが
君と僕 ....
遠くに聞くことができる
世界からのメッセージ?
ススキで遠い音を聞いたか自動車が
遠い所a音で
会社を保持する私の
若い心臓a音を捕らえました
どの列車で、晩のперезвонは ....
君の寝ている隙に
本を開いてしまったよ
手のひらと同じくらいの大きさの
くたびれた表紙
真ん中より後に挟まれた栞
海の色をしている
波の音が聞こえそうで
耳を澄ませば
君の静かな寝息
....
こんなおかしな話があるもんか
あなたはいつもそうやって
だからわたし
あなたの偽物ショッピング
この腕だぁれ?
本物みたい
この声なぁに?
本物みたい
睫毛だってね
....
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