お笑いテレビを
みていた正月
ひとりくすくす
笑ってた
冷たい風が
刺さって困る
月よそろそろ
許してよ
黒点なんて
持たない純情
偽悪ぶるのは
やめてよね
好 ....
林檎が声を殺して
泣いている
想像ですが
ずっと信じていたことが
裏切られたのでしょう
聞き飽きた励ましの言葉では
林檎は泣き止みません
境界面に滲み出ている
涙みたいな光 ....
酒場散景
いらっしゃいませ今晩は
お久しぶりです
おかげ様にして疫病さま様ですよ
重畳なこと、わたしは今度出稼ぎます
それはそれは身売れましたか
先日一枚、なんちゃってキュビズム ....
すずめがならぶ電線に
からまる凧を
むかえにゆく篭で
あなたが目ざめる
冬の町
波がよせてきて
泡がはい寄る
沈下橋
壁ごしの沈黙をやぶる
ひとつのくしゃみ
朝日をあびて
落 ....
夜の透明に拘束されて 光速で走り抜ける 東名
遠目で姑息なエリアを抜け二度目の約束に足止めを食らい
孤独なパーキングエリアには排ガスと血のめぐりの悪い野良猫たちの愛撫の匂いが入り ....
雨の一滴が右手の甲に 落ちた
ズシリと 重たかった
ミシリと 胸の空洞が鳴った
私は慌てて滴を振るい落とした
軋む胸が一瞬、
張り裂けそうになって
日々は坦々と過ぎてゆくようにみえても
沢山のトラップの集積なのかもしれない
科学は未だ心を捉えられないまま
運命の神にすべてをゆだねている
誰も閉塞してはいけないと思う
誰をも不幸に ....
どこかに、
たしかに、
あるよね。
公園の枯れ葉を這う蟻を見つめながら
あなたが言う。
どこかに、
たしかに、
なんか
あるわけないよ。
散りかけの白い山茶花を眺 ....
鎖がちぎれた
小さな金属の欠片を遺して
白い雲になれたのなら
本望なのだろう
スーパーマーケットになんて
来るんじゃなかった
どのコーナーに行っても
おまえが刺さる
サーモン
チ ....
○「喧嘩腰」
喧嘩腰にものをいっては
まとまるものもまとまらない
自分が正しいときは
感情的になってはいけない
感情的にさせてもいけない
○「出すぎると墓穴を掘る」
自分の権限内のこ ....
人間の最大の悩みは
「人間不信」であろう
僕も根に人間不信があるものだから
ちょっとしたきっかけで
人間不信がにょっきとタケノコのように出てくる
まったく不毛なエネルギーである
拝啓
菌くん
そして菌ちゃん
どうぞ聴いてやって下さい
この軽自動車なみの心臓は
今日も元気よくおやすみと
疲れきったおはようのメロディーで
生きる、とうたうピン・ボール
....
どうしてですか
給料があがらないのは
人件費圧縮が経営の基本だからですか
どうしてですか
空港に行くとき緊張するのは
保安検査がものものしいからですか
どうしてですか
缶とビンを ....
日日を繰り返すうちに曖昧になっていく
姿形を思い起こして置こうと思う
ゆるくきらびやかな午後の陽射しはそう
やわらかな体温を覚えているような
春に満たないほど微か吐息が白い
梅の蕾が膨ら ....
言葉がでない心の花を知ってほしい
朝食の味のないレタス半分くらい
少し焦がしたバケット、ブラックコーヒーで
いつもと同じ笑顔でおはようと言えたか?
とても涼 ....
荒れた大地を掘り起こせ
大地に刻まれたその痕跡を
黄色い犬が吠え立てる
此処は腐った野ばらの戦場だ
無数無数の狂人たち
戦い吠える瞳が美しい
いずれ沃野に帰るだろう
異次元 ....
雨が降り続ける
冷たい雨が
決して止むことはないと思われるほど
ずっと降り続いている
空から地面へと直線を描きながら
ただただまっすぐに
雨が降り続ける
誰かの悲しみの涙のように
誰か ....
二〇一九年一月一日 「ウルトラQ」
元旦からひとりぼっち。ウルトラQのDVDを見てすごす。やっぱり、ウルトラQの出来はすばらしい。ちくわを肴に、コンビニで買ったハイボールも2杯のんで、いい ....
冬の張りつめた空気に響く
G線上のアリアの荘厳な旋律
魂の内と外の境界に意識を合わせて
六番目のシプナスが繋がるのを
さっきから待ち続けている
天球と地球から伝わる波動は ....
(この家はとても寒いね
大きな口を開けて
ぼくたちを飲み込んだこの家はとても
あの子は帰ってきてからずっと泣きっぱなしだけど
きみが忙しいってのもわかってる
指をせわしなく動かしては眼を ....
例のとおりスーパーで分けてもらった氷を入れて
今朝は後払い通販で買ったソイラテと
昨夜、買ったコーラの残りを交互に飲んでいる
今朝、イザベラからクリスマスに送ったメールの返信が来た
....
彼は
推測する
私たちの
国が
かつて大きな国で
貧しい
とても
今は
だが
私たちの国の国民たちは
やがて
勝利するだろう
経済的に
と
私は信じている
それを ....
それはいっぽんの小径
なみのかたちで振れ
丘のすきまをぬう
夢のはじまり
一日のおわり
ひとは その間
ひとみをみがくいちまいの布として
ぼんやりとてる 初月
あなたの中で
まっ ....
なにもありゃしないのに、主は
我侭に置いて乾きを春と架け渡すと華を添える
その情火
充てがわれた詫び状のほかに展翅に及ぶ
蒼白の空、開け放たれた単眼の先を膨らませ
歪められたヒナ ....
黒く輝く瞳のなかに僕はみえない
朝、狐のため息みたいな負けおしみ
この大きな都市のひとつの部屋で、ふたり
二度と逢えない悲しい予感に、怯える
....
葦の川手足のごとく痩せほそり
せせらぎはサラサラ鳴いて冬のなか
月満ちて波打ち際の鳥の痕
探り吹き
小さな羽根飾りが付いた
中折れ帽子のヒデキさんは
ハーモニカ歴六十年だ
楽譜は読まずにメロディーを
口で探って覚えていくから
僕は探り吹きだ、と言って笑う
特別養 ....
{引用=ヨナクニサン}
大地の振り上げた鞭が三日月に絡んだ朝
重さを失くした新雪をふるい分けて這い出した
ヨナクニサンの群れ
マイナス8℃の空気をふるわせて厚い翅はゆらめく
縄文の焔 畏怖と ....
君がいた夜は
物語のように遠くなってしまって
いくつものビルが建て替わった
なつかしい詩を読み、
ぬるい水を飲み
二足しかない靴を交互に履く
平和な日記を過すうちに
こんなところ ....
雨滴は絶えず穴穿ち
佇む神々の声は木霊して
わたしのひとりが
目覚めるとき
大地を覆う涙は枯れ
帰っていく
帰っていく
たましいのふるさとへ
ひとりにもどり
帰っていく
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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