モランディのように
一生
静物画を描いて生きてゆきたい
三人の妹に世話をされながら
....
あなたの言うあなたが誰なのかわたしは知らないし
押し入れは騒がしい
新しい殺虫剤を買い
特に何もせず昼を夜にする
手を汚したくなかった
「手を汚したくなかった」
まあそうだよね
....
幕引きの前
馴染んだ景色を眺めたら
忘れたはずの愛情に
気がついたらしい。
別れの言葉に感謝を添えて
ぱたん。と静かにドアを閉めた時
名残惜しさと寂しさに
視界が歪んで見えな ....
おろしたての極点と銀の手は仮のものと氾濫する
丘の小股をすくい、
山なりの隆起を飛び越して、
うねりもたおらかな、てっぺんを砂上とする
秘められた悪辣な改竄を行う眺望の地に
合掌する沿岸 ....
冬に向かって息を吐くと
答えが返って来るのに
それを読むことは出来ない
誰かが私の本を
借りてしまったように
冬は長くて
マフラーをきっと折り曲げる
街を歩けば
イヤフォン ....
光を感じ窓際に立つ
少女の夢の遥か向こう
今日も世界は廻っている
虹が地平遥かに立ち
吹く風、覚醒を誘うとき
花を世界は少女に置く
(チリチリ舞う風の粒子
光はそれらを透過して
....
蒼き美しい馬よ
最後の飛行曲線は
その航跡雲によって
大空に刻み込まれ
いつまでも
消えることはないだろう
蒼き美しい馬よ
ありがとう
そしてさようなら
きみが蒼き鬣を
風に靡 ....
病める鳥は少しの毒を好む、と不意に私の夢が言う。父の姿をしているが、どうも本人ではない、私の父は落ち込んでしまった理由がどうあれ前を向くようにと教え続けたことを覚えている。それにしても毒はよろしく ....
一度や二度くらいは
死んじまおうかなんて
思った事有るよ
一度や二度くらいは
他人のおんなに目が眩んで
そいつから無理矢理にでも奪い
自分のおんなにしたいなんて
思った事有るよ
....
一睡も出来なかった朝の光に浮かび上がる緑色に淀んだ外堀は悠久のエルベ川ではなく
古ぼけた駅ビルの飯田橋はヨーロッパのテラスと呼ばれるドレスデンではなく
不機嫌そうに行き交うサラリーマンはカスパー・ ....
厚紙の病院ではやさぐれた傷みが 長椅子に寝そべり仮眠を取る
肋角の一粒を重ね冬季の余韻を造る 乳白色のシャッターが少し
補聴器を合わせたパンプスが ネオンサインにお喋りする瞬きに
行 ....
石油危機で
オイルショックを乗り越えた人達が
最新機器で
訳が分からず老いるショック
金融不安で
リーマンショックを乗り越えた人達が
コロナ禍で
在宅勤務のリモートショック
テ ....
ぬいぐるみをひろった/途端/ひとつ拐ってみませんか?
目をほそめ/そそのかす/もうひとつの理性/さびしさを紛
らわせて息をつなぐ/この単純な本性/安直な別称を/掌の
硝子玉は見ている
滑 ....
世間、世間、世間世間世間、あんたら世間好きだねぇ、世間っていったい何だい、そいつは実体のあるものかい?そんなにムキになるくらい、素晴らしいもんなのかい?まったくどいつもこいつも二言目には世間ってそ ....
暮れ、底に 打ついて聞こえる淋しい声は
違う違うといっている
朝焼けや紅葉の美しいのに 体ははたらかず
心ばかり出掛ける
そうしてそのいっさいが失われようというときにはじめて
この指 ....
君は綺麗だなモノクロにしたくない
最後の日が来てまともに見れなくなる
僕の心で泳ぐ永遠は泡のように
寂しさを混ぜて溶けていく
ブックエンドのような背中
合わせて離れられない
倒れる ....
今日は冷たい北風が吹き
街はもうすぐ黄昏です
西陽が君の横顔を照らし
はにかむ瞬間を捕らえます
それは本当に美しい
この街角の光景です
(あゝ後何百年
待てばこの瞬間に出会えたのか
....
遮るもののない青空に憧れ
背中に砂のあたたかさを感じて
自由を願った幼さは
いて良い場所が欲しかっただけなんだと
膝を抱えて震えながら泣いた
夜の暗闇を望んで
ディスプレイの光の中で生 ....
言葉の幾つかは
風船みたいに
君を誘って
心の真ん中を
知りたくなる
一度も
それらしいこと
言わなかった癖に
二度も
笑ってくれたから
しまう場所がない
幸せの表現 ....
暖かい夢の降る町に乾いた音を立てて割れた、
テクニウム、テ・ファーリキ、
気圏、の、隅、で、金属弦、ゕ゛、
生を享くるそのまえを繋ぎ、
少乙、は、宇宙精神の記号を、
屈んだ、右手に、昏さ ....
ちょっとはにかむおじいさん
となりに笑顔のおばあさん
上を見つめてすまし顔はお姉さん
二日酔いですか
苦虫顔はお父さん
横ではさらにニガニガ顔のお母さん ....
だからあれだけ言ってはならないと!
申したではありませんか。
コンプレックスが強いのです、あそこの犬たちは。
歯を向きだしてる子だけじゃありません。
いつもうなだれてる子、震えて上目づかい ....
心があるという事それ自体に心動かされる時がある。
あの時抱いた感情を、いつか言葉にできたら良いなと思う。
たとえその言葉が人に伝わらなくても、
僕しかいない場所に言葉がいた。
坂の下は霊魂の溜まり場だった
降りて行ってはいけない と彼女に言われた
彼女は二十四の歳に逝ったままの若さだった
その代わりにある家を見て欲しいと言う
二階に八畳間が二つ在るのだけれど何か ....
夢よ幻よ。やるせなくそして ひざまずく。
たとえば湿ったアスファルトと、推し量る
仄かに照り返すみちびき。
一本の露地のその先へ、
うちとどめなければならない
なにかを
砂 ....
君のことは分かるけど
あの絵だけは受け入れない
君が描いた絵じゃないけど
申し訳ない
好むことができないんだ
なんか分かるところが
君に似てる絵
君が描いた絵じゃないのに
そうしてきっ ....
お互いにコーヒーが好き
出逢いはよく行く喫茶店
コーヒーの話題で盛り上がる
コーヒーが繋げた恋愛
何処となく身体に染みついている
使う豆によって
味や深みが変わる
切ない気持 ....
突然、居なくなった君に
会いたくても
切符の買い方が分からない
どうしよう
この世界にまだ
君の寝息を授かる人がいて
くすぐったい夢を見る
枕ばかり高くなって
時間をやり過ごす ....
百万円と一万円とでは
重さが違う
札束にすれば明らかだけど
物理的な重さもあるが
心の中にも重さがある
何かを買う時なんかは
一万円なら気軽に選んでも
百万円となると
....
中3が中3
刺し殺したぐらいで
騒ぐんじゃないよ
小6女児が小6女児の首を
カッターで切り裂いたことが
あったじゃないか
珍しくも何ともないんだよ
97歳が25歳を滅多刺しにした
....
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