悪夢と呼ばれた少女
眠れない日が始まって
眠ることに怯えだして
眠らないことを意識し始めた
「カラン」
....
崖っぷちでお父さんが寝ていた
風邪などひかないように
布団をかけてあげた
ああ、これは夢なんだな
と分かって目が覚めると
崖っぷちで寝ている僕に
お父さんが布団をかけてくれていた
細い腕 ....
{引用=
夜は
地の影 海の影
人は
光りのかげ 愛のかげ
青は
心の翳 かなしみの翳
光りは
闇の陰 空の陰
炎は
木の影 風 ....
それは{ルビ鬨=とき}の声
感情が地鳴りとともに疾駆して
旗が塗り替えられる
さぁ今、ダイスは転がされて
詮無い口実でよかった
まこと正しい正義など、初めから
どこそこにあると、誰が教 ....
解らないくらいがちょうどいいよと
君が言ったから
考えるのを止めてみた
そしたら少しだけ肩が軽くなった
君の笑顔がいつも以上に
素敵に見えた
....
「僕」という種をまいた
「僕」が芽を出して
高く広く枝をのばし
深く遠く根をはって
空からも大地からも
みんなを見守れるように願った
「僕」という種をまいた
....
走っているのです
よろめきながら
戦ってきたのです
血を流しながら
憎んでいるのです
憎まれているのです
疲れてしまったのです
そんな世界には
もう誰も憎みたくない
....
時の経つ速さを
矢の速さにたとえた言葉があるけど
そんなものじゃあ 計り知れない
時間の流れがそこにはある
半年しか経っていないのに
もう何年も 何十年も 何百年も ....
ミランダ やさしい亜麻色の髪
青い瞳で微笑みかける
ボッティチェリの絵から抜け出た天使
裸足で草原を歩くのが似合う
ミランダ 白鳥の細い首筋
もうすぐ居なくなると告げた
はかなげな ....
コーヒーカップの中に
スカートをはいたライオンがこっちを睨んでいた
動物図鑑を投げ入れたら
羊の写真でセーターを編み始めているので
砂糖を入れてスプーンでかき回した
匂いを嗅ぐと春の草が漂っ ....
また一つ言葉が僕の体を突き刺した
もう痛みなんか感じないのに。。。
もういくつの言葉に傷ついたろう
ああ、また言葉が僕の体を突き刺した
いたい
いたい
....
「あなたはいい人に見られたいのかしら?」
「悪く見られるよりはね」
「どうかしてるわ」
「どうかしてる」
「昨日、九龍城砦に行ったの」
「夢の話?」
「コンクリートの山の上で、煙草を吸 ....
黙って駆け出す君を見て
今日も嫌なことがあったんだろうと
僕は考える
今日の嫌なことはなんだろう
僕は思いを巡らす
上手く起きられなかった朝
黄身の固い目玉焼き
紅茶と間違っ ....
牛さん豚さん鳥さん、たまに熊さん
お肉はとっても美味しいよね
ボクはお肉が大好き
けど、ボクがいつも食べてるお肉は
何のお肉なのか知らない
知ってるのは動物さんのお ....
ある日 月の裏から サヨナラが やってきた
安らかな 眠りの外から やってきた
サヨナラは 全ての音を 持って行き この部屋は 冷たい光に 沈んだ
独りですごすには広いから 一人で笑うには暗いか ....
寝ても醒めても真っ暗だぞ最近どうも
ぴとぴっと降りしきっている雨と雨雨
振り絞った空気には 氷酢酸の結晶が混じって
冷たいプロミネンスが心の野原を這いずり回る
ああ 明るい天窓から社会が垣 ....
日は とうに落ち 暮れている
小川の セセラギが響きもせず 川下を示し
歩を進めるに従い 変える瀬音
静寂
瀬音ゆえに ....
冷蔵庫を開ける
冷やしたバナナを一房
あの娘にあげる
愛らしい目の
狸みたいな娘
どうしたい?
バナナは嫌いかい?
冷蔵庫がブンブン鳴って ....
古いアニメのように
のっぺらぼうの観客の僕らの主人公の後ろの僕らの主人公
同じことを繰り返し
同じことを繰り返す
せっかく年末に片付けたのにもう特に2月
どんどん ....
あいかわらず武士だった
参代する日でもなかろうに
女房殿に渡された温かい包みを抱えて
坂を下ってゆく
*
何やら人垣ができていて
たいそうな{ルビ賑=にぎ}わいである
隣の女房が ....
いつからか
泣くという事が
できなくなってしまった
涙は
決して
私を守る銃には
ならない
涙は
一度流してしまったら
血となり中々止まらず
どんどん流れていく
そし ....
秋はゆっくりと来ていた
朝夕の風を
冷たくすることから始めて
草花の種を気まぐれに弾き
ななかまどの実を
少しだけ赤く染めてみた
けれども空はまだ若い
夏の面影を残していた
梢には ....
きょう
ぼくは少年だった
両腕をいっぱいに伸ばして
いちにち
空を憧れていた
ぼくのノートは
かなしい文字でいっぱいだ
さようなら
さようなら
みんな さよ ....
夕日の光が部屋に差し込んできて部屋はセピア色に包まれた
僕と君はそれぞれ向かい合って日に焼けた椅子に座り 両手を組んでいる
何か話をしようか 僕は色々なことを考える
君の時間は残り少ない ....
世界はこんなにも静かだ
人間達や動物達や虫達や植物達は眠っている
僕だけが目を覚ましている
夜は朝を呼ぶことなくじっと眠っている
星々や月は住処に戻っているらしく姿がない
雲は風 ....
雨が降り続いている
僕の落ち着ける心
心の底は雨が染み込んで温もりを持っている
僕は詩を書くことを拒絶した
しかし今詩を書いている
時間の止まった意識 灰色の世界を彷徨う
薄 ....
いつもそうやって
自分をごまかすのね
{引用=それは何用の仮面?}
ねぇ 時々は見せるの
自分の心
{引用=扉は開けないほうがいい?}
話してみれば
あなたの心の色
{引用=そんな ....
ファスナーあいてるぜ
ビーズのドレス
子羊は
オーストラリアで死んで凍えて
この白い皿に乗って
おれたちの血肉になる
あたたかいから
おいしいから
たくさん ....
新しい朝をつくろう
いつもとは違う やわらかい空気を
吹き溜まりの部屋に呼び込んだなら
新しい朝をつくろう
いつもとは違う あたたかい光を
変わらない白の照射に重ねた ....
気が付くと、
また曖昧なものになっていた。
前回はあいまいで、
その前はアイマイだった。
…ような気がする。
これもまた曖昧である。
曖昧なものになった ....
4888 4889 4890 4891 4892 4893 4894 4895 4896 4897 4898 4899 4900 4901 4902 4903 4904 4905 4906 4907 4908 4909 4910 4911 4912 4913 4914 4915 4916 4917 4918 4919 4920 4921 4922 4923 4924 4925 4926 4927 4928
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.36sec.