昨夜の大雨で
水{ルビ溜=たま}りに{ルビ浸=つ}かった靴に
古新聞を丸めて入れる
翌朝
すべての水をすいこんだ
古新聞を取り出し
しめった重みを
ごみ箱に捨てる ....
部屋には一本のゴムの木
でもその成長は見えていない
葉の色付き具合
前とは同じには見えない
大きな流れに逆らって進もうとしている
愚行を彼方へ置き去りにする術を手に入れるまで
....
嵐のあと
歩道に{ルビ棄=す}てられた
ぼろぼろなビニール傘
雲間から射す日射しに
一本だけ折れなかった
細い背骨が光る
あのような
ひとすじの {ルビ芯=しん} ....
求めるべき理想が見つからない
このとりとめのない世界で
目の前の現実に手を伸ばしてみた
でも、
何もつかめなかった
ありきたりの日常が
ただ忙しなく過ぎてゆく
僕の手には ....
久しぶりに良く晴れたその日の夕暮れに
私の体温が奪われていく様子を
歩道橋の上から透明なカラスが見ていた
カラスはその向こう側が
全く透けて見えるほどに透明だったけれど
そのカラダの形 ....
2007/03/06
アラビア風に
目の下を
コール粉で
黒く塗る
世紀末の
ガングロの起源かと思ったら
直射日光の
眩しい反射を遮って
目を
....
黒い雫が溜まった
下へ下へと
深く深く濁った
水溜り
僕の心
上へ上へと
高く高く望む
孤高の空
息も出来ないほど
潜り続けた
光が届かないのは
普通だった
塞ぎこ ....
「運命って信じる?」
「どうしたの真剣な顔をして」
聞けば親友がフラれたらしい
七年間の長い交際の果てに
「私達は大丈夫だよね?」
「当たり前だよそれより早く寝なよ」
強気 ....
カスタマイズとカスタマイズの狭間を携帯で埋める
仕事の休憩時間に俺が詰め所にいなくて公園にいることを俺の子どもが見たらどう思うだろうか
意味のわからない言葉を言ってわらって-
世界の路上では ....
今日、片付けの途中に
すっかりくもったシルバーのバンクルを見つけました。
それは、
かつて共に恋に落ちた男性と
ペアで買ったものです。
あの頃は、
物で心を縛れると思っていまし ....
実習中
「妊娠してます」
とは言えず
患者さんを
抱きマットへ移動
母泣かせ
父失望させ
私たちは親になる
春3月の風凍みて
結婚式
暗い顔の両親親戚
....
この場所に 残された
君の香りだけが 悲しくて。
カノジョは抱きしめると林檎の匂いがして
ニュートンの空を見つめている
ちきゅう
と、くちびるが動いて
俺は抱きしめて
「おまえさんを中心に地球は まわってるな」と言うと
....
金髪の詩人は詠うよ
言葉を自在に操って詩を詠うよ
地毛は黒だけど金髪に染めたのさ
根元までちゃんと染めたよ
さらにピンパーマまでかけたのさ
だから女の子達に大人気なのさ
も ....
幻聴は悪魔の囁きだ
甘ったるい言葉は声を変えて語りかけているだけだ
囁きは夢に影響を及ぼす
絶望的な破壊的な類のものを見させる
僕の心はぐちゃぐちゃになり魂は砕け散りそうになる
....
電車一本バス二本乗り継いで君の通っていた大学へ行く
鉄道研究会の部室には君が毎日書き記していた日誌が置いてある
僕はそれを広げてみる
君の文字が丁寧にしかし可愛く刻まれている
文章を ....
しずかに ね 猫
私は いま しんでるんだから
かたおもいのこい とか
あしたのしけん とは
わけがちがうのよ 猫
しずかに猫
はなれて ね 猫
私は す ....
--------------------たにおり
ひとり警棒振ってると
いろんなことが思い出されて
片腕 しびれるほどに
警棒 重さを忘れて
道のお手伝い
くるま 流れるほどに
あれ ....
忘れないで居ることが罰
そう言った私を、
笑った貴方は今
海に赤い灯をまだ燈して
どこで何をしていますか。
明日も忘れないよう、
罪を反復するのです。
黒い海をま ....
1つ屋根の下
君の吐息が
髪を揺らす
透明の境界線が
越えられなくて
今日も左肩は冷たい
4?の世界を
1?の世界に変えることができたら
なんて思っても
左肩の冷たさに
....
教室に戻ると、
机がなくなっていた。
みんなぼくに背中を向けて、
くすくすと笑っている。
すごく笑っている。
いつもの光景。
誰かが振り向いた。
なに ....
町外れにある小さな海岸には
波が来るたびに
無数の椅子が打ち上げられる
町に住む子供たちにとって波音とは
木や金属のぶつかったり
こすれたりする音に他ならないので
海遊びをするときは
上 ....
そうら
新しい年が生まれたぞ
おぎゃあおぎゃあと泣いている
生まれたての年は少々荒っぽい
その鼻息で吹き飛ばされないように気をつけな
さてと
おいらはもう休むことにするよ
次はこ ....
ぼくは今
2つの分かれ道の前に立っている
1つは光へ
1つは風へ
心が暗くなり足が動かなくなったとき
その光は明るく自分を導いてくれる
自分にとって生きる支えとなるであろう
....
彼の耳は大きすぎた
そのため藪に入る度に傷ついた
彼の耳は柔らかすぎた
そのためよくないがしろにされた
彼の耳はよく聞こえすぎた
そのため聞くべきでないことまで聞こえた
彼は耳 ....
左目の蜂
音を運び
ひとつふたつ
鎖骨に沈み
水音になる
心音になる
傷は多く
果実の匂い
口でふさぐ
はばたきの色
外へ 外へ
去ろうとする色
水 ....
ずっとずっと
ずーっと一緒に居れると思ってた。
ずっと一緒に居れるだけでいいって思ってた。
それだけしか望んでなかった。
それだけで幸せだった。
それだけで受け入れてくれ ....
当時はもてはやされた
流行のデジタルカメラ
今では部屋の片隅で
勢いで買った専用のプリンタとともに
すっかり埃にかぶっている
電池も完全に切れている
プリンタに差し込まれたままの紙は
純 ....
その線の流れは
いくつもの分かれ道があっても
不思議とまっすぐに見える
迷い間違えながら歩いているようでもそれが
過去となれば運命と名づけられるからなのか
生まれながらにして刻ま ....
ウサギがハコベを食べる
ハトが豆を食べる
蘭が満開です。
私はコーヒーを飲みます。
ギンヨウアカシアが咲いています。
黄色いボンボリの様な花です。
私は愛を出し惜しみしません。
お話 ....
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