静かな鼓動の海
満ち欠けを繰り返す月影
わたしは独り泳ぐ
途方に暮れ
静謐に身を委ねながら
遥か死の彼方から降って来る霊性は
たましいを震わせ
遠いおもいでへ導く
そこには自由 ....
自称詩人界隈にも
宗教ばばあは存在する
実はいい人で間抜けな私は
不覚にも
自称詩人の集いがあるように
匂わされて
わざわざ手土産持って行ってみたら
変なアパートの一室で
座禅組んでぶ ....
父母が長くない
コロナだワクチンだこれだけ傷めたら
親戚も危うい
自粛下で葬式も辛い
そもなんでこんな騒いでんの?
ノーバディノゥズ
休日の朝のホームを
滑り出した車窓から
照り返しの陽光みたいな
白い自販機がみえる
どこへゆくあてもなく
私を待つ人もなく
とてもよく似た子犬を
静かな夢の部屋に置き去 ....
遠い声が響き渡る
独りの声が響き渡る
突き刺す大地を
突き刺す故郷を
アナタを求めて
アナタを希求して
響きの渦に呑まれていく
奥底から沸き立つ郷愁
この地球の上で、この宇宙の中で
....
午後を歩き
空を吸う
斜めの鉛芯
やっとひとつの島を巡る
空から落ちる花の軌跡
声はずっと声のまま
水たまりの上を旋回し
宙に桃色の輪を描く
雨の明るさ ....
長い水の針の影
口から羽と血を流し
すべての鍵盤に蝋燭を灯し
弾いては倒れ 弾いては倒れる
指の動き 空気の根
傷の痛さ 爪の長さ
腕ふるわせ 指ふるわせ
空 ....
生きるということは
きわめて主体的なことである
人は関係ない
自分がどうするかである
失ったものを嘆いても
誰も代わってくれない
自分でなおすしかないのである
なおらなければどうするか
....
隅々まで{ルビ悠=とおい}シャーレのわたつみを游ぐ眼球の記憶へ
多分私たちは今よりもうすこし先を上手に歩くべきだったの
伸びた爪も取れかかったパーマも色褪せた素肌もまた
いまの ....
私の父は
競馬に入れあげ
家、土地、ありとあらゆる財産を
注ぎ込んでは外れ
終には破産、一家離散に
追い込まれました
両親は離婚、姉は風俗穣
私は高校に行けずパチンコ店店員で
生計を立 ....
○「昭和は遠くになりにけり」
「君を死ぬまで離さないぞ!」
僕の若い頃は決め台詞だった
しかし、今は
そう言われるのを喜ばない女性が
増えているそうだ
子育てが終わったら卒婚
定年退 ....
おかえり
やってくるものたちよ
君らのことは
昔から知っていた
真っ赤な顔して
小さな手足をぐーぱーしていたころから
思えばそのころ
宇宙のすべてを知っていたはず
だんだん忘れたわけな ....
意識の底に落ちていくような
渦巻く響きの海にいる
たましいは肉を離れ
渦巻く響きに同化する
打ち鳴らされる変則的なビートに乗って
遠い記憶に沈んでいくわたしという存在
成就されない愛を ....
純粋な
釣りのはずが
いつしか勝負になり
あなたは
無口
二〇二一年二月一日 「ルミナス」
『90年代SF傑作選』下巻の8作目は、グレッグ・イーガンの「ルミナス」数学の話で、なんのことについて書かれてあるのかはわからなかったが、小説を読む楽しみはあ ....
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て
遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が
風に吹かれて
風に吹かれて
名無しで ....
H2O2
感情を拐わないでくれ
H2O2
反響を撮さないでくれ
正常な、生命誕生の秘話について
触っていると
お前は違うんだと言われた気がするので
隣人の玄関の前で
インターホ ....
そして私は
静かに
狂う
小径で すぅと
鬼やんまとすれちがう
ありがとうが
口ぐせの私だが、
礼も過ぎれば
無礼になる
それでもさ
誰もいない
林の陰で ....
{引用=水に溶ける道化師}
あの尻に開いた窓との間に
雨の幕
ブロック塀を上手から下手へ
一羽のスズメ
踊る小娘
米を撒く
無礼千万
豆も撒く
満員御礼
....
歯向かうだけの机上の祖の あのハナは 間が、いいのです。
繊細な表情は独自の速記であり致命的な傷に悩まされる
『あたりちらす/
舌がからまり草木がそよぐからだ/
このよ、迎え入れられ/
....
黄昏の光を受け
よろめく羽虫は
遠い木霊のなか
孤独と静謐に留まる
変わりゆくすべてに
変わらず沸き立つもの
遠く木霊する声
異様に絡み合い
広がる宇宙の輪郭を
響きのなかに伝え ....
失われるべきものは
はじめからそのように決められていた
細胞のなかにあらかじめ
自死プログラムが内蔵されているように
それを否定することは
生まれることをも打ち消すことだ
細胞は運命の可視 ....
あなたの
ありがとうに
ありがとうさま。
あなたと
会えて良かった
涙雨
さあさあと降る
私
さようならは
言えないまま
雨は上がり
ウマオイの
すいっ ....
あなたへ
永遠に
ありがとうさま
いつまでも
ありがとう
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
先ずやらなければならなかったことは
母親を撃ち殺すことだった
宗教は麻薬だと左翼の親玉が言った
ことは正しい
売り付ける奴も悪けりゃ
買う奴も悪いのだ
その関係性が絶ちきれないで
迷惑を ....
出て行く君を止めることも出来ず
よびとめる言葉さえ持たない
隙間の増えた部屋を眺めて
2DKの広さを思い知る
埋めようのない空間の中
君の残像も消えてい ....
いわゆる「水急不流月」
禅語だ
川だろうか
河だろうか
とにかく流 ....
燭の芯
そのふくよかな呼吸のまた
連続した事に至る悼みと痺れが
つきあかりに足を伸ばし
短くはじめる
あてのない
散歩している、かのような、
空室の三方を のんびりぶらぶら
ガワのほと ....
夏は
木陰の涼風となり
冬は
縁側の日だまりとなり
春は
大空の若葉となり
秋は
大山の紅葉となる
ボクハソウイウモノニナリタイ
スマートフォンで教養を
いつでもどこでもカンニング
手にした知識で考えて
心を鍛えることもない
血肉にならない教養を
間食スマホはつまみ食い
スマートフォンで経験を
いつでもどこでも ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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