約束の指輪は捨てました
繋いだ手は離れていった
渡す言葉もいえぬままに・・・。
意識も想いも遠すぎた
存在だけは確認できる
この小さな機械だけが
唯一の繋がりだったんだ ....
包み紙を、外す
独特の
ぱりぱりって音
もう
聞き飽きてる
口直しにカルキ水
まだ、甘ったるい
口内がだるい
包み紙を、捨てる
隣で
....
止まらない衝動は
真っ白な闇と
薄紫の空気を運んで
力尽きた身体を
ゆっくりと
撫ぜて行く
視線の先の
鏡に写った自分の顔は
酷く醜くて
酷く美しかった
....
一
日々を連写して
間違い探しをする
遠浅の青に
いつもの魚が溺れている
鱗がまた一枚なくなったこと
それを除けば
昨日と今日の境界線はゆるい
魚は、な ....
バラバラになっていく
そんなことぐらい無能な僕でも
わかりきったことだった
僕が閉じたはずのマブタの裏には
僕だけの星空が広がっている
1リットルの涙が必要いじ ....
もしもし
こちら双子座
脱力していルカ どうぞ
もしもし
こちら双子座
炎はあルカ 今 何色だ どうぞ
もちもち
今 お前の尻尾にいるぞ どうぞ
もちもち
あ ....
細い細い手すりなので
あまり寄りかかると
折れてしまう折れて
そこにおんな一人立ち
ぐううと力込めて見せる
見せて笑う
おとこおろおろし叫ぶ
危ない危ないあ ぶ な い
お ....
音を立ててブナの木は水を吸い上げる。
地下の滝は光を求めて上昇する。
森は暗く木々はみどり。
凡庸な言葉が指をすりぬける。
緻密な理論はブナの木に関わりがない。
ブナはただ立っ ....
きみの半身を 盗みだして
逃げる途中 このさきの
春の右肩あがりで
ころんだ 拍子に
結ばれたんだったね
真っ暗な 寒さの
果てに
今 そっと 雫が
流れる
まるで 今日の
自分の 心の汗が
ほとばしる 感情を
裏切るように
禊のように やがて
大粒となり
傘も コートも
....
僕はアリクイ
三度の蟻より
泥水が大好きで
いっつもうわっつらの
ぬるいとこだけ舐めてんだ
僕はアリクイ
本当は
冷たくて濃い泥水のほうが好きだけど
決して深いところまでは
首を ....
角のない消しゴムは
捨てられる寸前だった
角があろうとなかろうと
同じ材質なのに
四つの角があるとないだけで
大きな差をつくっていた
丸みの部分にはすれたえんぴつが
くっついていて
手 ....
寂しさを積み上げた山は
秋の匂いがした
木の実を拾い動物達と話す
寂しさを暖かさが溶かしていく
山がすっかり溶けると
みんな消えていた
残ったのは
痛いくらいにしんと ....
自分自身
おんなのこは
とてもいじわるなので
けたけたとわらいます
たたみのうえ
すっぱだかで
けたけたとわらいます
でんきにぶつかるむしが
そんなにおもしろいのときくと
わたしはじ ....
私のことを少し話そうか。
私はね、アリなのだよ。
黒くてね、節足で、勤勉だけが取り柄のね。
そりゃ甘いものには目がないさ。
生活は甘くないからね。
均衡を保ちたくなるのさ。
私のことを ....
また今年も
お彼岸に会いに行けなかった
「仕事が忙しいから」
「行くのに新幹線使っても半日もかかるから」
毎年同じ理由で行けなかったじゃ済まされない
小さな頃優しかった父も
「 ....
久しぶりに着た服の
ポケットに手を入れたら
一緒に観た
映画の半券が出て来た。
ゆっくりシワを伸ばして
そっと引き出しの2段目にしまう。
また1つ想い出が増えた。
たましい…だなんて
古臭いことばを
ミルクパン
で。どろどろに溶かしたら
ハートの型に流し込む
いつから
だった
かな
球体関節人形の
股間から
生まれてきた。わたし
だ ....
摘んで味わう、その苦い毒。
ブルーローズの花びらが
足元にひとひら飛んで来る
私の前には
鴇色の世界が広がる
ブルーローズの花びらが
ベランダの向こうの子どもの所へ
ふくらんだシャボン玉を
どこまでも追いかける ....
平然と人ごみに紛れていく君
簡単に笑顔なんて見せて
許されるとでも思っているの?
そんな人の群れに紛れても 逃げられはしないよ
罪人を隠してくれる場所などな ....
みんなが忘れてしまったことを
いつまでたっても覚えてる
きっとあの子も覚えてる
とりにきてよ 君のわすれものを
・
君からもらった温もりは
借りたものだと思ってる
すぐに十倍、百倍にし ....
睫毛が目に入る 痛い
睫毛乱毛 つまりは 逆さ睫毛
どうせ私ゃ思っ苦しい一重さ
なんだろうね、マジでさぁ
目を守るタメの睫毛じゃねえのかよ
睫毛にさえ攻撃されるなんてね
ああ、涙出てきた
....
あらゆる意味で
生成流転の日常がいい
今日 新しかったものが
明日 古びてしまう
永遠と思われたものが
もろくも崩れ去る
野性の獣のごとき
機敏な世界
日々が日輪と共に ....
言葉は架空
言葉は凶器
言葉は空回り
言葉は記号
記号は強調
記号はロック
ロックは愛
誤解と曖昧をふんだんに、あと卵をひとつ
愛とはレンコンのはさ ....
まだ耳に残るあの言葉
呪いのように
脅迫のように
責め立てるように
でも、しがみついているのは
わたし自身なのかもしれない
手放せないわたしの一部
痛くて愛しいあの言葉
猫とジャレる 君がスキ
猫もスキ 猫で遊ぶ君がスキ
猫の手スキ 肉球がスキ プニプニ感 スキ
君がスキ 猫の真似をする 君がスキ
君がスキ 猫よりスキ
....
明け方のビル群は
墓標のように見える
おれはタクシーを拾って
車のまばらな御堂筋を
一直線に南下しながら
疲れた頭の片隅では
死ぬまでに稼げる金を
ぼんやりと計算している
アス ....
いちばん古い棟へとつづく渡り廊下は
いつもひっそりとしている
ことに雨の日には
この渡り廊下だけが離れて
雨降る宙の中に 浮かんでいるような気になる
《ここで語り合ったこと
《ここ ....
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