花巻に来ている
宮沢賢治と遠野物語の
風が吹いている
土が匂っている
せつない、ただせつない、
全車両禁煙の新幹線で
もうすぐ
この風と土から離れます
....
極彩色の数珠の{ルビ許=もと}
魍魎たちは
虚無に{ルビ抱=いだ}かれ静かにねむる
混濁した闇のカオスは
連なる数珠の結界を
破ることなくおし黙る
救われたくは ....
仕事の合間や休憩室で言ったり、言わなかったり
体温をはかるようぢゃないか?
揺れ動いたのは水銀か、銀箔か?
言葉がなけりゃ分りはしないのだ。きっと―
「やるせない」と、僕が思っていることを。
....
友達と語る時
相談をする時
恋バナをする時
「海に行って話そう」と海に出かける
心がざわついた時
どうしようもなく悲しい時
寂しい時
海を見たくなり一人で海に出かける ....
かたこと かたこと
僕の心臓が
どれだけ綺麗に
リズムを刻んでも
かたこと かたこと
僕の時間が
いつでも綺麗に
並んでいる訳じゃない
空は鈍い曇りだし
降るはずの雨は降らな ....
春だから
春だから ふと風に乗せて
あなたへと想いを運んでみたくなるのです
ここから少し遠くの街で
きっと勉学に励んでいるあなたに
想いを届けたくなるのです
春だから
春だから ....
白く鮮やかに咲きほこる、
一本のモクレンの木の孤独を、わたしは、
知ろうとしたことがあるだろうか。
たとえば、塞がれた左耳のなかを、
夥しいいのちが通り抜ける、
鎮まりゆく潜在の原野が、かた ....
あなたは ふらり
何の気なしに
立ち寄った旅人のようですね
来訪が嬉しくて 嬉しくて
こころからおもてなしするのですけど
ずっと ここに留まってはくれず
また ふらり
どこかへと ....
まいあさ 鏡を割り
若くして わたしが
老いた まさにその日を
しのぶ よすがに
花鳥に 水をやる
生まれ出る感情は
どこから湧いてくるのか
わからないけれど
森の中の泉のように
こんこんと
形を留まらせずに湧き出して
全身に流れてゆく
ある流れは海のような夢へと
広がってゆく
あ ....
風が強い日は
色んな想いが
空に舞う。
誰かの元へ
届いたり
そのまま
消えてしまったり
想いの連鎖は
繰り返す。
あの日
彼は消えていった
一億人以上の
小宇宙から
確かに
ひっそりと
消えていった
私は
傍らで
それを
眺め
その日
空は鈍く澄んで
....
デキる上司と デキる後輩に挟まれて
「まじめに生きてますよ」と 今日も一生懸命な姿だけでもアピール
上司に媚売るぐらいじゃ 出世できない御時世です
胃も荒れて なにもかも悪くなるばかり
....
空につるされた
大きなはねがまわる
からおとたてる
かいてんが どこか
はげ落ちたがいへきのさびしさ
人の形をしたうすいかげが
つめの先にあつまる
ことばを探している
おびえてかくれた ....
頼むから
「お宝」なんて言葉は使わないでくれ
宝に「お」を付けるのはやめてくれ
なんか下品じゃないか それでも宝なのかって
ありがたがる気持ちはわかるけど その敬意は卑しいぞ
みんなが「お宝 ....
クレパスを持つ
春の手のひら
細雨に包まれて
風が囁き虹の出番
すくった水に日のカケラ
見上げた空に青のサカナ
濡れた画用紙乾かして
透かして見えた
春の手のひら
腕まくり緩 ....
いまここに
来たるべき夜の紺青は
誰しもの
奥深くに眠る
逃れられない
悲哀の色をして
春はいつのときも
悲しみ覚えたかたちを
おぼろに映すから
すこし涙もろくなる
さ ....
不在に打ち震えとんのや
誰もかれもが
ひとりや
コップ、まだ洗い終わってへんねんって、
やめろって、水かけんぞ、ボケ
AIWAのCDデッキに
ジャック・ジョ ....
僕の役目は 終わってしまったみたいだから
なんて そんなこと言うんですか
私は 君の役にたちましたか
もう 解雇ですか
ごめんなさい
ごめんなさい
好きになっちゃって
ごめんなさい
私達は(仮恋人)
ほんとの恋人じゃない
カモフラージュのために付き合ってる
....
薔薇色の大理石の壁
ふりそそぐシャンデリアの光
ペルシャ絨毯の幾何学模様を踏んで
白いドレス姿の君が浮き立つ
言い知れぬ暗みと喧騒の中を
艶やかな笑みとともに君が通り過ぎる
氷を砕き、 ....
びいどろの中でしか生きられぬ
無縫の衣
纏い
舞う
御姿 艶めかし
ゆるり
ゆらる
煙管より一燻
放ち
湿る
御御脚 い ....
かしましい
と、鼻で笑うか。
構ったことじゃない。
一羽の兎が駆けるのよ。
雪肌の兎が跳ねるのよ。
あちらからこちらへ。
こちらからあちらへ。
草原を鳴らせ。
きゃ ....
あの日の誓いは 忘れるんじゃないよ
お前は私に服従と忠誠を誓い 私はお前に命を与えた
私はお前を支配する
お前は私に従うんだ
求められたら 差し出しなさい
....
カタコトカタコト カタコトカタコト
ホキャ
ホキャ
ホキャ
鎮めて
誰か僕を鎮めて
キミでもいい
薬 ....
身を削るようにして 人を思いやるところがいいところだと
君は私に言ってくれる
でも 削られた身に自然治癒力はないみたい
不細工に 削ぎ落とされた私の身体を
埋めてくれるものが 私の傍に ....
気の毒な君に手を出したのは あたし
「君は 食ってるんじゃない 食われているんだ」
そんな風に言わないで
あたし 吹き飛ばされてしまう
ただ ゆるりゆるりと流れる中で
時計の針しか停められなかった僕の手が
次に停めたのは
貴方の積み木を積む事と
紙飛行機を飛ばす事でした
僕の部屋は床が見えないくらいにそれらがありますが
....
なかったことにして、アルミ缶の中にポイと捨てたもの
もう二度と缶の淵で手を切らぬよう、上からガムテープを貼る
急いで貼ったので隙間からいけないものが漏れている
水蒸気になり、手で掴め ....
ひりひりとした皮膚の隙間から
言葉や感情が飛び出していく
熱を帯びた体はなすすべもなく
意識の遠のきかけた瞬間にまた
大事にしていた言葉一欠 飛んでいった
空に溶けていった ....
4787 4788 4789 4790 4791 4792 4793 4794 4795 4796 4797 4798 4799 4800 4801 4802 4803 4804 4805 4806 4807 4808 4809 4810 4811 4812 4813 4814 4815 4816 4817 4818 4819 4820 4821 4822 4823 4824 4825 4826 4827
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.38sec.