しなやかに雨
しなやかに現実
必要に駆られて夢を見てるのは数時間のみ
終わってしまえば、夢も食べ物に取って変わる
声が枯れる
煙草が不味い
....
なたね梅雨、濡れ葉に皐月近づけり
緑に薄青き色を添えし衣着る娘立ちおれり
わずかに微笑みておれり
路に水流れ、曇り空、
夕餉の魚持ちてゆっくり歩む帰り道
....
彼の乗った船が エーゲ海で消えた
滅多にあることでも ない
彼の乗った船が エーゲ海で消えた
遠州浜の海岸線は 遠い砂浜
波に運ばれる 白い砂と 生き物 ....
君がまだ言葉をうまくしゃべれなかった頃
青空を指差しては「キー!」と叫んでいた
最初は何のことかわからなかったけれど
君の指差す方向にはいつも
飛行機が気持ちよく青空を滑って行って
....
泣きたくて 泣けなくて
母に手紙を書いた夜
滲むことさえ出来ずに
笑顔の文字が並んだ
「変わらずに元気です
新しい服を買いました
今度の休みに帰る
その時に着て行 ....
寒く乾いた
においがしたよ
手を握って
温もりがしたよ
遠くで何かが
鳴いている
近くで僕が
泣いている
風を切って
車を抜かし
君と二人で
現をぬかす
そこの兄さ ....
珈琲牛乳の色をした空には
夜と朝とが 文字通りに交じり合う
季節はそこに存在する唯一つの風景だ
一年、二年、三年、と
過ぎ去った時間の数を数えているのだが
両手だけでは足りない ....
見えない、けれど
雨が降る
相対的な
雨が降る
桜が夜の
川でライトアップ
水いろ
灰いろ
ピンクいろ
銀河のようにも
珊瑚のようにも
....
桃色のソラ
終わる季節
風の香り
夏を告げる
青い風がほら
海を渡った
背中の星が重いから
飛翔しても
飛翔しても落ちる
てんとう虫の
ちいさな宇宙
野の草のように
持ち上げたものの重みに
ひとも耐えているが
あまりにも大きなものの中で
あま ....
一回。
初球は大きく外れ、
バックネットに突き刺さった。
球場がどよめく。
マウンドが揺れている。
おれが揺れている。
....
毎日ともに働く人が
あれやって
これやって
と
目の前に仕事をばらまくので
わらったふりで
腰を{ルビ屈=かが}めて
せっせ せっせ と
ひろってく
そのう ....
あの年の冬は雪が少なかったなぁ
と記憶の中であの年の風景を思い出して1?積もった雪の上を踏みしめたりつま先で地面で穿り返したりしている
自分の部屋から眺める外の景色は普通なのだけれど 毎回毎 ....
昨日食べた、アメリカンチェリーの種を庭に植えた。
どんな花が咲くのかなって想像しながら
私は毎日、水をやる。
世界には
私の知らない花が、たくさんある。
マンゴーだって、アボカドだって
....
真夜中だというのにその旧工場には
明かりがついている。次々にプレスされていく文字。
ここからじゃよく見ない。僕は玄関をでて
実際に見に行かなくちゃならない。
1
そのときぼくは、病室の硝子窓に額を強く押しつけていた。
室内はとても清潔だった。舌を噛み、顰め面を浮かべたぼくは、
見知らぬ突然の抱擁のように、背後の扉をノックする、
<ラストシーン> ....
母が
「愛してる」、と
言った 父は
私を見ながら
「愛してる」、と
言っている
その私は
貴方に
「愛してる」、と
言って
貴方は
悔しいけれど
愛犬 ....
嗚呼、空だ
空だけが、ある
この視界を埋めるのは
ただ唯一の空だ
嗚呼、なんて重い
この一つの体で支えるには
なんて重い
体中が大地に縛り付けられて
気づかぬうちに ....
ふくれっ面のあなたの頬を
針で突き刺したら
プシューと間抜けな音を立てて
空気が漏れてきて
その風で台風を起こして
そこら中を吹き飛ばして
真っ平らになったから
とにかくい ....
ドクン、ドクン
私の中の心臓を取り出して
そっと耳をあてる
ドクン、ドクン
耳の奥に音は響く
私は感じる、
私の生を
私は知る、
私の命を
ドクン、ドクン ....
枕の高さの分だけ
浮いてる孤独
しわのように
なみが 追いかけてくる
向きを変えたいけど
やっと こもってきた熱だから
隙間に入り込む外の風を
力なく拒む
しろくにごる ....
2007/04/05
金属の
吸湿性について
クグってみたが
よく分からない
脱石油の旗の元
水素貯蔵合金は
開発競争も忙しく
かのフリー百科事典
....
桜の木の下で
君は僕に話かけた
それは軽く胸を突く
そよ風のように気まぐれに
僕は笑顔をツクル
出逢いはこんなにも明るい陽の下で
咲きかけの桜のように
秘めた未来
これ ....
きっとみんな真面目なんだろう
だけど勤勉になれなくて
万年ゼミのように都会の巣穴に
隣の木の根をかじっている
そうかと思えばいつだって
やる気と自信に満ち溢れた人々が
....
昼ヒル光り
晴れハレ雨
風カゼ風間に
春かざみどり
寝るネル眠れない
今夜こんばんは
星と
....
魚になって泳いでみたら
ちいさなあの子がすくってくれた
あんまり優しくするもんだから
優しくガラスにキスをした。
小鳥になってちゅんちゅんしたら
おっきなあの手で優しく抱いた
あんまり ....
地図のままに
その道を辿ってゆくと
平面は空間となり
動かない紙は風を呼んでくる
地図はその全てを語らないけれど
その全てを教えてくれる
示されているものから冒険を誘い
自らは新たな道を ....
語りたくない
桜の花びらが風と駆け落ちしてしまった
次は地面と一緒になり
その次は川と一緒に何処かへ行ってしまった
でも
その生命の単純さが
ミトコン ....
春雨を縫って
水滴を蹴って
走るひと箱の蒸気機関車
桜の里をぬけます
蒸気の機関車
舞い散る花びらが
水の仲立ちによって
「わたしピンクのペインティング」
そのまま走り続けて
あ ....
はるのおなかが
ぷっくりふくらんでいるのは
ぼくがそのなかで
ぐうぐうねむっているから
だけど
はるのおなかは
とってもひろい
だからみんなで
ねむりにくる
たくさん ....
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