「逃げよう。」
そう言われたので、
逃げることになった。
以来ずっと、
トメヲとふたり逃げている。
「アテ」というものがないので、
「アテ」もなく逃げる ....
波が編む細やかなレースが
爪先の向こうで結ばれてはほどけ
刻と陽射しは
翡翠や白の模様をすこし深くに施す
水平線、と呼ぶには平らな
空と海の境界を見ながら
こうして言葉を探す自分を思う ....
仮死の昆虫
花の中で
海に向かって帽子を振る
素敵な日傘の設計図
女のように震えている
ミルク色のスピードである
額縁に嵌め込まれた
真夏のプロフィール
義手のシャベルで穴を掘る
....
小学校の時から
毎週月曜日のスイミングクラブに行く前に必ず通っていた近所の酒屋さんが
とうとう引退するらしい
あのじいちゃんは今
何歳なんだろう
毎週月曜日に独り必ず店に行 ....
死んだふりをする
PM二時、
マキシマムザホルモン聴いて
死に至る病を読んでる
ファッキンな午後
葉桜の隣で
猫柳がゆれて
関ヶ原の落人が
湖岸に打ち上げられている
....
アルルの丘でゴッホとゴーギャンが相撲を取り
圧勝したゴーギャンが呵々大笑する
電車を待つ間、そんな詩を手帖に書いていた老詩人は
だんだんとゴッホが可哀想になってきたので
それまで書いてきた十四 ....
あの子の愛してた空が 雪の色に変わったとき
温もりを風に乗せて 星に"ため息"
目をつぶり歩く勇気が なかったばかりに時間は
....
読みかけの本に栞を挟んで
見上げた夜空に満点の星
光を忘れた時代の末路に
神が残した最後の希望
いつの時代も迷える人々は
暗闇に飲み込まれそうな時は
月明かりの導きを頼りに ....
いつものごとくドス黒いマイナス思考が呪われたあの娘の心にかぶりつく。
生きてるわけもない僕は無表情な笑いをたらたら垂れ流すだけ。
キチガイ病院は出逢い系、おかげで愛と哀は同じモノなんだと知った ....
まだ
幼いままの夢を抱きながら
歩みを続けている
床に転がっていた
ガラス玉を指差して
綺麗だと笑っている
何万年も前
もっと世界が綺麗だった頃も
きっと僕ら
同じ ....
インサイダー取引も
アウトサイダーに扱われるのも
もうお腹いっぱいだね
喉なら結構渇いてるから
休憩がてらに
賢治も愛したciderでいっぱい
cidersider
その本を開くと
一遍の詩が終わる{ルビ頁=ページ}の余白に
{ルビ紐=ひも}で結んだ「空の鏡」を首からかけて
両腕をひろげた小人が
立っていた
その本を手にした読者の
誰も知 ....
近頃は早起きが習慣になって
なれない朝を過ごしている
夜にとけていた私には
少し眩しくて不思議な感覚
時が経つのが遅いのは
夜と変わらないのだけれど
なんだか安堵できる時間なのね
早起き ....
時計は歌いたくなった
毎日あまりにも同じリズムなので
いつもとは違う
もっと波打つような
そんなメロディーを求めた
いろいろな楽譜を見ながら
自分に似合う曲を選び始めた
秒を刻む歌よりも ....
北アメリカの森林地帯に生息するアメリカクロクマ達は今日もそよ風に吹かれながら何かを聞いている
みんなが春の陽気に包まれて 幸せに暮らしている
アメリカクロクマ達は余計な分の餌を獲らない 大自 ....
どちらをむいても
午前四時の世界
どこかに逃げ道があるだろうと
独楽鼠のように
路地を走り回るけど
どこにも逃げ場なんてない
ただ感じるのはゼロの自分
大通り ....
今夜も月が美しい。だが、今夜かどうかを決めるのはまさに月の運行とそれを見守り暦を作成する天文博士なのだから、月が美しいか否かに、夜が今夜であるかもかかっているのだ。予言は正確に行われるが、月の綿密な計 ....
枯藻にまじる幾許かの誇りさえ
今は乾涸びて横たわる巨体
眼の放つ一瞬の光さえ砂に埋もれ、
青き海原は穏やかに空を見上げつゝ
波に穂を浮かべては露な境に遊ぶ
儚く岩礁にとぶ飛沫、
仰ぎ見 ....
舞い落ちる花びらの
ベンチに腰をかけ
風に吹かれていよう
夏を過ぎて
冬を越えて
くり返し来た道の
くり返して行く道の
途上でしばし
風に吹かれていよう
降り積もった荷物を
少 ....
わたしたちはいつかきっと死ねるのだから
ジム・モリソンもシド・バレットも
ヴォネガットだって死ねたのだから
今は死ねなくても
こころさわやかに朝の唄をさえずろう
ゆっくりと自分を殺してゆくた ....
3・28
あなたが、いつも吹いている口笛の音律が、耳から離れないから、わたしは今日も眠れないんだ。窓の外には、春と呼ぶには早すぎる、マイナスの風が吹きすさぶ。けれどそれすら、今のわたしに心地よ ....
暗黒の司祭たちが黒い法衣を垂れ、
死んだはずの神の声が鈍く響く白夜の時代、
そんな時代がいままた再び到来しようとしている。
人々は生殖を強制され、
ただひとつの神の声によってコントロールさ ....
時折顔を出す
おまぬけな自分
注意をしてるつもりが
ポロリ
と
顔を覗かせる
いつまでたっても甘えん坊
いい歳になったのにね
今日も恥をかいち ....
人間に恋したカメレオン
叶わぬ恋だと知ってはいたが
毎日毎日恋焦がれるうちに
想像妊娠をしたカメレオン
二人分たくさんご飯を食べなきゃならない
二人分たくさん水を飲まなきゃなら ....
冷えた両手に
掴み取ろうとした風
吹きぬけて
君のもとへ
星の囁きが
くすぐったい空は
変わらず今日も
僕らを見守ってる
憧れを追い掛けて
走った日々を
今も
思い出せる ....
ゆきふらしはやっとこさ
目を覚ました
去年頑張りすぎたから
いつもよりたっぷり眠った
朝ごはんを食べて
歯を磨いて
お出掛け用の一張羅の服に着替えて
今年も仕事に取り掛 ....
軍鼓とラッパのリズム乗せて
列を成してパレードするかのように
顔の角度は45度
上にも横にも45度
ライフル掲げて磨き上げられた靴履いて
ビシッとキメて誇らしげ
それは言われた ....
今はもう
落ち着きを取り戻した
ネオンたちが
まだ 空を
侵食している
その事実を知っていても
僕は
何をする訳でもなく
36℃の体温と一緒に
ベッドへ ....
今まで信じてきた世界が
いきなり泡のように消えていった・・・
もう何一つ信じれない。
怖いから・・・・
....
あの混沌の時代に
息の根を止めておくべきだったのだ
60年を経てまたあの怪物が
蠢き始めている
母の愛を踏みにじり
子の命を食み殺す
あの怪物が再び
われらは
民主主義を手にしたと ....
4751 4752 4753 4754 4755 4756 4757 4758 4759 4760 4761 4762 4763 4764 4765 4766 4767 4768 4769 4770 4771 4772 4773 4774 4775 4776 4777 4778 4779 4780 4781 4782 4783 4784 4785 4786 4787 4788 4789 4790 4791
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
6.49sec.