古い換気扇の羽のところに
ツバメが巣を作ってる
チュンチュンチュン
母さんご飯を頂戴な
チュンチュンチュン
僕にもご飯を頂戴な
窓に糞の跡が垂れていて
元気な赤子の ....
通夜の式場に行くと
亡くなったそのひとが
よく来たね
と、待ってくれているような
気がしてくる
式を終えて会食していると
亡くなったそのひとが
まあ飲めや
と、ビールをついでくれそ ....
この世に
詩ではないものがあるとするならば
それは 「 嘘 」である。
....
あなたの部屋の扉が内側から開かれて
はた、と目が合う
あいさつよりもさきに
わたしを射るように見つめる瞳の
恐怖、という快感
わたしをどうしようっていうの
と声もあげられず
....
田んぼの お空に グライダー
さぞかし 気持ち よいだろな
田んぼの お空に グライダー
田んぼは どのよに 見えるかな
湖みたいに 見えるかな
小さく かがんで 田植えする ....
人間は暗闇から逃げるように火を使う
人間は自分達が信じられず怖いから
魔女狩りをする
人間はほかのより優位に立とうとして
位をつける
人間は身分が下の者が氾濫するのを恐れて
も ....
さよなら言わずに引っ越した
あの子のおうちのお庭には
たんぽぽみっつ咲いてるの
さよなら言わずにたんぽぽも
綿毛になってとんでくの
僕らが歩く道のなかで
少しの夢を見たって良いじゃない
先がどんな荒波の海かわからないんだから
少しの夢ぐらい構わないでしょ
でも見すぎはしない
自分だって知ってるさ
夢を見すぎ ....
五月のフリマで
さんびゃくえんは
けっこう出費だ
フリーマーケットは
貨幣価値を合わせる
装置のようなものだ
五月のフリマで
さんびゃくえんは
....
あと 何秒?
半分目を閉じるの
無駄に身体は動かさないの
黒くて長い髪
私の唯一の自慢なの
まだ伸びている
白一辺倒な世界で
黒は輝いてるの
水墨画って言ってたの
飾ら ....
{引用=
金色が たおれる 欠伸が 蔓延する
蛙のうた こもる ねむれない 五月 日々の罅に 滲む
ゆううつの 書物 ふあんていの音楽
刺身 ....
ののちゃんは、お酒をつくるのがすんごく下手で、とっても不器用なんだ。たとえば、飛べない鳥とかを朝五時半の公園で見つけた時、ののちゃんは何を思ったのかすぐさまののちゃんの店の近くのペットショップに鳥か ....
スナフキンと寅さんが
旅先のホテルでダブルブッキン’した
それは旅行代理店の手違いによるものだった
そもそもふたりが一緒になったら
いけない理由なんてなかったけれども
幸いにも空き部屋が ....
わたしはわたしを見ていた
夕暮の公園の砂場にわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
朝焼けの庭先の花壇にわたしを見ていた
わたしはわたしを見ていた
昼下がりの小学校のグラウンドにわたしを ....
お姉ちゃんが、ぼくを動物園に連れて行ってくれた
はじめて見た白くまはなんだか死んでいるようだった
お昼、お姉ちゃんのおにぎりを食べて
缶ジュースをふたりではんぶんこした
帰るとき、カンガルーの ....
こうじょうをぬけるともり
いろんなどうぶつたちがいてたのしい
くさったごみがもえている
ズダダ ズダダ
いつもこのくらいのたいようのころには
さかなもいて
にごったみずにまじるにじ ....
静かな静かな夕暮れに
光の翼が舞い降りる
晴れた日の夕暮れにしか
現れないその翼は
大きなビルをいくつも
すっぽりと翼の中に入れてゆく
やがて翼は
だんだん小さくなってゆき
夜の中へと ....
{ルビ書眉鳥=ほおじろ} 囀る春景色
{ルビ支那=チャイナ}生まれの{注丹桂=金木犀}が
此処に{ルビ居=お}るよと言いたげに
風に{ルビ嫩葉=わくらば}揺り落とす
今はた ....
古ぼけた鏡から
昔を掬い上げ
じっと見つめるeye
モノクロでもセピアでもない
フルカラーの過去は…潰えた夢
鮮やかで
甘美な
遠い日の記憶
手のひらの過去
二 ....
ねえ、ねえ、ねえ、
ねえってば
こんな感じに甘えたのは
あなただけ
生きることの大切さと
初夏の清清しさを教えてくれた
忘れられない優しい笑顔
こねこのように
ベッドの ....
深みの 夜がふけてゆく
人々の気配が静まる 時
ベランダから闇を撃つ
視線は この地球を光速で 巡るよ
遠い彼方に
視線で 呼びかける 彼方 彼方と
蛍光灯が照らす 小さな部屋 ....
言葉がほしい言葉があったなら
あったなら後は後でどうにかなるのに
あ、から始まっても
ん、から始まってもいい
言葉ばかり求めてこんな今でも
*
ヘビースモーカーの刑事は
スパス ....
楽しさを何だろうか?
楽しいと前に進めるのだろうか?
なら、僕は楽しめていない。
そんな簡単に壊せない自分の世界
毎日繰り返す努力は
自分の組み立て次第で輝くはずなのに
磨けない自分
....
見に覚えの無い君が鳴く
僕は顔を近づける
「・・ノウ・・ドコ・・イッ・タ・」
脳何処行った?
何を言っているのか
まるでアンドロイド
「・・ノウ・ハ・ドコ・ニ・イッ・タ・」 ....
通勤バスの車内
後部座席から眺める
まばらな人々が
眠たげな朝
( 昨晩わたしは、{ルビ尖=とが}った爪を、切っていた。)
人さし指をのばし
四角いボタンを押す
....
ふと
窓から外の様子を窺ってみたのです
すると
空という藍色の海に
悠々と三日月が揺らいでいたのです
そうしたら
小舟のようなお月様に乗って
夜空を旅してみたくなったのです
だ ....
爪の間から
ぼろぼろと、溢すのは
何年も前からの癖
何が溢れているかなんて、
知ろうともしないまま
昔話の中で
お爺さんは呟いていた
その空白にこそ
全ての答え ....
黒い炎に包まれた ぼくの無人のパラシュート
予言者たちの展覧会場に迷い込んでいる
狂った頭蓋骨のような鋼鉄の果実
夜の高速道路を疾走する 慎重な共犯者の告発
やがて廃墟の壁を手探り ....
遠ざかった
昼過ぎの暑さきびしく
伸びやかにあれど迫り来る
車輪きえず
心すれ違い赦すことばかりが増え
いつしか
灰色が世界の四季だと知る
なんのいみもなくて
かざぐるまのよう ....
卯の花と牡丹と金盞花
目の下の黒いくまと日焼けのしみと
赤茶けた髪の毛と手の皺の灰と
磨いた鍋底と花の終わったシクラメンと
藤とシャガとあやめと
終わってしまった菊桃と枝垂 ....
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