下衆な旅人たちの呼吸がいやらしく明滅して、風がその隙間を縫うようにして湿ってゆく。隣を行くふじたくんは普段より一回り大きくなって、顔面をぬらぬらとひからせる、るるりら、ひかり、揺れているのは ....
あの娘のテレフォンナンバー
こっそり教えて貰ったよ
いつも気に掛けてるのさ
勿論君の事だよ
夕暮れに疲れて
赤いお酒飲みながら
寂しく僕は
ダイヤル回したくなるのさ
だからさ君 ....
結び合う空 秋茜 絡まり揺れる 願い握るる細き指に
噛み合わないまま 言葉喪い アイスコーヒー
みなもに写る外灯の 白き光偶然 漂い
まっしぐらな紫煙の さざめく溜息をえらびながら
ちょっと切 ....
帰る。
父の元へ帰る。
いや―
父は、いない。
だけども、死んでなんかはいない、
らしい。
(父の大きな肩を見て、育たなかった。)
(父との思い出、あれはもう、小学生 ....
折れた木の枝は
交尾中のティラノザウルスのよう
街路樹は
地面から生えた手のよう
夜の散歩道には
昼間に見えない
不思議な生き物たちが
姿を見せる
地面に映る ....
あたしは あんたのことがきらいだと言う
たてじまのTシャツを着たあんたは 聞こえないふりをして
うすべったい腹を 時計まわりになでていた
あたしには なんの文句もない
いつもど ....
黒猫
蝉
放置した侭のアボカド
起動為る前のデスクトップ
影
貴方の眸
(孵りたい )
皐月の穹は眩暈が為る
新緑が力を奪うんだ
茹で卵 ....
行儀よく座って
まっすぐ窓の外を見つめると
青みから老成まで
数多の緑点が集まる山並みは
ゆっくりと同じ方向へ
流されてゆく
次の駅では黄色い帽子たちが連なって
せわしなく目の前を泳 ....
君について知りたいことは山ほどある
君とはもう別れてしまったものだから
僕は飛行船に乗って旅に出る
美味しい水も持ってね
お母さんと7うまく行ってる?
体調はどう?
薬は飲んでる?
....
腹を空かせた蛇が
宇宙を丸呑みしたそうな
大きな口を開けて
パクッといった
宇宙は蛇の腹の中にあって
時折酸性雨のような
蛇の胃液が降り注いで
少しずつ世界は消化されて ....
平べったい横の線を辿りながら歩く
垂直にかけられた梯子には
立ち入り禁止の暗黙
手をつなぎ誰もが
出し抜かないように監視し合い
貼り付けられた笑顔に笑みを返す
でもいいのさ ....
翻る黒髪 目蓋打つ白き飛沫
おののく好奇が船上を支配し
まさに航跡に雪崩落ちようとするとき
はるか前方
絶えまなく湧き立つ海の回廊から
ひとつの島影がせり上がる
....
木々は揺れてざわめき
雲は流れて、太陽が見え隠れしていた
放り投げたボールは
狙った所とは全く違った方向へ飛んで行った
花びらが舞い散り
砂っぽい空気で汚れていた
鳥はどうだろう
僕 ....
忙しい日常から
抜け出して歩いた
空色の下
柔らかな草原を
踏みしめて
あなたと、二人
初めて想いを
告げられた
今日から恋人
世界があなたと
わたしを乗せて 巡る
....
ぼくをいじめないで
ぼくは消しゴムだから
えんぴつで書いたものを
消すために生まれてきたんだ
だから
ぼくに直接えんぴつで書くのはやめて
さらに
えんぴつは書くものであって
注射器 ....
素敵な言葉を綴る貴方
お願い一度でいいから
触れてみたいのに
遠すぎてあまりに遠くて
会うことも叶わず
私を救った貴方
今何をしているのでしょう
一度でいいから
....
あ、うらやましいな
が
あ、むなくそわるいな
になったら
そんなじぶんを愛してください
ロッカーで
盗難がおこったり
カレンダーに
バッテンがあった ....
いろんなもんに辟易だわ
だからって今すぐずっぱり頚動脈切る気にもなれん
決定的に血の欠けるまでの35秒間で
全てを諦められるほど強くないことくらい
かろうじてわかる
だからって
無為す ....
地獄の沙汰どころか
こうやって生きているときから
と
あの人は言った
ひとと獣の違い
それは
困ったときに
頼れるものがあるかないか
思いとか信じるとかのことなの
そう尋 ....
他人に敬意を払えないばっかりに
いやな世界をつくってしまう
こともあるけれど
ぼくらがたとえ
試験管から生まれたのだとしても
ここにいるよ
そんな声がします
....
若草色のスカートの金具が
押さえられた背中に擦れて
小さな傷をつくる
心地良く冷たい 磨かれた床は
父だったのに
眠ったふりをして
扉に向けた工作鋏を
両手できつく握り直した
桜色 ....
27日
多分知っていることだった。
今日のニュースで、中華街に泊めてあった自動車が突然爆発す
28日
首が回らない。お菓子を食べよう。そう言えば昨日は。私は松井です ....
クエストオ、クセ
クエストオ、クセ
その一語に秘められた想いは
天秤ばかりにかけられはしたが
もう片方にかけたものは一枚の爪でしかなかった
クエストオ、クセ
夜 ....
キーツーネーがーコンコンコン
たーぬーきーがーぽんぽこぽん
にーひーきーがーおーどーれーばー
ひーーとーもーおーどーる
コーンコーンぽんぽこぽん
それ
コーンコーンぽんぽこ ....
トボトボと一人
家路に着く
誰もいない
コーラを飲む
なんて寂しい
人生なんだろうか
話し相手もいない
テレビを見てまた明日
天気は晴れ
感動のやり取りで
ドラマを作る
....
街の灯り
のなか、
ゆ う はら ら ゆう は らら
....
何もしていないと訴えた僕らに
今の流れ星が当たろうとしている
窓を開けてみたところで部屋の隅に固まる
数億の理想は
軽く身震いをしたあと
愛を囁くばかりで
触つてみても
あの日の君ほどの ....
人間の孤独を抱き締める
人間の孤独はどうやら
人間を信じているらしい
人間の孤独とご飯を食べよう
人間の孤独はハンバーグが好きだ
人間の孤独と肩を組もう
人間の孤独に挨 ....
白いはしごだった
白木
塗られているようで
裸の魂
裸なようで
薄い化粧を施した
はしごだった
それは役目を担っていた
底からわたしを
救い出すという役目を
一段一段を ....
空からこぼれた雫は
かみさまの涙
地球を優しく包み込んで
渇いた私たちの心を
潤してくれる
4701 4702 4703 4704 4705 4706 4707 4708 4709 4710 4711 4712 4713 4714 4715 4716 4717 4718 4719 4720 4721 4722 4723 4724 4725 4726 4727 4728 4729 4730 4731 4732 4733 4734 4735 4736 4737 4738 4739 4740 4741
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
6.04sec.