下を覗くことも恐ろしい崖の淵で
座禅を組む
丸裸になって 下半身も丸出しで
座禅を組む
胸を張ると そのまま崖下へ転落してしまう
その恐怖の中で なお胸を張って
座禅を組む
....
ある日の夏
空にできた波紋は
地上のあらゆるものを揺らした
緑豊かな森も
氷で覆われている山頂も
果てしなく続く海も
一日を必死で生き抜く動物も
せわしく生きる人間も
その波紋に包まれ ....
海のない海辺。
砂から突き出た、跳箱のような駱駝の死骸の瘤。
得体の知れぬ不可視光線によって蝕まれる膚。
虚空に漂い、あらゆる輪郭を溶かしだす陽炎。
方角のない土地。
風に舐められた砂が舞い ....
乗り遅れた改札口の駅の階段近く
女が飛び跳ねて暮らしていた
美味しいスパゲッティーの話をして
混ぜ合うところのフライパンごと食べちゃいそうなくらい
あっという間に平らげましたのよ、と口の周り赤 ....
遅れて響く真昼の音が
午後をゆらりと追いかける
畏れのかたち
雲に去られた
空のかたち
緑と金が
ひらいては呼ぶ
空の端 地の辺に
呼び覚ます
呼び覚ます 火
....
寂しがり屋の子犬を
“さよなら”と言って突き放す。
何故そんな事をしたのか
自分でも分からない。
ただ 戻ってくる気がしたの
ただ 自分が信じてただけ
なのに寂しがり屋の子犬は
....
暗い道を明るい蛍光灯が一部
寂しく照らしているだけ
ただそれだけの事。
あたしは歩いた
今 真夜中の1時を回った
黒猫が横切っただけ
ただそれだけの事。
さよなら
さよなら ....
雨という言葉は
雨からやってきたものではない
最近になって私が雨を知ったのは
金曜日の前の日だろうか
もっと幼少の頃から知っていたような気もするが
それまで冷たいというこ ....
君が死んでから幾つもの日々が流れただろうか
残されているのはこの風景だけ
今も変わらず風に吹かれて立ち聳えている
僕は風景の守り人として一生を捧げようと思う
だからこの場所から離れず ....
あなたがいなくなってだいぶ経ちました
もうあなたを思い出して泣くことはほとんどなくなりました
それから
約束してたけど
あの約束は守れません
僕はあなたが好きだか ....
赤坂
佇む
電波塔
赤い
夜にライトアップで
ドレスメイク
浜離宮
綺麗
綺麗
見とれて惚ける
赤い巨塔
登って
見たんだ
夕焼け
港区を紅く覆う夕焼け
喰われていた
....
時に
彼の発想は、奇抜過ぎてうとましがられていた。
社会に牙を剥くことと
人には優しくあることを
大切な信条にしている節もあったけれども
彼の語る話には、真実を見抜きたいという
憧れが ....
うすく
たなびいてゆく
いま
あなたといることが
しあわせです
もし いつか
あなたといられなくなっても
しあわせでした、と
いえる
かくごが
まだ
わたしに ....
一夜目に
魚は水底で静かに息を潜めてる
女は甘い溜息を波紋の隙に流してる
二夜目に
月の裏側から覗く女の憂い顔
空虚に穴の開いた瞳と痩せ細った指先と嘆きと嗚咽
とうに音をなくしてき ....
信じて強くなると
君は榴花色の口紅で
グラスの縁を彩って
それは渡航への朱印
暗く激しい海流を渡っていく
見知らぬ海鳥の呼ぶこえ
さきほどから
波のこえが聞こ ....
一期一会
だなんて、ことばでは語りきれない
こんなデジタルの時代だからこそ
0と1の狭間にあるものを
あなたに伝えたい
それは
感動に震える心臓の鼓動であり
汗ばんでしまった掌の ....
俺はずっとひとりだった
佐藤(仮)とサッカーをやるまで
俺は佐藤(仮)とサッカーをした事が無い
そもそも佐藤(仮)がサッカーをしているのを見た事が無い
だから佐藤(仮)がサッカー出来るのかすら ....
沙漠から取り寄せた砂を
僕たちは浴槽に撒く
言葉に塗布された意味を
一つずつ丁寧に
酷くゆっくりと落としながら
シャボン玉を
空間を埋めるために飛ばす
乾いた砂に埋もれた言葉を
....
金魚鉢
の中
光る鱗の澱
夕刻の斜光
き、ら、きら、ら
三叉路に走る
車輪の陰
遠くで鳴る船の警笛
橙の手のひら
光る鱗の
き、ら、きら、ら ....
夢よりも 何よりも お年頃 素敵なこと
空よりも 海よりも パジャマ色 眩しい人
新しい光が 心に突き刺さる
そんな気持ちが好きだよ
ひさしぶりの電話の 声に気づか ....
風に体をあずけて
夜の海が見える場所で
れもんを浮かべた水を口にする
海から運ばれる潮風は体を少しだけ寂しくさせる
風に乗った冷たいしずくとれもんの香り
暗闇のむこうに何度も手招きをして
....
植物園まで
あと40000キロ
悲しみの海を越える
憎しみの山を越える
いいんだもん
たくさんの優しさが
そこにはあると信じて
植物園まで
あと30000キロ
へたくそ歌を
き ....
初めて通る道なのに
なぜだかどこか知っている
誰が通るか知らないけれど
笑顔はどこか懐かしい
ここはもしかすると
故郷なのかもしれない
ほんの短い道だけど
本当はものすごく長 ....
昨日
コーギーが死んだ
飼い主の子供が、愛犬の名前を
呼びながら泣き叫んでいる
母親が愛犬のコーギーの遺体を抱えて
土葬する場所へと向っている
泣き叫んでいる子供の肩にはお婆ちゃん ....
晴れの日
照りつける太陽の下
汗の止まらない
ぬくい真昼
未だに
昨夜現れた神様の
かおりが漂う教会の庭
静かに忍び寄る
....
雨が降った後の夕日が顔をだし始めた時
あたり一面に広がるぬれた芝生と木々、ぬれたテーブルとベンチ
雨あがりにでてきた老人、いぬ
それと、ボールで遊び始めたこどもとおとな
ぬれて ....
父のときもそうだった
まるでネコのように
死ぬ前に片付けをはじめる
「死んでしむようで嫌だ」
といったけれど
伯母と母は部屋を片付けた
寒い冬の真夜中
誰も知らずに
息をひきとって
....
絶滅にひんする
動物として生まれてくるとは
いったいどういう因果なのだろう
またそれを
思考する資格が僕にあるのか
深夜、酒場で
ナイトサファリ
湿気と音 ....
いのちでも
たましいにでもない
精神に吹いてくる風
それはどこか苛々としたもので
三郎に
虚無というものを教えることをやめなかった
泣きすぎて喉を痛めた赤鬼に
少女はドロップ二つを差し出した
過去の狂犬は時を経て主人の首輪を受け入れる
恐ろしい夢を見る熊は知らずに子供を抱きしめた
目 ....
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