「もしもしかいちゃんいますか?」
かいちゃんは今日も
おもちゃの受話器を耳に押し当て
どこかへ電話をする
「もしもし もしもし」
まだ言葉にならない言葉で
一生懸命お話をす ....
黄色のチョークが
規則正しく
ステップを踏む間
私は目をふせて
逃避行を開始する
説明を模したような
子守唄が
耳に語りかけて
私の身体は空へと
浮かび上がっ ....
{引用=
一、星が生まれた日
少年が落としてしまう、
それは
あまりに
優しいもので
いつまでも思い出は
少女のかげをしています
....
厚い雲の切れ間から
差し込む光を
ゆっくりと待つ。
そんな私の時間の贅沢。
氷
口の中に含んで
冷やして
逃げた
ホットコーヒーで
始まる
朝焼け
眠さ
だるさで
うねる
午前中
蝶の刺青入れて
どこかに
消えた
綺麗な先輩
毎日
スターバック ....
暇潰しに入った近所の小さな図書館で 私は自費出版で出したある詩人の詩集を見つけた
この詩人は名も世間に知れ渡っておらず 芽の出ないまま死んでしまったらしい
春の日溜まりの中で読む詩集は 輝い ....
「エア」
朝
朝に
日差しがつよくて
風は涼しい朝に
特にとても疲れて
寝床に倒れるとき
ふっと
包まれてしまう
ことがある
すごく静かで
時間はゆるくて
....
メタボリックが月夜を彷徨い、老婆が腕立て伏せをする。
犬がInuを喰らい、ところどころに肉痕を残したまま、
明日をも喰らう。
ガラスがギゴギゴ音を立てて、ぱこんと叩いたら{ルビ罅=ひび}割れ ....
荒浪に翻弄されるような毎日を送る
人は人
我は我
迷惑千万
これも自分の心の反映
自らの行いの不甲斐なさが反映されるんだ
これからのことを思い
途方に暮れながらも
日 ....
ぼくは巨大なレゴを前にして考える
ぼくはその塊をバラバラにして
ブロックひとつひとつを手にとって
マジックで名前と番号を振る
そしてまたブロックを組み上げる
ぼくはだんだ ....
高原そだちの想い出は
娯楽施設はスキー場
テニスコートとゴルフ場
スキーとテニスをしてました
ちかくに牧場があったのです
みんなで牧草にジャ〜ンピング!
牛の大 ....
たましいは裁きをうけ
その烙印は
消えることがないのか
肉たちに
耳を澄ませば
海鳴りが
聞こえている
たましいは裁きをうけ
その烙印は
....
ふるさとの夜
光り
ちりばる
輝き
時のかなたに
宝石にもみせてあげたい
星とあなたをあなたと星
ふるさとの夜
光り
ちりばる
輝き ....
餓えているのではなく
影を落とす孤独が
乾いていくということ
砂漠
その影に
息づくものがある
星は照らしているけれど
遠い過去が
輝いているだけで
君が乾くとき
僕は海を ....
チョコ!チョコ!
寝言を言って泣く息子を抱いている妻
こないだスーパーでチョコはもうだめって言ったから
きっとその夢よ
夢の中のチョコはどこへ行ったのか
それは僕の夢にあらわれた
息子 ....
ぼくのココロとかいう愚がプラスチックでできているらしい、とのことを知った夜だった。冷蔵庫は突然ブイーンとか鳴って、唐突な哀愁の、青色を特集した雑誌がぼくらをブルーに攻め立てる。明日いつどこだか知らない ....
こんな時どうする?
と言うような心理テストで
気の利いた言葉一つ思い浮かべず
見て見ぬ振りでお茶を濁す
きっと求められた答えとは
かけ離れていると思ったけれど
それが何より自分らしかったか ....
母の筏に乗る子供を
クロールで追いかける
ときどき中州に立って
子供と手のひらを見せあう
中州を指差すと母は
あれはお父さんよとおしえている
また手のひらを見せあって二人笑う
筏が中州か ....
寝乱れて 残り香の 漂う
翌朝に 睡眠薬の 後遺症
やってくる あなたへの 依存症
ふあふあと 歩いては たどり着く
通勤の 満員電車 へばりつく
....
満員電車の中のつり革を
片腕を伸ばしたまま
必死になって握り締め
このつり革は自分ものだと
態度で主張する
そんなわずかな場所が
そんなに欲しいのかい
数分後にはみんな降りてしまうよ
....
{引用=――夢との婚姻}
俺は泳いでいる
泳いでいるから 俺はひとりだ
息をしたり
腕をふり回したり
脚をばたつかせたり
それぞれの動作を単独で行う時には
自分の側に他人を必要とする ....
北国にも短くて長い夏がやってきた
こんなところでそだったから、素子はあつさに弱い
ぎんら ぎんら の お陽さまは こころを もえたたえてくれる
でも 素子のけあなは すくなすぎる
お陽さまが ....
愛してるだなんて
口にだして言えない
猫のように
丸まってしらりす
存在の価値など
あなたなしでは
今はもう癒えない
そうだまって
落ち葉の中を
踏みしめていくように
空が近いだろ ....
傷つけたくありません。
だから
この『想い』は、心に、秘めることに決めました。
貴方の私に対する『想い』
私の貴方に対する『想い』
全く違うものだと知っているから。
何も言わずに、 ....
よく晴れた日
玄関を開くと
小さい{ルビ向日葵=ひまわり}の植木鉢が
倒れていた
恋に傷つき震える
君のようで
ぼくは{ルビ屈=かが}んで
倒れた鉢を両手で立てた
....
吟遊詩人は詠うでしょう
小さなひとつの島国を
四季折々の
顔がある
小さな小さな島国を
吟遊詩人は詠うでしょう
春には
梅の木が香り
桜が咲き乱れ
至る所で生 ....
詩
放たれた矢は射手の胸に刺さる
ゆえに詩は死
死は史にも通じ
後者は一般に過去を記録した事象を示す名詞である
詩が死であるところの史とは死の記録
過去とは死者の王国である
つまり どん ....
蟻を殺した朝、標準サイズの柩を、隠居した大工に発注し、旅に出た。
旅の始めに、風の響動(どよも)す隧道の中で、旅を終えようとする、男の声をきいた。
「…え?」
「え」のみが、耳殻に ....
わたしは 成就しない
文字通りには ならんでいない
お別れの前に 千年を封印して
完全武装で 食卓につく
パンの耳の 慈愛のふかさ
笑顔を求められ
強く生きることを求められ
死ぬことも消えることも許されず
貼り付いたペルソナは次第に現実と乖離し
ひずみは徐々に大きくなり
もうもとの形を失って ....
4655 4656 4657 4658 4659 4660 4661 4662 4663 4664 4665 4666 4667 4668 4669 4670 4671 4672 4673 4674 4675 4676 4677 4678 4679 4680 4681 4682 4683 4684 4685 4686 4687 4688 4689 4690 4691 4692 4693 4694 4695
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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