歯の抜けた火星人。
―そりゃどっちも発見だっ!
さし歯が光る火星人。
―こりゃ憶測が溢れかえるゾ
炬燵で寝る火星人。
―やっぱり風邪ひくゾ
布団をかけてやる地球人。
....
真面目ぶって受ける授業と
最低賃金のバイト
作り出した自分に囚われて
結局そこに生み出された
中途半端な疲労感
中途半端な疲れを癒すには
安い炭酸のチェリーコークと
見知らぬ男と ....
しょんぼりとした小さなおまるに
可愛いらしい赤裸の小鳥
小さな口ばしふにゃりと動かす
椿がひとつボタリと落ちる
気まぐれに捨て台詞ひとひり
天窓から、かしこの家に忍び込み
清いもうふに包ま ....
瓦解する理想と砕け散る空想
食い散らかされた世界へ
折れた背骨のように転がり落ちる
終わりの時まで朽ちないもの
悲しいからといって
泣けるわけではない
それはきっと
悲しいことではない
と
信じる力が勝つのだとしたら
わたしたちはひどく不幸だ
いつからわたしの手は
....
新緑の大草原で海から吹き抜けてくる風を全身に浴びて 君は古内東子の『淡い花色』を唄った 君の甘くも切ない歌い方に僕の胸は熱くなってくる 最後の「ランジェリー・ラヴ…ランジェリー・ラヴ…」というところ ....
海のにおいが、僕の頬を伝っています。
秋の御日様は雨上がりのコンクリートを照らしています。
途中、後輩(地頭江くん)がコチンコチンのオキアミを潰してくれました。
僕は今、十年ぶりに竿を垂れている ....
炎が大きくなると
みな逆に息をひそめる
瞳にかすかに邪悪なものが
やどっていたとしても
驚いてはいけない
子らは儀式の最中において
完璧に集中している
じりじりと体の焼ける音が
意識の彼方で鳴すの
「痛い、痛い、止まないで」
本能がわたしを殺すわ
見通しなど立つわけもない
切り立った行き止まりにただ居る
....
浅い眠りのなかに
潮の匂いと砂を踏みしめる音がして
わたしは海辺にいるらしかった
裸足に海水は冷たくはなく
貝殻の欠片を拾い上げても
その尖った先は指を刺さない
(きっと夢なの ....
きっと輝いているこの瞬間に
死にたいと願う私がいるのは
いつかの、本当の瞬間に、
生きたいと願う私への裏切りの行為かもしれない
この脈拍の速さはそういうことであって
世の中はうまくま ....
*
タキオンが像を結び
無数のクラゲが空から
淡い光を放つ
*
どこまでも歩いていっても元に戻ってしまう
三畳間の宇宙に
*
生まれてから白痴に至る世界
*
笛を吹いて ....
朝露が
陽光を孕んで
(きらり)
輝いている
そんな六月の朝
梅雨の晴れ間
燕が低空飛行
(ぴぃぴぃ)
愛しい愛しい
雛のため
....
とうちゃんとアナルを突きあって
かあちゃんのマンコを突いてやった
にいちゃんのチンコをぺろぺろして
ねえちゃんのおっぱいをべろべろした
おとうとのたまぶくろを握りつぶして
いもうとのしきゅう ....
ぼくは、古いほうの町立図書館で、目の玉を血走らせながら、二〇〇四年週間激写ボーイ九月号を探していた。いくつもの棚を片端から調べていったが見つからなかった。それでもぼくは黙々と次から次へと虱潰しに棚を ....
その長方形の囲みから抜け出したくて。
十九時半には、冷凍食品ばかりの飯とばあちゃんのしょっぱい蕪の漬けものを食い終わり、風呂で念入りに自らのそれまでの穢れを洗い流し、最近やっと再就職したばか ....
空っぽに 空っぽに
嫌な事って 大嫌い
朝、テレビのスイッチを入れてみます
一日の気分はそこから
餌に群がるハイエナ
裏側ってそんな感じ
外に出よう
昼、 ....
変わらない、と
思っていたのは〈雲〉でした
大切にしていた「かたち」は
吐息ほどの微風で
変わってしまう程度のもの
アドレナリンが放出すれば
入道雲のように
....
ごみばこを あさって
まだ つかえるもので
でっちあげる もっと
ぶざまに あさましく
いきるための うたを
その社会は
そこに住む人たちを
豊かな生活をさせるために
必要以上のモノを作り
必要以上のモノを買わせ
必要以上のモノを捨てさせ
常に不足への不安と
新しいモノへの欲求を
同時に進行さ ....
滅茶苦茶にされた背伸び
搾取されゆく背伸び
二つの背伸びの距離を
埋めようとする僕とあなた
そのとあなたのとを
掬い上げようとした光の差す隣人
帰ってきた隣人
かつて山羊だったか ....
陽がのぼることをよろこぶ彼女は
しろい色したどうぶつだ
泣き顔がうつくしいと言ったのは
まぎれもない事実だよ
うまれた瞬間そう感じたんだ
ほしがうまれてしんでゆく
ぼくが手をつなげない ....
自動車の後を
忘れ物が追いかけている
財布のようである
その財布の後を
忘れ物が追いかけている
免許証のようである
その免許証の後を
忘れ物が追いかけている
顔写真のようである
その ....
晴れた休日の朝
シャベルで宙を掻いている男に出会った
都会の街中の少しだけ開けた場所
陽光は空気中の水分に乱反射し
景色に鮮やかな色を落としていた
平和すぎる風景の中
男はシャ ....
採石場の跡地を
ヒトコブラクダが
ゆっくり歩く
かわいそうな気がして
コブをもうひとつ
描き足してあげた
耳の奥を覗くと
夜が明けるところだったので
慌てて帳面を閉じた
気持ちをなだめてくれる
けやきの葉たちの向こう側
濃い青の空に 夏雲が湧き上がって
激しい季節の予感
夏雲たちは 次々に力を秘めた体を起こし
見渡す限り 雲の輪に囲まれる
....
虹色の透明なシャボン玉は
きらきらと太陽を反射して
青空に高く高く舞いあがり
初夏の爽やかな風に乗って
一番高い杉の木の真上まで
わたしたちの祈りと願いを
....
夜霧は闇を深くする
鼓動が響く夜の公園で
あなたのその堅い腕が
私を優しく包んでしまった
(涙なんかで釣る気もないわ)
いつだって ただ残酷で
愉快で笑って
馬鹿げて ....
生きる確証も死ぬ確証もなく
ただ生きる虚無感がある
生きているだけで 幸せ は違うよ
幸せ=辛くない
とも言えない
辛いけど生きることが幸せな人は、
生きる喜びと希望を知り
....
世界が滅びて
ただ一輪そこにある花を
太陽が照らして
空虚な僕は問いかける
すべてが消えて自分だけが残り愛もない世界で
どうして君は咲いているのかと
花は答えた
あ ....
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