梅雨の季節に入り
自分の住む街にも雨が降り始めた
テレビの天気予報では
しばらくの間はこのままだという
ぼくは家の中
ここにいる限り雨には濡れない
家の屋根がある限り雨には濡れない
ぼく ....
荒浪に飲み込まれて
傷つき
疲れて
乾いた涙
視界は狭まり
小さな世界
行き先を失った俺は
迷い人
誤解を解く術も知らず
ただ生存するのみ
埋めた気 ....
いいことなんか ひとつもなかった
この町でも わたしは
今日も
歌をくりかえし くりかえす
『会いたいときに あなたはいない
空よ せめて 笑ってほしい
そうじ ....
洗濯機がぐるぐる渦を巻く
三角定規とおにぎりと三角ポールが遊んでいる
ぐるぐる
ぐるぐる ぐる
規則的な息継ぎかと思えば裏切る
裏切りを楽しむように遊んでいる
水面は影と光を映 ....
半ば くらい世界を 見たよ... と
おもい あがった 少年
トマは 12歳
素もぐりで もぐっては
金の さかなや 銀の 貝を すなどった
伸び あがった ....
真実が、
私を知っていれば、
それで良い。
くちなし
花の粉
白の香り
さよなら
六月の太い風
さよなら
六月の深い闇
くちなし
花の粉
白の香り
シオリちゃんは わたしを見つけるといつも
はじめまして、と言う
わたしも はじめまして、と言う
たくさんいっしょに遊んでも
次の日には わたしのことを覚えていない
でもシオリち ....
ガラスのそとは{ルビ嵐=あらし}
あらしのなかの{ルビ緑=みどり}
義理の父母が使っていたという部屋は
揺れると天井からヤスブシンが降ってくる
容易に眼が利かなくなってしまって その葉 ....
飛んでいる、みたいに
自転車を漕ぐ
坂道を下って
手を広げて
風の翼が
背中に生える
目を瞑れば
何もなく
自分の宇宙が
自分の未来が
見える
飛んでいる、みたいに
自 ....
懐かしい音楽
懐かしい想出
懐かしい時間
懐かしい会話
パイプオルガンの音
チョコレート
グレープジュース
ハム
時間の塔を抜けて、今
空洞の時間
時間の動きが遅くなった。 ....
あたたかい雨を
窓から眺めてて
ああ
私は孤独なんだ、と
唐突に気付く
もう
お前なんて
どうでもいいやって
そんなふうに言われるの
こわくて
・ ・
大粒の雨 ....
まるで子供のように
花火が見たいなんて言うから
僕は少し呆れ顔で 君の頬つねって
君は少しふくれ顔で 僕のマフラー締め付ける
眠りから醒めた街の片隅
潰れかけのディスカウントショップ ....
指先だけで、そっと
窓を開いてみる
隔てていた向こう側には
空の海があり
紙飛行機を飛ばす
誰宛てとかではなく
紙飛行機を飛ばす
そこに、意味なんてない
ここは海だろ ....
会社をやめて独立したという古い友人と
ひさしぶりに私のアパートの部屋で飲んだ
これが意外に儲かるんだよ
と言う友人は、自動販売機になっていた
胸には常にテレビのようなものを映している
あ ....
君の大好きな置手紙
中には宝石と綴られた文字と
紛い物の輝き
俺の宝石に嫉妬しているのは誰?
君の宝石に惑わされているのは俺?
「そうじゃない、そうじゃない」
自分見失 ....
産まれ落ちて流した涙
その一筋に意味があるなら
どうかそれを悲しみの色に 染めたりしないで
柔らく抱かれ搾った叫び
その一声は嘆きではなく
祈りなのだと
....
執拗に繰り返される数式の羅列は
消去されなかった断片の無意味な証明
刻々と崩壊してゆく領域では
溶けてしまった細胞への慕情と
ただ存在の痕跡だけを知らしめる
万華鏡の街にヒビが入って
あっけなく砕け散るのは僕の視界だ
その後に残るのも世界かい?
公園のベンチにエイリアンが座っている
その口は動いているのに閉じ ....
可能な限り開け放された
円い3つの堅牢な
窓枠から誘われて
無力に為る儘
飛ばされ来た庭
果実の花には
漂白のしろ
そして
滑らかに舌に添う
蜜のとろみは
翅をもぐより ....
舌がある
それで君を舐めようか
冷えた舌先が触れるとき
君の肌で
どんな音がするか
固まった
ちいさな
ちいいさな結晶が
溶ける音がするか
こんなすこし暑い季節なら
しゅと
音が ....
サイコロをふって
コマをすすめたら
梅雨入りのため
一回休み
と、出た
しかたなく
ぼくは軒下で
ほかの誰かと相合傘の
あなたの後ろ姿
おとなしく見送った
蒸し暑い夏場の午後に 蒸し暑い車の中で
君は何故だか一言も喋らない
目はただ前を見つめるばかり 目はこちらを向かない
なんだか寂しさを憶えて なんだか恐ろしさを憶えて
僕はラジオ ....
夜になっても暑さが残る
冷房のない自分の部屋で
ロウソクが一本転がっている
なぜそこにあるのか
何一つとして思い出せない
よくわからないまま
火をつけてみる
小皿に固定して電気を消した
....
彼女は言った
「くらげぷりん」
を食べたい
僕は方々探した
聞いても誰も知らなかった
デパートに行って恥をかいた
ばかにされた
悲しくなって海に行く
堤防から網でくらげをすくっ ....
みんな悲鳴のかたちをしてるから
みんな無視って
君はいう
だもんでコチョコチョ
脇腹をくすぐってみた
バコ!
えー、君の悲鳴は僕の悲鳴に変わりました
めでたくないけどメデタシメデ ....
変革の決意はいつも 必要になったギリギリで
くだらん言葉にまぎれ 唐突に真理を突く
すぐ雑多に流され それは
まぁ 消える 終わる 忘れられる
怖いものは克服したい
冒険心と裏 ....
絶対割れない泥団子だよ
あの山の土と水に
恩と憎しみ混ぜて
ぎゅぎゅと固めるとできるんだ
それを繰り返すこと十年
鉄のボールみたいでしょ
と少年に手渡すと
彼はすぐにコンクリート ....
前を向いて歩こう
すこしずつでいいから
ゆっくり ゆっくりと
でもね たまに立ち止まって
後ろを振り向いてごらん
そこには ほら
あなたにしか見えない
....
埒もない想いに身を委ねてしまうのは
この季節特有の気紛れと
触れて欲しい
昨日までのわたしを脱ぎ捨てた
わたしのこころに
この瞬間に生まれ変わった
わたしの素肌に
季節は夏
....
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