いっそ
この身も
空に焼かれてしまえば善いのに
『夜光雲の{ルビ翅=はね}』
こう毎日毎日暑いと
夜明けの空には
夜光雲が
欠かすこと無く空を彩るのです
....
今日もまた この店に来る
昔から栄えていた 商店街の一角
日が沈むと
怪しげな ネオンが点滅して
どこからともなく もれる
男女の笑い声 娼婦のささやき
この店は 不思議
深い ....
雨が地を{ルビ圧=お}し
音はまたたき
山から空へ照り返す
空白の{ルビ主人=あるじ}が
空白を置いて去り
空白は 家になる
雨のための唱があり
夜をしずくの ....
てんとう虫が
はじまりを見ようとしている
いつも黒々として
その目に届く瞬間
昨日の蝶のように青くなる
寂れた車輪の下
命の枝葉いくらでも伸びる
葉を噛んでみると
溢れんば ....
虹のように孤を描いていた
その雲を辿っていけば
どこか遠くへ
どこか探している所へ
どこかへ行ける気がした
雲の道は儚げで
本気で本気で走らないとすぐにでも消えてしまいそう ....
「あれ、あれあれあえ!?あれ、モモンガーじゃね?」
「あ、ホントダー、モモンガーラ!フゲー!モモンハーフゲ!」
「ちょちょちょ、ちょっと、オコーネル、向こうから廻って、
....
戦争に行ったら
兄は変わってしまいます
精神がガクっと
音を立てて
おい、大丈夫だから来い
なんていう力強い言葉を跳ね除けてしまう
幼くして病を戦った
そんな ....
暗闇にはだぁくんがいる
たぶん夜行性で
明かりのない部屋とか
夜中の長い廊下とかに
体育座りをして
誰かが来るのを
待っている
照明をつけないで
廊下を歩くと
だぁくんは近づいて ....
雨上がりの空に
星は出ていなくても
月は出ていた
私は鼻歌を歌っていたけれど
自転車が接近してきたので
鼻歌はやめた
不意に
私の中から勢いが消えている事に
気がついた
....
静かな言葉に騙されて
武器を売り続けた
いくつもの春を泳ぎ
疲れれば
もの言わぬ記号に似ていた
河口に人の死体が流れてくる
知らない人ばかりだった
知っていたとしても
....
あなたがいってしまった次の朝
庭の隅に赤いバラを植えました
赤いバラの蕾から
黄色いつばめが飛び出します
私はつばめの背中に乗って
雲の向こうへゆくのです
虹はリボンになって
風 ....
そこに夢があるので
ずっと長い上り坂を
がんばって進んでみる
振り返ると
努力という風景が
見えていた
そこに希望があるので
ずっと遠い道のりを
ひたすらと歩いてみる
振り返ると ....
かがやいてしまう星の名を、
つなぎ留めたかった
防波堤
かなえたものは
夜を、
彩ることの、
つづけざまの果て、
失うはずなど無いというのに
のが ....
赤い長靴でスキップして
小鳥の傘をくるくる回して
水溜りでぱしゃぱしゃ遊んだ
憂鬱な空を吹き飛ばすおまじない
空には虹がさして
もやもやした気分は全部
雨雲がさ ....
君がいた
ぽつんと君がいた
ぽつんとアイスクリームを食べていた
私もいた
ぽつんじゃないけど私がいた
がつんとアイスクリームを食べていた
チャンネルをまわす
君との ....
梅雨が一服してくれた朝
南風と陽光に履き清められた
小庭に立ちながら
なぜか むなもとで痞える
気・血・水のアンバランス
そして ....
カスタネット娘 カン カン カン
階段の後ろから
いつものように聞かせておくれ
朝日と共に 鋭い音で眠気を覚ましておくれ
正確なリズムで 雀と一緒に歌っておくれ
カスタネット娘 カン ....
?.
星を
呼べるんだね
あのロバ
ほら
また流れたよ
願い事三回は
いじわるだね
静かにしていよう
叶わないよ なにも
どうせこれ以上
たどり着こうとして
....
たまには
笑い方も
泣き方も
怒り方も
そっと忘れて
休んでもいいんじゃない?
泣かない女は強いの
でもね
泣けない女は強くなんてないの
とっても弱い生き物なんだよ
とっても哀しい生き物なんだよ
だから
そっとあつかってね
優しくあつかってあげて ....
大勢の鳥達がワアワアと騒ぎ立てて逃げていった
と同じくして
私の胸の中でも鳥が泣いていた
閑古鳥 かんこ鳥
一人が怖い 一人と言う寒気が痛い
重量感のある世界に一人の ....
僕達を取り巻く世界には
美しいものが溢れてる
無知がその美しさを忘れ
無知がその価値を知らない
美しいものは壊れやすい
ハリウッド映画では
闘うこと
勇敢なことばかり ....
タマゴをパックから取り出して
卵子焼きを作ろう
1個目 割ると オッサン入っていた
2個目 割ると またオッサン入っていた
まさか3個目は ないだろうと 割ってみたら
や ....
若い頃の私
若い人と睦みあった が
無知だったので
性欲を昇華する術を持たなかった
仕方なく、一緒に並んで座り
土手の風はさやさやと
耳の中の産毛を撫でながら右 ....
この つらさ は
望んで 与えられたもの ではない
打破したくても、
許されない。
この つらさ は
誰のものでもない。
中途半端に プライドを植え付けられ
....
死体を引きずる少女
ずるずるずるずる
ずるずるずるずる
肉と地面がこすれ合う
少女は白いお家に入っていく
白いお家の白い煙突から
灰色の煙がもくもくと
もくもくと上がる ....
寝苦しい夜 はみだした足が
そろりと風を止まらせた
畳の上を這う 小さな羽虫の陰
名札をはずしたつもりになっても
はずれたくない場所がある
どこからもひ ....
ねぇ
もっときみを大事にするね
よく聞く言葉だから
格好つかないんだけど
あるのが当たり前で気付かなかった
きみの大きさにも
きみの言葉に支えられた自分 ....
一筋の夢
指で先を足していく
空には届かない
私の背伸びでは届かない
そのまま
ぷつん と途絶えた
音信
首元がさむざむするから
結っていた髪を切った
ただそれだけのこと
今朝 ....
修理相談センターに電話すると
またあの女のひとが出る
状況を報告して電話を切って
しばらくすると
修理のトラックがやってきて
私を段ボール箱に梱包して
工場へ連れて行く
修理されてい ....
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