夏の朝
自転車に乗った白い半袖たちが
自分の背中から追い抜いてゆく
夏が起きる
背中にはラケット
自転車の前かごには大きなバック
白い半袖たちの顔は
どこか緊張している
これから白 ....
久方ぶりの再会
あの人は
ひどく優しい顔つきになっていた
陰影を湛えていた
昔とはえらい違い
皆には見えない
私には見えていた
大きな刀を裸で持ち歩いていたのに
信じた道を突き ....
あんなあんな、先生。
教えて欲しいねんけどな。
夜が怖いのって なんで?
(一説には、夜は敵に襲われる危険性が高いという
古い遺伝子レベルの刷り込みだそうです)
さよならが辛い ....
昨日友達と会ったら 友達じゃないことが分かった
剥げ落ちた友達の抜け殻は 少し目を離した瞬間にどこかに行ってしまった
目の前の元友達は 公判中の元少年みたいで 何者か分からない存在に思えた
....
一日一日が吸い込まれる
乾ききった心に染み透る君の声
鮮やかな夏の日差しを避けて感じる
光りと影の織り成す町で
暑過ぎる想いを風に乗せて
天に昇りて
振り返る
足 ....
瓦礫の海を躓かないように慎重に歩きながら
君の姿を盗人のような目つきで懸命に探している
廃墟の中 放心しきったストリートミュージシャンの少女がアコースティックギターの虚ろな音を鳴らしている 一円玉 ....
そっと抱いた人間模様
水玉
しましま
いやいや
そんなもんじゃなくて
優しく撫でた人間模様
ドット
ストライプ
いやいや
そんなことでもなくて
....
今日の天気予報
今日から明日の夜にかけて
太平洋側の前線や発達した低気圧の影響で
大雨となるでしょう
大雨となるでしょう
....
マンホールを開けて
すっぽと中に入った
地球を抜けて
ずっと抜けて
だんだん熱くなって
手足が溶けて
胴体と頭が
どろどろになって
固まって
真っ黒になった ....
so far
so far away
今僕らは随分
遠くへ来たけど
このソファは本物さ
今僕らは随分
遠くにいるけど
このソファはリアルで
遠い ....
よろず、よいのとばり、飛行する烏賊よ。きものの裾はいつになく
現前のいぶかしさをイソギンチャクに吐露する。むせらエビ、とり
しばたきの水晶よ、日のもとつ中つ国、うおのめのもと州に懇願せ
よ。ゴミ ....
縮れた髪をくしゃくしゃと
(握って)
鼻先にかかる枝をぶちぶち
(伐採)
愛車の前輪がパンクしていたから
いつもより30cc
汗腺からの放流
このまま海へ続く
....
彼の歌う声に
やっぱりベティが一等だなぁ、と思う。
彼にそう言う事は出来ないのだけれど
やっぱりそう思う。
いつまでも同じじゃいけないのだと
判っては居るのだけれど。
多分、僕が一番認めら ....
わたしは生まれて初めて牛をかっこいいと思った
君は赤い牛が真ん中でにらみをきかせた黒いTシャツを着ていた
いいだろ マイケル・ジョーダンがいるシカゴ・ブルズのだぜ
得意そうにTシャツを広げると ....
てのひらから
指折り数える時間の粒があふれ出す
指の間からぼろぼろ零れ落ちる速さは増し
掴み取るのが追いつかなくなる
焦って
その姿を子供たちに見られていることに
また焦って
わたしの欲 ....
手紙を受け取った
封を切り
畳まれたわら半紙を開く
遠く隔たれた真夜中
何人もの死体を積み上げる
その羅列を殺すのだ
路上で横たわるネズミは
細菌という凶器と共に死んでいた
....
銀の鱗たちの抱擁に
十重二十重に被覆されたまま
世界の深奥に 沈むもの
嵐 過ぎて後
マンホールの隙間より聞こえる
ゆるやかに 鼓動するもの
いつか伊太利亜 ....
なぜあなたは
病の親の世話をして
毎朝歯を喰いしばり
家の門を出て来る部下が
体調崩し仕事を休む
辛いこころが見えぬのだ
わたしは今日も ふんふん と
あなたの腐った愚 ....
夜の夏がほのかに飛んで
闇の中に夢を描く
この世界に音は必要としない
ただわずかばかりの光だけが
飛びさえするだけで
夜の夏は十分なのだから
夜の夏が静かに飛んで
闇の中に夢を灯す
....
触るな!
触るな!
口を付けるな!
真っ赤な太陽
縞の囲いの
甘いプールに
小さな悪魔たち
俺のスイカだ!
ファーストフード店ではコップにストローが立てられて出てきた
マニュアルが与えてくれた親切
私のささやかな楽しみはスタートラインに立つより早く消えた
仕方なく暗幕を下ろし外界を隔離し ....
07/07/24
これからは、
哺乳類のように生きていきます
そんなこと言われても
初めからそうなのだと言いたかったが
爬虫類と言い違えたのかも知れない ....
アンドロイドになるのは容易い
毎朝 世界にいざ、入獄
反復する彼の言葉だけ持参
雨ざらしの秘密
振りながら縺れる水、を笑う
時に大きくうねる
波、それからプラト ....
双つの雨音を右目にもどし
煙を数えて夜は明ける
みな何かをすぎてゆく
みな何かを置いてゆく
欠けた娘を肩にのせる
鏡の向きがいつもと違う
欠けた娘を肩にのせる
....
攻撃用メモリーをセットして開始のゴングを待つ間に汗が首筋から噴き出てくるのを意識する。手でセンサーの位置を少しずらして、改めて合図を待つ間に戦意が遠のくのを覚え、敵陣の相手の顔をもう一度睨み付けて、憎 ....
僕を支えてくれる柱
小鳥が運んできてくれた 一本の枝
あまりにも短すぎた夏 あまりにも短すぎた夜
僕らを邪魔した虫達は今
小さいけれど美しい羽 ....
私が戦士じゃないとしたら
それは、この剣を捨てて
あなたを助けてしまったことに
由来するのかね。
それとも、
もう戦いは終わったから
ということかね。
こうして月光に照らされて
....
源流に程遠くなく
清らかな姿を
留めながら
静かに流れゆく
孤独な細い川
貞節な乙女を
思い起こさせる
喧騒に揉まれる前の
ひとつの
純真
フルートの音色が
時折舞い ....
彼女とは病院の待合室で出逢った
小さな体に大きなヘッドフォンが目立ってた
彼女は僕に素敵な音楽を聴かせたよ
僕にとっては彼女が素敵だったけど
祖父にもらったサイドカーに ....
小説家はふと思った
自分が考えたこの話を
油絵にできたらどんなにいいだろう
現実にはない豊かな空間
無限に広がる表現の自由
小説家は羽ペンは持つが絵筆を持ったことは無かった
絵にできたら読 ....
4574 4575 4576 4577 4578 4579 4580 4581 4582 4583 4584 4585 4586 4587 4588 4589 4590 4591 4592 4593 4594 4595 4596 4597 4598 4599 4600 4601 4602 4603 4604 4605 4606 4607 4608 4609 4610 4611 4612 4613 4614
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
7.48sec.