そもそも
言葉というものが先にあったのか
ひとが自らを自動書記に設定したがために
言語というものが存在を始めたのか
そのようなことを考えているうちに部屋が一面ウサギの毛に覆われた
ふんわ ....
この手が
いくつもいくつもあったなら
泣いて光をうしなっている
あの子の
背中を
なぜてあげたい
頬にこぼれるものを
ひろってこの川に捨てたい
この手が
いくつもいくつも ....
会社のトイレの窓から下を見ると
目玉がポロリとふたつ
これはいけないと
同僚を巻き込んでの大捜索
どうやら落とし所が悪かったのだろう
見つかった目をはめ込むと
六角形の世界が並んでいる
....
きみは煙突の上に立っている
煙突の上に立っている
夜景をマジックでひきつぶしたような
煙突の上に立っている
燃える夜空の裂け目のような
煙突はそびえ立つ
きみは煙突のへりに立ち ....
星空を見上げると星空に磔にされ
星座達と同じ気分を味わう
罪を犯し 罰として世界中を回って己の醜態を晒すのだ
星空は刑務所のようで
糞尿は流星となるし 不安定な天候の中雨の流星群を打ち付けられ ....
1
どこかで
仔羊が鳴いている
めぇぇえ
仔羊は迷いながら
堂々巡りをしている
めぇぇえ
嗚呼
何が幸いや幸いや
めぇぇえ
苦しんでいる人を
助けるこ ....
サンディエゴ
サンディエゴはサンディエゴという意味を必要としなかった
A型はA型の血を守るためにA型と結婚した
イカレポンチは振るー^ツポンチの中で混ざって
ああ! 時代の波が押し寄せてくる! ....
何も決められずに俺は疾走した
全てを保留にしたままで迷い続けた
迷っていた
それがまさに迷いがない証拠だった
書ける地平から書けない地平へ
俺の意識から感覚へのバトンタッチ
亡霊ミサイルも ....
あの日が来る
あの日の蝉を聴いている
時計がちっちと針を進める
白
あの日が来る
あの日の蝉を聴いている
時計がちっ ....
ふと
街で
耳にした音楽から
わたしの声がして
びっくりしてしまった
あの日あなたと過ごした半日で
わたしのどこかが変化したよ
あの日の前と後で
わたしはずいぶん違うみたい
西葛西の ....
いこう
この丘をのぼったら
一面の星空みたいに、きらきら輝く町並が見下ろせるんだ
キミの手をつないでゆくよ
いこう
澄んだ夏の青は
海を宝石のように輝かせるんだ
....
弱くなりたい。
弱くなりたい。
一人で居れる。
強さは要らない。
夜の冷たい川沿いに
軽やかな秒針の音
寝静まる畦道の空想
蟋蟀数えて更ける
誰か の物思い と
雨が降って大気を導き
水待つ蛙の物憂げ
風の鳴る音 戸を叩き
葉裏にとまる蝶 ....
イーダちゃん
62年目の朝が来ました
日本には あなたを苦しめた
原爆は 落ちていません
だけど この地球上で
戦争によってばらまかれた
放射能で
殺され 傷つき ....
祭の金魚すくいで義理でもらった
間に合わせの小さな薄いビニール袋に
入れられた時から
すでに水がこぼれていた
それでもそこから漏れてくる水を
押さえながら
そろりそろりと家に持ち帰る
....
夕凪にざわりと
ちいさな君の髪
真っ赤にしたその表情の下に
たくさんの宝石を隠して
何度かの孵化を繰り返しながら
その心を美しく成長させてくれれば
それは私を
百年眠らせてくれる
....
きのうの じぶんを
コピーする だけですから
いくらでも すぐできます
じまんするようで てれますが
なかみは なんにもありません
オルガンはもっと
びろびろならなければ
びろびろなって たいへんびろびろ
ひきかえせないびろびろ
どこまで、も、あつく
きっついきっつい
夏がみえたら
はまりにゆける
(もうち ....
永い永い年月をひとり
暗い暗い土中で過ごし
目舞うくらい天声聞くや
紅い紅い太陽の下へ
木に綴るは たった数日の命
単りの虫 と書いて「蝉」
叫び声のす ....
火と花と手
小さな胸
火は花は手
風と声が水になり
窓の外を流れている
音の影は 鳥に分かれる
古い息が聞こえくる
指に触れて 景は走る
何かから逃れようと振り ....
まばゆいばかりの酸素に
唇を押し当てて
小さな喘ぎを零しながら
私は生を感じる
生温い風が
吹いている時は特に
窒素と二酸化炭素の分離
あぁ
呼吸してる
....
Ginger ale。
そっと、置いてこよう。そうしよう。
気の抜けた、Ginger ale。
ウィルキンソンのカライやつ、
誰にも見つからないように、、
....
トイレで用を足したなら
ちゃんと流す
それがおとなの対応
いくら大好きな彼のであっても
普段は決してあからさまにすることの無い
若かった頃の女性遍歴やら
誰かと何を食べたのか見せつ ....
路面に{ルビ陽炎=かげろう}ゆらめく
真夏の正午
長袖の作業着に
ヘルメットをかぶる
眼鏡のおじさんは
汗水たらし
鉄パイプを{ルビ担=かつ}ぐ
路面には
夏空 ....
宇宙のツツジの咲くあの丘で
水晶の風が吹いたら目を覚まして
この夢はここにしか咲かないから
朝焼けを待たないで羽ばたいて
君の中で
孵化していく翼
歪んだ夜の積る
群 ....
雷鳴が轟き
空はアルミホイル
蝶は葉の影
鳥は枝の下
荒野に佇む
独りの城
城壁は濡れて黒く
野ばらは閉じて久しい
稲妻が城門を叩く
開けたのは王女
嵐の日だからこそ
旅 ....
僕は知らない
君がそっと泣いていることを
僕は知らない
神様がそっと二人を出会わせたことを
僕は知らない
彼が僕らの為に祈っていることを
僕は知らない
君 ....
真夏の陽炎の向こうから
短い編成の列車はやって来る
そのいっぱいに開かれた窓から
ショートカットの後ろ姿が見える
列車の外から
車両の様子は
ありありと伺えて
制服の脇に置かれた ....
汗をかいたグラスの前で
ケーキが跡形無く姿を消した
白い皿の上
スプーンとフォークはうつ伏せて
優しく寄り添っている
昨夜の別れ際
握った君の手のぬくもりを
思い出す午 ....
仕事以外で涙を流すことはない。
それは家族が死んでも、
恋人が死んでも、
変わらない。
もし泣こうとすれば、
笑いが、
出る。
腹の底から弾けるような、
....
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