八月が終わらなければいいと
願っていた
そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
泉質は含塩化土類食塩泉湧出温度は摂氏45度
溶存物質はナトリウムイオンを主成分に
ストロンチウムイオン、遊離炭酸、フッ素イオン、水素イオン、ラドンが微量
宴会の始まる前にひとっ風呂浴びようと ....
沈む地と{ルビ曲輪=くるわ}を
音は巡る
尽きぬかげろう
止まぬ流れ
光より遅いものたちの
さざめきとかしわ手を聴いている
手のひらから手のひらへ
指から指へこぼ ....
それは朝陽を煌々と浴びる
蜜のような栗毛だったろうか
それとも夜のように流れる黒いたてがみ
そんな事は重要ではないのかも知れない
長いまつげを震わせる一頭の馬が
街角をひっそり駆けてゆく
....
ぼくたちが童貞だったころ
汗で肌に張り付いた
女の子たちの制服の白いブラウスは
未踏の大陸の地図のように見えた
街角の薬局の店頭では
小箱に入った不穏な計画が
巧妙にカムフラージュされ ....
抜けるような青空
蒼から白のグラデーション
見上げる僕の心も
快晴
白い月に、白いウサギ
臼と杵を天日干し
季節のかくれんぼ
がはじまって
夏が秋をみつけた
あなたがわたしを
みつけられないまま
かくれんぼは終わった
窓辺でセレナーデ
星が願いを叶えてくれるかな
ギターをかき鳴らし
月夜の晩に密会
一緒に公園に行き
手を繋いで肩寄せて
樹木の下の熱気
虫の声
セロの音色が聞こえてくる
この ....
どうして
約束を
結ぶと言うのだろう
つないだ手は
結び目のよう
雨に濡れると
もっとかたくなる
強くひっぱって走った
雨の檻つづく
強くひっぱられて走った
かたく
....
僕らはバッティングセンターで
叫び合った
バットを持ち替えながら
グリップを握りながら
150キロの豪速球だって
打てる気がしてた
僕らは踏み切り待ちで
喋 ....
空も高くて
青いから
遠くまで出かけようと
二歩歩くと
三歩目を降ろすところに蟻がいて
踏みたくはないので
停まろうとしたが間に合わず
足を上げて見ると
蟻の腹は空き缶のように潰れてい ....
ごめんね
許してもらうつもりはないけど
殺したくなんかなかったんだ
君は僕だから
僕は君だから
誰よりも大切にしたかったんだよ?
これだけは信じて
ただ運命は悪戯で
....
雨が降っている
ぱあっと晴れた 海が見たかったのに
なんとなく 落ちてゆきそな
そんな心に
うす暗い 朝の海は 似ているような気がして
食堂から見える海は 見ないことにした
良人は ....
雨のなかに
すむさかなを
優しいひとくちでは
描けない
まだ
飲み干したはずの
模様がいつまでも海、で
花びらに
ふるえる風の光と影
それはもう
はるかに見失うよう ....
羽根が抜けたの。と、
円形脱毛症になって言う。
髪の毛の束がハラリ落ちて。
彼女との約束は墜落した。
京急線ホーム、ギリギリに腰掛けて明日を待つ。
電車はもうこない。
時間だから。 ....
いつか 夏を 見たので 夏のことを ものがたり
旅を したので 旅のことを ものがたる...
やまと 吉野の 山なか で
灼熱した 午後 数刻の 焦点は ひび割れて
....
真夜中。わたしはシンクの前に立つ。わたしの右手にはナイフ。左手には、先輩からいただいた、いかにも高級そうな白桃。
何をかくそう、わたしは白桃が大好きである。薄い皮を剥いだあとの、あのけば立った白 ....
抱きしめても
ちからまかせに握っても
それはまるで砂のように
カケラも残さずいってしまった
眼も、耳も、心も、
こんなにも
あなただ ....
見上げれば星屑が眩ゆすぎて
さすらえば闇が深すぎて
若いぼくらは歓喜で眠れなくて
そんな国があった
言葉でもなく指きりでもなく
確かめ合った
赤い木の実を食べて
甘い草の根をかじ ....
もういいかい
まあだだよ
目かくし鬼が
心の中で
かなしい十つを数えてる
もういいかい
まあだだよ
たぶん
囲みをほどいたら
ボクらはすぐにたどり着く
もういいかい ....
{取消=移民シーンです}。言葉狩り? 及び、愛されない?
午後八時のニュースです。更に、昨日のニュースです。
今日午前二時頃から昨夜未明にかけて、聞き慣れない雷が落ちるでしょう。
明後日 ....
070810
意味無し芳一の日記を読んで
日記を書こうと思った
中学二年生の夏
暑すぎる日はプール
雨の日はごろ寝
晴れたら自転車に乗って
....
誰もいないハートの中で、
(少しずつ加速をつづける鼓動、)
世界は広いのだと、思い知らされる焦燥。
することすら供給されない世の中だもの、
存在すらもうすぐ、 ぱちん、 って
風 ....
窓を開け放し深呼吸
外は生憎の曇り空
それでも太陽が消えたわけじゃない
難しい言葉はいらないでしょう
ただいつも感謝の気持ちを胸に
そばにあなたがいなくても
ゆっくりドリップした珈 ....
揺れるものが
すきだ
ぶらんこ
はっぱ
おっぱい
おしり
ぷりん
せんたくもの
くもの糸
みずたまりの青空
海のそこからみたひかり
なみだとほほえみ ....
おれは行き止まりでウロウロする犬「わをん」だった
おれは花の上の辺りに三つの点々とした傷がほしかったので
自らそこを爪で傷付けた おらぁ! オラオラオラオラオラァァ!
ジョジョじゃない・・・むし ....
うめくような寝言に目が覚めた
眠い目をこすりながら立ち上がって覗き込むと 奇妙な姿勢の君がいた
2時間ドラマで警察官が現場検証するシーンが頭をよぎったけれど
寝言を言う死体は考えにくいから 何か ....
其の音楽は開かれたまゝ放置され
本がはばたかす羽も鉄の壁に遮られ
隣の部屋より袋の流れくる
鳥達の床にばら撒かれしさま
僕はいま閉じ込められてゐる
人は死の裾野に生まれて
其のペン ....
水で泥にしてお山をつくろう
そこで僕らは暮らすんだ
僕らの城をつくろう
トンネルをつくろう
僕らの城は何でもありだった
掘り合ったトンネルが開通したとき、僕らの手が触れ合った
帰り ....
もう、すっかり
昨日とちがう
風
まだ背中が熱いのに
太鼓の音が耳に
こびりついているのに
黄色い法被の色が
ちかちかするのに
そんなふうに
頬を冷たく
なぜてゆかない ....
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