真夏の熱にうかされた人々が
都会のビル群の合間を闊歩する
私はひと時の避暑地を求めて
まるで逃げるように彷徨い歩く一匹の蟻
日が暮れても
太陽に照らされ続けたアスファルトは
....
鼻歌を口ずさむ君
君が歌うものなら
何でもわかるよ
そんなつもりだった
でも今 はじめて
君は僕の
知らない歌を口ずさむ
君は僕の知らない君
僕の知らな ....
君は最近空を飛んでいるだろうか。
この場合の飛ぶとはつまり、想像する事だと思ってくれたらいい。
想像とはつまり、意識を対象に投影する事、
または自らを解き放つ事だと思ってくれたら ....
詩らしい詩をかけずにいる
それもまた詩か
七色に照る日の光は鬼のようあつさで
単色の空は優しく私をつつみこむ
その空は私にこたえ
日の光とは違った色で私をほめる
アメリカの影
その熱の香り
ケチャップほどの
絶望
午後4時
風
ロサンゼルス
肉は果実のように
雲の階段
水色のむこうに
宇宙
....
たかいたかいこころ
そのなかに燃える ひかり
吐いた 息 白く つきささる 瞳
みえる?ポーラ・スター
伸ばした手のひら 幼いままで
すこし嬉しい
シロクマブーツに 願いをこめる
....
ビタミンDが必要だろうと
太陽の声を体に浴びたら
致死量未満の放射能汚染
顔に体にミステリーサークル
水分の補給が必要だろうと
毛穴からの処方箋に従ったら
親切な塩素が9割配合 ....
たとえば
人にぶつかったとき
自分の不注意を詫びるのか
相手の不注意を責めるのか
戦争の火種は
案外そんなところにあるのかも知れない
首がまわる
扇風機とあっちむいてホイ
首がまわる
そのひとは着物姿で丁寧にお辞儀する
まるで扇風機の様だった
首がまわる
あっちこっちてんてこまい
忙しくて扇風機に
アッーアー ....
真夏なんだもの、
海へ行こうと彼が言う。
そこには豊かな海があった。
ちいさなかわいい生き物が、
澄んだ水を泳ぐ小魚が、
思っていたより
生気に溢れた
あまりにも豊かな海が。
....
明日も生きていてね
と君は言う
たとえ明後日生き返るにしても
明日君が死んでしまったら
やはりそれは悲しいから
明日も生きていてね
と君は言う
なにかをかなしがるような眼で
ど ....
蚊を次々と叩いて
殺してゆく
止まった空間
泣き叫ぶ虫ども
神への声は
湯気の向こうに消えて
届かないんだよ
蚊は、たたずんでいる
かわいそうだったから
潰した蚊を
空 ....
真夏の日が差す。
私の膝小僧は燃える。
車の窓から視線を投げると、
擦れ違った自転車マンの背中に
一抹の懐かしさ。
他人のような起床だった
おまけに
水が揺れて上がれない
くるまれた水のしろい肢体が
暗いほうへ暗いほうへ
流されていく
そんな部屋で寝ていたからだろうか
朝になっても
何処にも辿り ....
雲無しの高い青空に
ひりひりと胸の底が焦がれ
季節外れの山藤は
頭の痛くなるほど
甘い香りを振り撒いて
どこまでも高い蒼穹を見上げて
わたしの存在は拡散してゆく
伸ばした指先はほら
....
しぜんに
孵化し
かあるく
受入れ
夏のみずいろ
しろい悲しみ
ひかりは影を
点滅させている
いのちは形を
生滅させている
しぜん ....
日々の砂漠に
埋没された
わたしは一本の指
墓標のように立ちながら
指の腹にひろがる指紋は
いつからか
一つの瞳となり
遠くから荷物を背負い
こちらに向かって歩いて ....
だきしめてください、この四肢に
わたしに体温をなじませてください。
はいでください、この邪魔なもの
わたしとのからだをかんじてください。
ふれてください、このくちびるに
わ ....
メリケンスタァによろしく、って。
女王蜂が足をひろげて吐き出した。
憂鬱に猿が、
憂鬱に猿が、
憂鬱に猿が、
憂鬱に猿が、
憂鬱に猿がダンス踊ってった。
なんだか凄い耳鳴りが。
....
詩を書いたところでこの世界が動くわけもない
夜の虫の音を聴きながらそんなことを思っている
遠い遠い過去に縛られた日常
サーチライトに照らされたそれを探しながら
暗闇を掻き分ける ....
『本当のことを言おうか?』という詩人の脅しは
常に否定形でしか語れない
代用人間とはそのようなものだ
形がある いや そうぢゃない
中身がある 必死にかき集めて 粘土いぢりを ....
太陽が
触れるほどに膨れて
私の頬の辺りを
じりり、と焦がしている
へばりつく髪の先に
小さく火が灯って
そのまま燃えたいと願う
溶けてしまえたら、と
その日
世界 ....
吸うと胸がふくらんで
吐くと胸が下がってく
こきゅーっていうらしい
まぶたが自然にぽつんと落ちて
見えないうちにまた開く
まばたきっていうらしい
私がやれといわなくても
私がちゃ ....
未だに命を引きずる街で
静かすぎる呼吸を繰り返す子供達
おとな は
既に死滅して
水滴がぽちゃりと世界を彩った
(このてのなまえを
(おしえてほしい
片隅でぼそりぼそり ....
臆病だったのか
アタシはこんなに臆病だったのか
掃除機の音が
小さな音が
響いてくる音楽が
すべて怖い
どこか
なにか
アタシを責めているよ ....
{引用=ぼくがうたをわすれても
みつけだしてくれるかい
シンバルのオモチャでも
つかんでいてくれるかい}
死体を晒さぬカラス
月にかくれた月蝕に問おう
倒錯しないか
好きだっ ....
「今日○月×日、午前△△時に自動車同士による
事故がありました。この事故で......」
気づくと僕は走っていた
何も考えられないくらい
一心にただ目いっぱいに
別に
何かに急 ....
断ち切られ
衰弱死した
あの方の
地獄思えば
「なんのこれしき」
血の色は
燃える火の赤
夕の紅
歯がゆさに泣け
不条理を斬れ
....
言葉が白くなる
その言葉はもともと
愛や夢だったのかもしれない
確かに今まであったものが
消えてゆく
忘却とともに
蓄積が始まってゆく
過去が現在へと結ばれる
言葉が白くなる
そ ....
縦に長い大部屋の中
に、並べられた寝台、
おおぜいの男と女が寝
ている、昏々とねむり
に落ちている、灯って
いる照明はひとつもな
く、奥まで見渡せない、
暗闇よりあかるく、薄
闇より ....
4545 4546 4547 4548 4549 4550 4551 4552 4553 4554 4555 4556 4557 4558 4559 4560 4561 4562 4563 4564 4565 4566 4567 4568 4569 4570 4571 4572 4573 4574 4575 4576 4577 4578 4579 4580 4581 4582 4583 4584 4585
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