月のあたり
大きな風が
愛撫する夜
点滅する滑走路は
俯き加減でも歌った
それが二人の
着陸を許した
火に焼けた可憐は
明け暮れのごと
肌を透かせゆらめき
....
早朝の蝉達は
すでに目覚め
茂る緑の木々に隠れ
全身を震わせ、鳴いていた。
無人の母校の校庭で
跪き、両手を合わせ
朝焼けの空を仰げば
悔し涙は{ルビ搾=しぼ}り落ちる ....
点滅
路面の平坦を胸に
ハンドルを愛撫する
わたしたちは
口をきかない
街灯シンメトリーの
寄せて返すさざ波
リズム
いとしい人
鼓動の残像は
眠りの ....
君の映画に出させてくれないか?
大作映画じゃなくていい
単舘映画でいいんだ
客だって僕らの知り合いだけさ
主演女優の君と共演したいんだ
できればラブストーリーで
....
ニヤニヤ唇をひいて
太陽が愛想振りまいて
押し付けるんだ
「特別なことを やりなさい」
茹だった脳で
盲目の夢
誰も
みて
いやしない
夏の
隙間
みてよ
足から入り腕を出すと
ダンボールのほかは空ばかりで
おれは首のばし
下をのぞきこんでも
からり晴れわたり風鳴る底なしの
しまった
あれも連れてくればよかったと
ポケットの小瓶 ....
ひろがりが
有限世界のものならば
時間もまた
有限世界のものだということ
未来というのは
まだ空間と時間に侵されて
いない頃のこと
ひろがりが
....
君は私の殺し方をよく心得ていて
いつもその手口で私をやるんだ
私はいつしかそれに快感を覚え始め
今ではうっとりと目を閉じて受け入れる
君がまるで半狂乱の夜には
それはたまに痛み ....
ワープする 僕は、空間ごと
この、二時間半の、列車の車内で、線路上で
文字と、音楽と
あるいは夢と、妄想とともに
ああ、ひどく、ひどく沢山の人がいるのだなぁと
わけもなく 是非もなく
....
「コンクリート・リゾート」
最後に僕がここに立った日
それはきっと、セピアンブルーの日
変わったものといえば
角のコンビニエンスストアの名前くらいで
もしかしたら ....
指先に
色付く惑星
くるくる揺らして
夢を見る
触れたらふわり
いらっしゃい
見せてあげる
とっておきなんだから
ささやきあった
合言葉
たしかめあった
愛言葉
つ ....
童子らの目耳は
この夏の石畳
思い出オーブントースター
海も蟹も
空も犬も
ふたについたアイスクリーム
チーズピザ柄 白のTシャツ
油クレヨンとろけて
....
僕らは生まれる前から 死への歩みを始めてる
親を選べることなく 浮き世へ放り出される
遺伝子と環境によって 能力値が決まっていく
裕福な家庭に憧れ 指をくわえ妬んでいく
運命は切り ....
孤独なんて言葉じゃ足りない、足りない
突き刺さるような激しい感情
心の奥の、奥の方に
まだ鳴ってる
響いてる
あの日君が聞かせてくれた
ロックンロール
僕の胸を揺らす
朝が来よ ....
甲殻類が地を這い
水捌けの悪いアスファルト
固い固いと嘆いてる
七年の
夢幻を殺し
星空を厭い
深夜の永く暗い
映像ばかりが
死の薫りを近しく
じめじめとした万年床
足 ....
水中ではうたもうたえない
だけど泣いたってわからない
ささやかなゆれはわたしの体温になって
さかなたちの集うよるがくれば
ふやけた指先からあふれていく
あらゆる目線の延長上 ....
私の遺体は焼かないこと
埋葬の道中には子どもを3人付き添わせること
子らのつやつやした黒髪は、
青々した緑葉を飾ること
そして彼らの透き通る白い肌は、
漆黒の羽織で覆うこと
死の色の中 ....
交差点が紅く染まった。
僕が作った少し早い夕暮れ。
人々がその美しさに歓喜の声を挙げた。
ありがとう。ありがとう。
僕は観客を見渡してニコッと笑う。
観客の一人が夕暮れに ....
(風が囁き合う
あれは羊の群だよ、いや、焼け焦げた霧だよ
彼は眠っているのかな?死んだから歌っているよ)
風" 連なりs 虚-ろ'mな N聖者ら 占t の ....
風が欲しくて
鳥は翼を手に入れたのさ
星空の性欲に
地球は呆れて離れたのさ
形がほしくて
水は氷になったのさ
理由なんてないんだって
僕らはすべて
....
きりぎりすに憧れて
毎日泣き続けた
涙が涸れてやっと
きりぎりすになれた
美しい鳴き声は
声ではなく
羽の摩擦音だった
少し興ざめして
もう人間には
戻れなかった
象徴化された
シンパシーが
屋上で欠伸をする
記憶装置が
スキップして
計画と組織は
順序よく
並べ替えられた
戸棚のチーズが
模擬実験的に
世界に調和され
ねずみた ....
ケリの親子 こうずまさみ
肥前の旅人
今年も休耕田で
ケリのひなが孵った
散歩帰りに犬が立ち入ると
キッキッけたたましい声で脅しかける
その様子をすぐそばの二階から ....
耳元で囁くように
一番遠いところから
叫ぶように
声は、聞こえている
土の上に横たわった
私の頬に、そっと
それは静かに目を閉じながら
ひとつ
口付けを交わす
限り ....
真昼の太陽の微笑みを
光とともに受けて
重たい涙が乾いてしまった
空が吸い込んだみたいに
真昼の温もりのある風が
おそるおそる
やってきて
冷たい憂鬱を運んで行った
夕立に ....
夏は
山がすこし高くなる
祖父は麦藁帽子をとって頭をかいた
わしには何もないきに
あん山ば
おまえにやっとよ
そんな話を彼女にしたら
彼女の耳の中には海があると言った
....
盆踊りの喧騒を避けて
入り込んだ路地は
中学生の頃の通学路
狭く細く静かな時間が
そのままだった
一陣の風が吹いて
セーラー服姿のわたしの
残像が行き過ぎる
遠 ....
くらくらする
空気のなかに
沈みゆく
わたしの四肢達
同化した
観念は
やがては羽化し
また生きる
何度もめぐる
いのちのきせつは
静かに
わたしたちを伸 ....
夏の渓谷
そろりそろりと川の水へ
足を踏み入れる
心地よい冷たさが体の中へ
冷房の涼しさとは違う
透き通る水底には
兄弟なのか姉妹なのか
小魚が二匹泳いでる
夏の渓谷
どこから流 ....
かなしい
さびしい
つらい
くるしい
どんなにならべても
ぼくのきもちにはちかづかない
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