さあ囁きなさい 愛の言葉
我を戒め 解き放つ
強く 優しく抱きしめて
千年先まで届くよう
唇に紅い血の紅引いて
髪に鉛の鎖結わえ
我は乞う声{ルビ他人事=ひとごと}に
狂い咲く華逢い ....
雨に吸い取られるように
街から見上げると
あしもとの同心円は
忘れてしまう
私ではないあちこちを中心に
広がる波紋の重なりで
まちは夏の終わりに濡れて
遠い港の潮臭いしぶきまで
思い起 ....
あなた
こんな夜に
あなたの強い視線を
その行き先のことを
ふと考えてしまった
私は、ね・・・
「私は、ね・・・」
口にしかけて、やめてみた
伝わるなんて、理解されるなんて
はじ ....
知らないあの子とかくれんぼ
また会えるかな
もーいーかい?
もう会えないのかな
まーだだよ
「出会いもあれば別れもある」
あの子は帰っちゃったの?
もう会えないの?
....
まっ白いシーツが
かぜのように気まぐれに
ふっとためいきをついたとき
けずられたきみの脳は
まわりの景色に色をつける。
くりかえされる
ひかりのみえない毎日を
記憶から消し去り
ど ....
{引用=
事実、失われたものたちが/こどもみたいなことを
眉間に集束して、にこやかに手を振っている/窓際に並べ合って、トランプしている
夏の蜃気楼に酔った、寂しさの群れが/失 ....
駅前の 商店街の
こぎたない
忘れ去られた ボタン屋に
おそろいの
カフスボタンを
買いに行こう
お揃いのシャツを買って
僕の右そで
君の左そで ....
あたまがいたくて われそう
なのに こんなときに あのこたちは
あたまがわるくて イタそう
だから
あたまがいたくて われそう
夕方
花に水遣りをしていると
ブルーサルビアの花の影に
妖精がいた
一目見て
「ヤバイ」
と思った
妖精は蝶の羽を持っていて
ブルーサルビアの花と同じ色のワンピースを着て
髪の毛 ....
灰の混じる手で
顔を洗う
灰は髪になる
灰は語る
火が残り
背を照らし
髪の影を燃し
ひとりを浮かべる
月を連れ 別れる
赤い光が 鉄路を去る
隣を歩む ....
夢の続きはいつも空白 何もない
思い出そうとするけれど
水が手から
するするこぼれ落ちるように
夢が記憶から
流れ出てしまう
だから いつも 何もない
かすかに残っているのは
断片 ....
くるくる 渦を巻きながら
回っているものは何?
失した記憶 悲しい過去
みんなみんな
虚空に溶けてく
朱い色が時を紡いで
くるくる くるくる
回っている
向こうに見える影は誰? ....
海の底にて
名をば呼び
たなびく風に
誘われて
幾度となく見た
この景色
渇いた砂に
涙のあと
つきる事無く
この身を埋める
あとはただただ
眠るだけ
海の底の墓標にて
....
もはやそこに音楽はなく
遠雷だけが
Erosの扇をひろげていた
regretの沼にむかって
日常の仮面が剥ぎ取られるとき
根源的 ....
大雨が降って
やっと箱船日和がやってきた
世界が終わるまでに
なんとか間に合いそうだ
どれだけの長い日照りが続いたろう
以前に用意していた女たちは
皆ひからびてしまった
....
青い柿は
鮮やかな色をして
艶やかな皮を持ち
そのくせ苦い
(あたかも若者が吸う毒にしかならない煙に似た恋のように)
熟した柿は
落ちれば潰れる柔らかさで
老婆のように皺を寄せて ....
幻は所詮幻だと
嘲笑う雨のメロディ
耳に痛いリズム
もうなんにも聞きたくない
あなたの居ない部屋を
満たしていく雨の気配
水圧が増して
なんにも聞こえなくなる手前
性器がこ ....
ようやく朝がきているよ
そんな嘘で早起きをした
きみのなかはどうなってるんだろう
街中のプラスチック踏んづけて
はだしできみを追いかける
冷えたアスファルトとうらはらに
....
夕暮れのバス停で
鳥になるの、と
呟いたきみの背には
小さく
ほんの小さく、翼が生えていて
ぼくは思わず
溜め息を吐いてしまった
砂時計の砂を飲み込んで
時を止めようとしたことを ....
器の
壊し方を知っている
けれどもわたしは
外側にいない
器の
壊れ方をおぼえている
けれどもあなたは
内側にいない
朝と呼ばれるものや
愛と呼ばれるもの
....
セミの声を追いかけて
見知らぬ森ん中
麦藁帽子のつば先は
南の方を指していた
虫かごん中はからっぽで
虫取り網を空高く
どんどん奥へと進んで行った
四方八方セミの声
どっちへ進めば ....
空っぽのあなたに意味を詰め込んだ
美しい器だからそうした
そうして出来たあなたを愛でる
満たされたあなた
波打つ隙もない
美しい
やがてあなたは沈んでい ....
手をのばせば はしごはゆれて
いたいけな木の棒が
うながすようにみつめる
登りはじめた私の背には
羽と
足は 鳥のようにまがり
くちばしが言葉をなくして
指が忘れていく世界の風
....
思考する頭の中が
湿るほんの少し前で
知りたくも
知れなかった日々は
白々しく弛緩してゆく
心音も都会に潜り、
叱られて跪き、
縛られて 縛られて
死んだら涙も出ない
死んだら言葉は ....
人は古来から
抗う事の出来ない力を
そう呼び
畏れ崇めた
同じ様にそれに抗う
力を身に付けようとした
自己満足を究極に嫌う者だけが
その頂に登り
....
070830
大きな声で
欠陥と叫んでみる
完全なものなんて
どこにある
ここにあるなら
見せてみろと
銀色の風船がヘリウムガスに載っかって ....
彫刻家であると同時に、優秀な墓石職人でもあったミロは
首だけの友人に言った。―墓の無い墓もあると。
一方で、友人は相方である胴体の到着を待ち続けていた…切り離された
胴体は雑踏の中をふらふらと ....
青空の色を教えて欲しい
熱帯の色を教えて欲しい
と女は言う
なんだかこの世の終わりから2番目のような
質問をしてくるので
わたしは無口になった
海へ行ってサングラスかけて
焼 ....
こぼれた言葉に
君の歪んだ表情
直後の痛みに
何故か安心
歪んだ笑顔は
傷付いた君の
精一杯の強がり
傷付けた僕は
無表 ....
弟の所有する剃刀は艶かしく
夜毎風呂場で光っている
あなたが好んで着た服と お気に入りの携帯
それに似た 弟の剃刀
赤と銀の大胆で男性的なデザインを持つ
弟の剃刀 ....
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