寒気を感じるほどのあつさが続いている
語られざる
おおぜいの屍がたてる衣擦れの音は
長い間やみそうに無いのだった
窓の外も中も
もう屍でいっぱいだった
ことに気づかない振りを決め込んだ周り ....
OD(オーヴァードライヴ)
ペダルを踏んだら
尾てい骨から急激に入り込み
心室を除細動する
「見ろよマスター、あいつドーパミンの出し過ぎで下半身をフレンチ95に吹っ飛ばされたっ ....
黄昏を渡った虹
それはそれは
綺麗なものでした
黄金に染まる雲
茜に滲む木々
そして
太く丸い七色は
星のように輝いたのです
半円の真ん中であなたを想い
背中が夕陽に溶けだし ....
永遠をください
愛情も、友情も、信頼も、生命さえも
いつか朽ちてゆくのならば
何故与えたのですか
永遠をください
終わりのない世界
無限の{ルビ刻=とき}を
一人待つ少女
恋人が遠くから手を振って
駆け寄って
笑顔で温かく迎える
そんな恋人たちのそばを通り抜けて
僕も笑顔になる
誰かが今日
どこかで ....
ダリアには毒がある
私はちっとも知らなかった
友達ん家の庭先に
昔咲いてたあのダリア
おっきな真っ赤なあのダリア
あれもやっぱり毒だろか
ちっとも知りやしなかったけど
それでもや ....
何万年もの前に裂けた傷口を塞いでよ
僕等の粘膜が混ざるのを望むのは
溶液だった彼等の本能かな?
だけど生成する気体は過剰反応しすぎて
拒絶反応を起こして分離したから
僕等こうやって穴が空いた ....
さようならに染まる夜の向こうに君はいて
こっちとあっちでチクタク秒針
多分 君はもう寝てる
その頃 私は浴室で現在未来を考える
今日生きていた 明日も生きていたいって
シャワーの中で ....
散々酒を喰らった翌日に
原因不明の痣が三つ
手首と膝と足の甲
手首はきっと
ブレスレットにぶつけたのだろうし
膝のは多分
這ってトイレに行ったとき
けれども足の甲だけは
どうや ....
ある夜 街はずれの広場で
夜空を天幕がわりに
サーカスが催された
楽隊のない 静かなサーカスだ
曲芸師たちはみな骸骨
水晶のように無色透明なのや
黒曜石のように黒くつややかなのや
銀色の ....
夏の終わり
りんりんと鳴く虫の音の響く夜の淵
なまあたたかいぬめり気が
頬をなでる
セックスを終えてアパートを出た後の
このにおい
夏のにおい、のような
記憶のか ....
お前は私の心の中に入り込んでいますね。
お前は私の脳内に仕掛けられた時限爆弾のようにも思えます。
でもお前は私に人並みの感情を教えてくれました。
お前の苦しみと悲しみなどを思うと、
私 ....
気まぐれな
夏の恋に傷ついた
氷の心
{ルビ尖=とが}った氷が
音も無く溶けゆく
晩夏の宵
やがて
秋の虫の音は
一人きりの夜に
無数の鈴を
鳴らすだろう
....
眠るまでの少しのあいだ
自分から発せられる
においを嗅ぎながら
内側から人間の
かたちをなぞってみる
それから
夢の世界にたどりつく
夢の世界に浮かぶ雲
彼もまた
眠るまでの少し ....
彼のことを何も知らないのに好きになって
好きになって好きになって好きになって
今 勝手に玉砕した気になってる
仕事の帰り車の中であなたの姿を見た気がしたの
それだけで嬉しくなって驚いて ....
僕の願望
蛇口から漏れる水滴
僕の失望
冷蔵庫で腐るウインナー
僕の希望
洗濯機の回転数
僕の渇望
テレビの七色ドット
僕の欲望
毛布の温かさ
僕の羨望
君の絶望
木造の教室 木の机
窓辺には忘れられたひまわり
真ちゅうの遊具 ゴムタイヤ
子どもの消えた{ルビ聖所=サンクチャリ}
子どもどころか
風と雑草とさえずりと
{ルビ旅人=おれ}だけか ....
銀座の路地裏に入ると
色褪せた赤い{ルビ暖簾=のれん}に
四文字の
「 中 華 食 堂 」
がビル風にゆれていた
( がらら )
曇りガラスの戸を開くと
「 イラッ ....
明るく前を向いて
「365歩のマーチ」を皆と歌い
両手を振って明日へと歩む
「あるべき姿のわたし」
の下を
「ふぬけたわたし」の亡骸が
独りうつむいたまま
低空飛行している ....
{引用=
軒下にぶらさがって
死んでいる私
どうしてこんなことになったのかと
突っついてみるのだが
むなしく揺れるばかりで
答えるはずもない
霧の ....
もしも時を戻す術があるのなら
きっと僕はきみに会いに行く
あの日のように笑うきみに
何もかも変わっていくこの世界
きみはあの日のまま
僕は目覚める毎日のように
きみは永遠の夢の中
....
のんだぶんだけ
はきながら たがいの
さまつな ちがいを
ののしりあった おれたちの
ふれんどしっぷ に
空が生クリームをあわだてたようだから
もうすぐ雨がおちてくるころ
ぼくの足もとは
草原の小径にかわり
土のにおいが 近づいてきた
傘をひらくと傘のなかに
しずかな足音がひびいた
....
へやがかたづかない
べつにかたづかなくてもいいんだけど
スイミングスクールも学校も一緒だったから
五年以上はいもうとの水着姿を見てきたわけだ
ところが全く思い起こせない
浮かんで来な ....
その日の晩、女は禊の真似事をしに
旧い銭湯へ向かいました。
目的は不安を拭うことにありましたが、
それは体裁上の話で、本当のところは
出来もしない覚悟を決めに銭湯へ赴いたのでした。
....
ほら
泣いてたんじゃ
なにも
始まらない
目の前にある
困難っていう壁は
そうだよ
自分自身で
高く高くしていたんだ
ねぇ
笑ってみせて
この先に
何があるの ....
いったい この世界は
どうなっているのだろう
この世界は どこへ向かっているのだろう
いまだ 戦火やまず
気候変動は どうなって
そして地震の襲来におびえて
確固とした 己の心も定 ....
気づかないうちに僕は透明になっている
形がぐにゃりと歪んで気づいたら誰かの心配そうな顔を見る
そんな毎日
いつからかあやふやになってきた
僕は本当にこの場所にたっているのか
ここでこうして君 ....
懐かしい笛の音
ぜんまい廻る音
かたかた兵隊
整列前進
踊り子の女の子
足取り軽く
くるぅりくるくる
真っ赤なスカート翻し
おりの中で獣等
静かに騒めき
ストライプの玉が
....
虹が出たら
虹の付け根が見たくて
みんなで虹の端目指して
駆け出した
でも近づくと虹は
近づいた分だけ遠くなる
それでも走っていくけれど
行けば行くほど 遠くなる
それを繰り返して ....
4517 4518 4519 4520 4521 4522 4523 4524 4525 4526 4527 4528 4529 4530 4531 4532 4533 4534 4535 4536 4537 4538 4539 4540 4541 4542 4543 4544 4545 4546 4547 4548 4549 4550 4551 4552 4553 4554 4555 4556 4557
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.52sec.