百日紅
こうず まさみ
激しい色ではない
長梅雨の間に
そうっと 音もなく 開いた花
枝先のピンク色が
爽やかな 風になびいている
バックコーラ ....
動かない
今の今まで動いていたのに
在る...
居るでなく在る
置いてある...
人が置いてある
その気配は既に物
者でなく物
ああ これが死で
いずれここにいる
全ての人に訪 ....
なにかが欠けていたのだろう
あなたに伝えること
いま
全裸を隠そうとしている
この月のように
僕があなたを
少しずつ愛していった
はずなのに
あなたは
不信で覆われていく ....
{引用=
めちゃくちゃに頭がキレるのにひとつだけ
熟語の読み方を間違えている友人がいて、
21世紀の学生らしからぬ高尚な論議に花を
咲かせているときに限って彼がその言葉を
....
そこは空かと問うたなら
鳥はきれいに黙して
はばたく
そのたび言葉は
空から遠いわたしの胸を
いやしの為に
傷つける
幻はまだ
あこがれとしての痛み
選 ....
・
家を出ると
道端に
無数の舌が落ちていた
赤信号が
誰ひとり停められなくて
途方に暮れているような真夜中だった
舌たちは
うすべにいろの花のように
可愛らしく揺れなが ....
ページをめくれば
ほら 其処は
現実と幻想の入り乱れた
混沌とした世界
ページをめくれば
ほら あなたも其処の住人
脱け出す術は ただ一つ
逃げ出す術は ただ一つ
存在を ....
パキンと空が割れたから
鳥は飛べなくなった
ツトツト水が踊り出す
水のない川で
私は部屋の中
天井を見ている
どんどん高くなっていく
縞模様の天井を
首を曲げたら
壁が倒れた ....
昨日見た夢 不思議な夢
透明な存在のお婆さん
世界と一緒に居たくて
レモン汁絞って
世界を沈めてしまう
私は縁側に座っている父母(ちちはは)に
冷蔵庫のコップに
麦茶を入れにまた戻ってく ....
海が近いことを知り
かなしみをさまよい
また生まれては
消えゆくものの儚さは
通り雨のように
振り返ることもない
いのちもまた
空のしたに
ゆたかにたたえられ
空もまた海に
鮮 ....
あ いして います
い つか 逢える日を信じて
う やむや な こころ に
え いえん を こじつけて
お それは 捨てて。
か なしい時 も
き びしい時も
く いは残らないように ....
かすかな声でなぞる
あれは面影
うらの林のすきまからみえた
私の亡霊
沈むことのできない舟
いっそうの複音
静かな{ルビ水面=みなも}をもっている
{ルビ自恃=じじ}{ルビ矜恃=きょ ....
その時は まだ
その感情を
愛なのか 恋なのか 友情なのか
信頼なのか 尊敬なのか 興味なのか
どれも正しくて どれも違って見えたから
真っ先に見つけた 愛という言葉を
名づけ ....
いつかくるとわかってた
きてしまったものは
過ぎてしまったことは仕方のないこと
わかってる
全部全部 わかってる
言わないで 私 わかってるから
無理して笑うあなたの顔 ....
日が沈んで暗くなった空に
一等先に光ってる
あれが金星だよ
そう言うと
君は
そんなの知らない、と言ったね
学校で習ってないから知らない、と
ねえ、ルミ
その言いようが、な ....
想うことでしか
満たされることのない
言葉のすき間を
こっそりと埋めている
夜のからすが
忘れられた唄を
鼻で奏でる無意味
夜明けの海が
静かに沸騰するころ
意味という名の
鳩 ....
壊れなかった夜に
あなたの乳房の中で
浅い眠りに落ちていったのさ
どうしたって壊れなかった夜に
あなたの薄い乳房の中で
夢も見ないような眠りに
落ちていったのさ
朝は狂わないままにや ....
さあ 岸を出よう
この小さなボートで
群青色の森を
暗闇が侵し始めたら
白い霧はゆっくりと
境界線を失い
緑の木々はそっと
歌を囁き始める
オー ....
折れそうなわたしを映す
動かない鏡
何も考えない
何も考えてくれない
折れそうなわたしを見て
鏡を叩き潰した
欠片を拾った手が
血に濡れた
もう戻ら ....
誰もが思いつく言葉を
口にしてしまったらおしまいだ
あんぐりと開けた口に
飴玉を放り込んだ
いつの間にか
スキップの仕方を忘れて
靴の底が磨り減っていくのを感じる
だらしなく ....
コンクリートに埋め立てられたての土手は足跡がつくから
わたしはそこに猫ちゃんを置いておいたよ
そこでにゃおにゃおいってたすけをよぶんだ
きっとうまくいく
にんげんは猫ちゃんがだいす ....
甘ったるい芳香
胸を食い破る愛撫に近い
洋ナシの
妄想の
うつつを運ぶ
くるくる惑う
棺も限りも知らず
子供と大人と獣
一緒に囲い
此の世の縮図
悲嘆の狂った咆哮が
擦り ....
花屋の娘に恋をして 妻に花束を買って帰った
なにも言葉を 落とせそうにない口を ありがとうの唇で塞いだ
愛人が旅行へ行きたいと言い 出張を装って出かけた
「早く仕事が 終われば日帰り ....
晴れた日に
テレビゲームをしていたら
外で遊べと言われ
公園でサッカーをしていたら
ボール遊びはするなと言われ
自転車で探検に出かけたら
行き先を必ず言えと言われる
ぼくたちの遊びを ....
眠らない街に迷い込んだ。
極彩色の光が淀んだ空気に鈍く映る。
目を覚まさない空を見上げた。
止まったような時間の中に濁りきった月が浮かぶ。
人を貶めて誰かの影に怯え廃れた約束に縋りつく。
....
ゆめのなかでさえ
あのひとは後ろ姿で
いつだって
後ろ姿で
ゆめのなかでさえ
好きとはいえなかった
あのひとの抱きしめたぬいぐるみを
大切に抱きしめて
ぬる ....
机を叩く音が
緩やかに
固さを帯びていくための、
そのプロセスの一環として
私の右手の中には
シャープペンシルが
握られている
ランドセルの隅で
眠りについた幼さの欠 ....
朝、青空が落下する。
二階の窓からデモ隊は逃走する。
<Let me be taken, let me put to death――>
倒れこむ、ここは勇敢な大都市。
どんな勝利も、ぼくは ....
夜な夜な吹き上がる怒りは何だろう?
現実の仮面を外した時
押し込められた感情が
吹き出すのだろうか?
知らぬ間に
無意識に
それが普通だった
....
今まで黙っていたけど僕はイケメンです
突っ込まないで下さい 突っ込みは後で受け付けますから
皆さんここは黙って僕をイケメンと認めて下さい
今日だけ僕をイケメンってことにして下さい
一度やってみ ....
4516 4517 4518 4519 4520 4521 4522 4523 4524 4525 4526 4527 4528 4529 4530 4531 4532 4533 4534 4535 4536 4537 4538 4539 4540 4541 4542 4543 4544 4545 4546 4547 4548 4549 4550 4551 4552 4553 4554 4555 4556
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
7.13sec.