寂しいときには
歌を歌う
一人っきりのエレベーターの中で
たった15秒の僕だけのステージ
やさしい言葉を叫びとばす
寂しいときは
眠らない
ベッドの上ですごく ....
例えば君の身近にあるすべてを
一つだけ残して捨てるとしたら
僕はどこまで生き残れるかな?
水や空気や地球といった
数多くの強敵を打ち倒して
最後まで勝ち残る事は出来るかな?
....
幼い子供達が無差別に殺されたニュースを見て
悲しい顔をした君が
部屋に迷い込んだ小さな虫を
すかさず叩き潰した
それは
ためらいのない無意識な行為で
憎しみも悲しみもない
何気ない行 ....
今日は死ぬにはとてもいい日だ
草穂を揺らす風が吹く
ヒマラヤスギが黙然と立つ落日
強さの代わりに口を閉ざすんだ
風がすわりと立ちはらむ草原で
空気に重さがあるということを
彼らは厳かに ....
暗闇の中でうごめいている
不可識な渇望が
またやってくる
渇望の重さにうちひしがれるとき
僕は
異形の世界へ下りてゆく
眠ってばかりいる僕の
目蓋の裏には
鮮明な画像が灯ってい ....
秒針が僕の体を躊躇い無く刻む
僕の体はひたすらに小さく例えば一つ一つの細胞くらいの大きさになっていく
おおよそ60兆は、僕の喜びの数であり、悲しみの数でもあり
そして孤独の数でもあった
細 ....
彼岸花が倒されていたのは覚えている
あれはどこだっけ
あれはわたしだっけ
晩飯のおかずを考える
家には
年寄りが居るから
エプロンをして料理をする
パジャマを着て寝る
そんなこ ....
それはきっと
お月様
木漏れ日
嵐の夜の海
森深くにある空気
金木犀の薫り
我が子の寝息
君と触れ合う指先の
ぬくもり
当たり前にあるすべて
当たり前じゃない
す ....
灰色のコンクリートには
ない、ない
としか書かれていなくて
薄紫色の夕暮れには
さあ、さあ
としか書かれていなくて
茶色の地面には
まあ、まあ
としか書かれていなくて
青 ....
はばたきが きこえる
とおい 風の血統に
呼びかけてくる
ひろった羽根で
こころみに とんでみる
もう
何もいらない
あのひとさえ
こころから遠ざかって
あの過去の記憶も消えうせて
ああ
そうなれば
どんなにいいだろう
わたしという存在
それは無用なものなのに
昨日の夕焼けの事を
思い憂うこと勿れ
だってそうだろう
朝焼けに向かう方が
近道じゃないか
ここは
夕焼けの墓場
毎日毎日死んでしまうから
ここにそっと葬られるのさ
見て ....
こちら、さよなら商店です。
さよならの代わりに役立ちそうな言葉を取り揃えて御座います。
どうぞ、どなた様もご自由にご利用ください。
一、
面倒くさいなら
荷物をまとめて
あたしの内から ....
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
衣類を剥いて 手足を縛った
跡が残るように きつく きつく
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
....
「じかにふれてみればわかる」
男は女の手を握り
宮殿内を歩き回った
久しぶりの休日だった
彼女は大理石の花瓶の中で
プリマのように くるくると
まわってみせた
も ....
椅子の並んだ暗い部屋
映写機の背後に立つ人が
かちっとスイッチを入れる
闇をつらぬくひかりの筒
スクリーンに映し出す
交差点を行き交う
無数の人々の足
試写室の ....
だるい西でカーテンが
光に負けて
ゆ、ゆ、ゆ、
項垂れるように光になり
ほら、カーテンの
半透明の脱力が止まらない。
橙色へ、ゆ、ゆ、ゆ、
痛みを伴って、どうして ....
建築中で骨組みの
家の前で
彼はぼうっと立っています
皆それぞれ忙しそうに
柱の上や足元で
とんとん釘を打ってたり
しゅっしゅとカンナで削ったり
重いバケツを運んだり
....
白昼夢ドッヂボール
{注回転かけたら=ソフトバレーボールを親指と人差し指でつまんで投げると、下におちていくボールを投げられる。}
{注こうじくん=友達}が怒ったから、
「ごめんなさい」
{注う ....
{ルビ呑気=のんき}な仮面を被っていても
ほんとうは
わたしもあなたとおんなじように
ひとつの大きい影を背負って
流浪の旅路を歩いています
木造校舎の開いた窓に
手を振って ....
寂れた教会に嘆きの歌声が響く
優しい旋律が辺りに流れ出す
顔の半分が壊れた銅像
それでも神に祈りを捧げる
老婆は今日も来る
一縷の光が導く明日への階段
希望の後の絶望を ....
刹那の叫びの声のする方
深紅の瞳をした少女が
何も言わずにこちらを見ている
赤い扉は未だに開くことはない
指を売った少年が残りの指を売りに出す
手の中には掴む事の出来ない金 ....
いつか、迎えの時が来る
そう信じている
だが、実際の所は何も来ない
遠くの街から響く鐘の音
その鐘は見たことがない
僕らは未だその街に住むことを許されていない
想像の中の街の姿 ....
コロッケは生活の象徴
雑然としたテーブルや
家族の遠慮ない声
今日という一日の繰り返し
晩ご飯はコロッケがいいな
ミンチとじゃがいも、あったね
二人でやると早いよね
....
巡り来る時が
交錯する瞬間
ゆっくり、たおやかに
観覧車が宙に弧を描きはじめる
小さな箱の中では
あたしとあたしの中の永遠のこどもが
膝と膝をくっつきあって
回る…ね
....
鼻腔に遺された
親友のお骨の匂い
身体に染付いた
病院の匂い
金木犀でもなんでもいいから
どうか消して
いい香りで
わたしをいっぱいにして
まるで終わらないみたいな、空
彼岸に乱れる紅の花
音もなく太陽が黄道を{ルビ傾=かし}いで
ふっと、突然に夜を連れて
気が付けば昨日よりも深く
夜が、深く、沈んでいく
音の響きは明らか ....
湖畔の部屋
ガラス窓には
夜のみずうみが
黒い火事のようだ
町にむかう橋
ふたり見つめる
光たちの流れ
ふたり去来する
湖畔の部屋
ガラス ....
最近 急にお前が大人びて見える
きっと俺がまだまだ幼いから、しゃべりづらかったんだな
{引用=
ごめんな
}
子供っぽくてごめんな
お前の好みの男 ....
家庭崩壊 間際に、パパは今その団欒を取り戻す準備
夕食さえ愛せれば早く帰るだろうけど、ママの手料理じゃマズイ。
社会崩壊 間際に、社員は今その原稿を見直す準備
残業も愛せれば出世するんだろう ....
4467 4468 4469 4470 4471 4472 4473 4474 4475 4476 4477 4478 4479 4480 4481 4482 4483 4484 4485 4486 4487 4488 4489 4490 4491 4492 4493 4494 4495 4496 4497 4498 4499 4500 4501 4502 4503 4504 4505 4506 4507
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.54sec.