ちいさな電車だった
いくつも風景をやり過ごした
乗客はいつも決まっている
新聞のにおいのする父と
たまねぎのにおいがする母
シャンプーくさい妹と
無臭のぼく
電車ごっこの紐は
....
指は
君の小さな生き物だった
どこか
遠い異国の調べみたいに
時おり
弾むように歌ってた
君が僕の指を食む
君が
少し子供にかえる
遠いね、
とだ ....
心臓を取り出して
はい、って渡せたらよかった
一番近付いた瞬間に
惜しげなく
薄暗い部屋
間接照明で
輪郭はまどろんでいる
意味の無い言葉や
意味の無い温度で
外側は溢れて ....
わたしにとって、男はあなたひとりです
あなたこそが人間、そして異性の完成型であり
わたしは未熟児 知らないあなたを
魅了するだけの技量があるだけ
(それだけなのでときたま虚しくなるのだと ....
室内を暗く変えるサッシ
閉められた店内に
人はいない
私達は得てして求めることもなく
あの様な暗がりに変わっていく運命を
頭のどこかではなく
魂の何処かで解っているの ....
NoWay NoWay
脳へ 脳へ
歯軋りが聞こえるよ
歯車になりたいと願う成人男性
熱々液体金属漕に飛び込んで
一泳ぎしてこの世から行方不明
部品になりたいと願ったのです
ギア ....
心から引き剥がせない
爪を掛け、力を入れても
肌は阻まず受け入れるのに
血が悲鳴を立てるというのに
傷と跡が掻き消せない
私の過去が殺せない
もっと上手に生きられたらって
泣いた夜も
毎日少しずつ違う朝は迎えにきた
からん、と錆びた音がした
気がする
頭を撫でてくれる手が好きで
これが欲しいああして欲しいって ....
僕は“何かよく分からないもの”
が好きだ
“何か良く分からないもの”
の定義とは意外に難しく
1人が 何かよく分からなく ても
9人が 何かよく分かる のであれば ....
彼は椅子を畳むのが上手かった
足を器用に動かして
瞬く間に畳んでしまう
八脚のパイプ椅子を分けて
両脇に抱えるようにして
収納スペースへと収めていく
彼は日々を畳むことに長けていた ....
あなたのつがえる矢の先は
違わずに私の胸を狙っていた
寸分の狂いもなく正確に
心臓を貫くことができただろう
波の上に舟は揺れていたが
騎上のあなたは狙いを定め
かたわらの主が命じさえすれば ....
指の形を覚えている
緩やかな節への流れと
その静かな温度を
ある日私の地平の向こうへと
吸い込まれていった
橙の夕暮れも透明なカラスも
かつてはその指を知っていた
今は置き去りに ....
神様は
木でも
炎でも
時でも
影でも
宇宙でもあると知った
ただ
天を仰いで
贖罪や救済を求めるのは
少し違うと思った
人 ....
ここから見える景色は
いつも同じで
夕日が沈む頃になると
誰かが食事を用意してくれる
食べる物には困らないが
自由がない
いつかこの狭い空間から
逃げ出そ ....
いつからだ
ものうさを知りながらも
おれたちは
後悔の猿ぐつわをはめて
家を出る
時計を振り切ろうとしながら
車のメーターなんかに
気をとられていると、見落としがちな
機会もあるぞ ....
マラリアのような空の下 猫の親子が歩いてる
僕は極楽鳥の羽を漁って そいつを黒服に売り渡す
いかしたスーツとネクタイが どうにも癪に思えたから
嫌味を隠したその口で 「素敵ですね」と呟いた
街 ....
アナタ言えますか?
グラサンかけてマスクして銀行に行き、モデルガン持って窓口で・・・
「貯金したいんですけど」
アナタ言えますか?
大火事を消火活動中の隊員 ....
朝、ぼくの季節は二十五歳で
ざらざらとした空を
東から西へ
たとえそれが夢だとしても
渡って、どんなにボタンを押しても押しても/押しても
改行できないでいます
ぼくが、ベーコン ....
どうも ありがとう
そこそこ元気でやってます
たぶんなにかを毎日忘れてる
からなんでしょう
ところで あなたは?
と聞き返せないところが
なお茜の空に消えてゆきそうです
....
うつぶせに寝る
一週間分疲れたからだを
ほねつぎの先生は
大きい手の親指で
ぐぃっ ぐぃっ
とのばしてくれる
「 マッサージしてもらい
すじがのびると
....
パソコンの電源を落とした
画面の暗い鏡に
カーテンを閉めた隙間から
入る一筋の日射し
うっすらと照らす
ぼやけた私の白い頬
暗い鏡に映る自画像の
背後の壁に
風にたなびく ....
市松模様の浴室から
明日 飛行機が堕ちるなんて夢を見る
あの娘の声が聞こえる
淫らな色が石鹸で隠されている
シャワーで罵倒を洗い流す
何かに怯えた眼をしていたあの娘のこと
誰も知らなく ....
霞みの径がいくつかに枝わかれして
闇は星運きに尋ねられるくらい澄んでいたから
夢をどこまで昇れば神さまに会えるのか思いあぐねた
うまれ始めた虹をいくつか過ぎる夢
きのうの歌を唄う夢
大気をよ ....
拝啓の文字が
背景に消えそうな
若くたよりない
母を呼ぶ声は
遠雷をおそれる
風鈴がからだを揺らして
細い糸にぶら下がっていた
そして大人になった今
いつしか切れた糸が
まだ頭につい ....
確かに通り過ぎていく時間と 多すぎる人々
その中から 出会えてココにいる 奇跡
全てが 未来へと続く偶然
心って素直になろうとするたびに
そっぽを向いて
伝えたいこと 伝わらなくて ....
ピンクの象と黄色のキリン その横で
下の青いにんげんがお父さん
真ん中の赤いにんげんがお母さん
いちばん上の黄色いにんげんが尚ちゃんです
そんなふうに
わたしたち家族が積み上がっている
6 ....
Tetrastich《仏》四行詩
* * *
君にその言葉が必要で
それを言ってあげられるのが僕なんだったら
飛んでいってでも伝えるよ
だってそれこそが僕の使命だから
....
陽は、夏を忘れさそないように眩しいけど。
風は、確かに冷たくなってきて。
もう、寒くなるんだな。
また、寒くなるんだな。
忘れかけたい記憶に。
ちくり、ちくりと刺さる。
....
その男は
音もなく戸口に立っていた。
帽子を深く被って
顔はよく見えない。
ーあんたの夢を買うよ。
ー・・・
ーあんたの夢を買うよ。
やっと答えた。
ーどんな夢 ....
嫌い
大嫌い
何もかもが嫌い
顔も見たくない
消えて欲しい
…ごめんね
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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