やわらかなシーツに包まれて
そっと盗み見る
ゆるやかなウエーブの髪に指を絡ませて
唇を寄せる
幸せそうに眠る
起こさないようにベッドから降りようとして
冷たい床に足が触れる前に
....
ふたりの仲は
今が最大の{ルビ危機=ピンチ}
洗いたての洗濯物を干しながら
ピンチで止めていく
ふたりとも
洗いたてには
もう
戻れない
ピンチでとめることも出来ない
き ....
乾いてゆく風があった
薄れてゆく光もあった
綺麗にされた夏だった
目の前に拡がる
どこか懐かしい景色に
なぜかふるい歌を思い出し
海に腕をさし入れる
かなしみが群れているのは
きっ ....
何も考えずに野菜を切っていた
夜には帰ってくるあの人の食事を作る
食べやすいように細かく刻む
水に漬けて灰汁を取り除く
塩で味付けをする
旨みが増すようにと
気付いてもらえないけれど
....
凶器って
ナイフでも
銃でもなくって
コトバなんだね。
切ない想いにとっぷり溺れながら
自分の中の決して定まらぬ心の細波に身を委ね、混沌とした夢のような現実をクロールする。
地理が、人のイメージの複合物が、裸のまんまの僕の中の中に電気的な刺激を喰ら ....
明日のことなんか気にしなくていい
もちろん昨日のことは何ひとつ記憶していなくていい
愛されたければ擦り寄って
肌の隙間に丸くなって
煙いと思えばドアに爪をたてて
合図
部屋を抜け出 ....
ねんねんな
ねんねんな
耳元近く響いて
優しく鼓膜を揺らす
ねんねんな
ねんねんな
もう歌ってもらう
年でもないけれど
ねんねんな
ねんねんな
....
誰か私をここから救い出して
鏡を覗き込んで溜息
裏切られ裏切られても
尚まだ誰かを何かを
信じていたいと内側で願う
報われる日が来ると言い聞かせ
顔を上げては髪を掴まれ
キミの指 ....
忘れかけてた
ブレーキランプ
“未来予想図”は
一瞬にして
脳裏を独占したこと
蘇り始めた過去
否定し続けて過ごした年月
今更、受け入れても遅いこと
幼さの過ちが痛い
....
舗道
天象儀
展開
コロイド
眩暈
砂時計
遡及
吊り橋
覚醒
シグナル
郵便船
記号
万華鏡
平行線
庭園
シナプス
散乱
フェンス
溶解
....
都市は
石と風のコントラスト
開けきった 窓から
円形の空のしりぞき
視線は永遠を求め
白い雲を追う
近くに目を落とせば
中層住宅・オフィスビル
ガラスが日に輝き
祝祭の ....
両手を回した程の
ちいさな宇宙です
貴方の肺は未だ酸素のあじを
知らないのです
ゆっくり不安定に自転を反し
頬に感ずる微熱の
耳に展がる音色の
ゆめを
見るのでしょうか
朧ろ ....
ざらついた空気が
ばちっと音を立ててめくれてく
あたしの心は
そのたびに
へばりついた電気の糸を放電する
ねえ
夢時計の針が曲がってるよ
なんだか昨日の方を向いているような気がする
....
君は柳だと思っていた
しなやかに曲がったり伸びたりしていたから
本当はやわらかな金属だった君は
ある寒い朝にほろりと折れた
ぼくは煙草の灰を落とすのも忘れてその断面を、
じっと見ている ....
飯の時間になると
カルシウムでできた入り口を開けて
飯を押し込む
そして首をかしげる
風呂の時間になると
纏っている物を剥ぎ取って
たっぷりと水をかける
そして首をかし ....
伸ばせばそこに 繋ぐ手があるということは
それだけで 心が安らぐってことで
大した用事が無くとも 聞き慣れたコエがあるってのは
それだけで 勇気付けられるってことで
ふと振り向けば 何時で ....
そそとして差し出される菊花
苦しみを経たのちの安堵のように
わたくしのからだの深みから
心の深みからも香りは立ちのぼる
気がつけば時雨
寒さ益す時雨の屋根打つ音が
薄闇をつつむ部屋の隅 ....
白昼 女である私は女である
にもかかわらず 童貞の硬い××××トなって近松の町に停つ
すべての人に向かって存在理由を述べる すなわち
私は恋人を待っている!のである ト
待たされる時間は ....
喫茶店から帰ったぼくの
ズボンにしみこむ
コーヒーとタバコの匂い
なぜかおじいちゃんの匂い
「こーば」から帰った作業服の
おじいちゃんの匂い
洗濯は
また今度
ぬくもりが目 ....
なんだかんだ言いやがって
テメーだけ大人の振りすんな
テメーの見え透いた
その薄っぺらい自尊心の方が
俺の言葉遣いより
汚らしいぜ
悟った振りして
ふざけんな
いい人ぶ ....
人間の「芯」を知りたい 触れたい
そして でかい人間になりたい
今も過去も含めた世界を知りたい
そして
冒険をしたい
全力で生きたい
カッコつけたりせず
小さいことを気にせず
....
たった三年で別れが来ると知っていたなら
私の全てを賭けて
貴方を愛したのに…
あの日から一歩が踏み出せなくて
流す涙すら枯れ果てて
行き場の無い哀しみだけが
....
明け方過ぎの国道で
辛うじて歩いている
あたしの足は優しくなれているのか
国境を探している
壮大なサウンドの中
口ずさんだ蛍光灯
静かな空気が痛みに変わる
地平線はどこにある
....
灯を見ていた
小さな 小さな
夏の灯
揺れた
ちろちろ ちろろ
なぜか 見つめられなかった
それほど眩しい光でもないのに
それでも見ようとつとめた
何を見ていたというの ....
僕ら
ちっとも大人になれやしない
これっぽっちのアルコール
においだけで
ふわふわと
漂っていた
ただ酔っていた
上着で頭をすっぽりと隠して、いかにも雨宿りでもするといった格好で
玄関に立つ泥棒たち二人。一方の男が合図を送り、もう一方の男が
捲れかけた網戸を気に食わなさそうに蹴破り進入する。そして、
はじま ....
テストの端に付けた
小さな丸の中だけが
やけにリアルに見えて
目を逸らした、あの日
飛び交うチョークの粉と
女子高生の猥談の側で
僕は、サナギになる準備を
早々に始めていた
....
あなたのなかをふるあめが
あなたのまつげをゆらして
あなたのなかをふるゆきが
くちびるをふるわせるとき
ぼくはあなたのてにふれて
ちいさくなみうつおと
ちいさくはじけるおと
あま ....
強く蹴ると高く昇つて弾じけた
砂利道をざくざくと、ざくざくと
街灯の暗きままに月は明かりて、
仰げば君も見やるらむ空はきらぎらし
月のやうに日の沈むまま、夜もすがらあふとも飽かぬ、光をくれ
....
4458 4459 4460 4461 4462 4463 4464 4465 4466 4467 4468 4469 4470 4471 4472 4473 4474 4475 4476 4477 4478 4479 4480 4481 4482 4483 4484 4485 4486 4487 4488 4489 4490 4491 4492 4493 4494 4495 4496 4497 4498
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