視界に入った
地面の上の
{ルビ蟷螂=かまきり}に
思わず急ブレーキを握り
ペダルを止める
足元に
身じろぎもせず
老兵のように
土色に身を溶かした
秋の蟷螂
....
【こころいき】
映画のチケットを買おうと
列に並ぶ私の前に
「心意気」が割り込んできた
実にけしからんことである
文句を言おうとして
口を開きかけた私を
「心意気」は睨みつけてくる
鼻 ....
大きくなったら
船乗りになるんだ
ぼくだけの船を持つんだ
風のない日にも走れるように
小さなモーターをつけて
七つの海を渡って
港から港へ
島から島へ
もし無人島にたど ....
人生を空虚なまま終わらせたくない欲望
どんなクズ人間でも持っている純粋な野望の奇跡の復活を求めて
真っ白い砂で作られた教会に行ってみたら
醜悪な面の者も漏れなく家族連れ
走り回る子供たち 注意 ....
水が、渇いていく
いのちある喉から
光陰の{ルビ嗄=か}れる
か細く陽光に
反射する雲へ
終ぞ
逃れられぬ影を傾きつづける
静寂の光
水涯にたたずみ咲いている睡眠
絶大な ....
まだひらがなしかよめなかったころ
ちちのうんてんするくるまのなか
さかみちのうえで
たくさんのくるまが
なかよくえがいてた
てーるらんぷのりぼんにあこがれ
ぼくもな ....
柔らかく重なる
雲の色彩は
思う
あなたの
帆走する
今を、未来を
かすかに拓かれる
澄んだみずいろは
呼吸
わたしの
アクアリウム
泡よ、せつなよ
いつのまにか、ふた ....
それはいつもと変わらぬ朝
変わっていたのは
あなたと
わたしの
気持ちだけ
確かに
二人は
愛を交 ....
あの日 小指から力なく垂れ下がった一本の赤い糸
小さくぷつんと切れた音が 本当に聞こえたんだ
小指から伸びた赤い糸は 君と一生結ばれて解けないものだと思っていたのに
そのとき わたしは気づい ....
寝過ごした朝。
きまって天気は快晴である。
乗り過ごした電車。
溜息だけが運ばれてゆく。
今日という日は、いつも訪れるのが遅すぎる。
与えられた時間は有限
そう
産道から引き離された時から決まっている
二度と
母体に戻ることはできない
有限の砂が
流れ始める
そうしてあれや、これや
娯楽
勉強
仕事
そ ....
071108
導いてから殺す
それとも
殺してから導く
君は
どちらがお好みかと
死神に
問われているが
まだ生きていたいと答えたら
かってにし ....
1.
ハイスクール・ボーイなりの事情でひきのばしたまま、と、自身の怠惰らしき怠惰な事情を知りつくしたまま、で、まったくアップテンポな27歳その年にして彼は、初めて煙草を口にした結果かどう ....
嘘だと思いますか。
私が今夜あなたを想っていることを
嘘だと思いますか。
私が本当は彼を想っていなかったことを
嘘だと思いますか。
私は、嘘だと思います。
いえ、思いたいのです ....
***
だから
まず
そういう一年だったのだと
あえて
濃いめのカラーで
かざることにします
あとは
ほんのすこしだけ
ぼくを
行方不明にしておきます
....
私には心が二つある
一つは己自身を意識する心
一つは周りを意識する心
どちらが欠けてもいけない
私ではなくなってしまう
あの太陽も己を意識し、周りの星を意識しているのであろう
己が崩れぬよ ....
さぁ、耐えねばならぬ季節がくる
木々は余計な葉を落とし
迫り来る冷たい冬に
まるで清楚なクリスチャンが祈るように
凛として空を仰ぐ
煌きが冴える季節でもある
人々は暖炉あ ....
071105
水色の流れの中を走るのは
走る顔をした顔をした顔は
風の滴る汗も気にしない顔
夕焼けの冷汗三斗を量る顔
物部守屋の乱暴狼藉を語い
五街 ....
おい!子羊
哀れな子羊
振り返ったお前
そうお前の事だ
おう!羊 子羊 羊 羊 糞羊
俺が思い描いていた最悪のシナリオが
現実になりやがった
最強であって最悪と呼べる ....
今の自分とは違う場所に未来の僕がいるのか
今の自分のムコウガワに僕がいるのか
とりあえず目の回る生活の中で
一般論は別にして
人間大砲で吹っ飛ばされてやっと行ける自分に会いたい ....
君は凄く不器用で
僕の手を借りなきゃ左手の爪も上手く切れないような娘だった
だけど不思議なくらいこころに届く微笑みを所有していて
触れると指先からラベンダーの香りが流れ込むような娘だ ....
全てを、そう
寂しさで塗り固めて
寂しさに囲まれて
生きていたら
いつかしか
寂しいなんて感情は
消えるのだろうか
ひ ....
黒山羊がゆく
とだえることのない
長い列
めえめえ鳴きながら
とぼとぼと
山のほうへと歩いてゆく
瞬きをする音さえも
聞こえる程の静寂
灯りが 燈された
不眠症の人間の 寝室
あなたは
机に向かい
一心不乱にモノを
書き綴る
その指は文字に塗れ
あたしは
ベッド ....
空の上に 空が あるなら そこは きっと あなたの 空でしょう
ランドサットの 青い圏
ぴえろ・ぎゃろっぷ の空
きょう 望む 晴れた 空は 青が 深い と
かなしい です ひたすらに ....
この世界は
よくある話ばかりだけれど
その魔法がかかれば
ミステリアスなものになっちまう
勝手なもんだよな、こころって
胸のあたりを腫らして
この世界にあふれた ....
砂へ溶かしてしまいたい喪失
止まればいいのにと外へ向けて口にした
嘘はそれだけ
胸に詰まる、喉の内側の感情
あなたが噛み砕いてくれたらいいのに
出口を見つけられず入り口から戻っ ....
寝転んで見上げた天井に
どきどきできたらたいしたもんだ。
泣きたいくらいのどきどきに
金属バットで空振るときに
目は閉じたままでいいのか?
俺たちは ....
どてかぼちゃ どてかぼちゃ ぼくは ぼくは どてかぼちゃ
ぼーくーはー どてかぼちゃ みた目はわるいが
なーかみーは うーまいぞ こーゆいあーじー
じっくりとー そだーってー きーたんだーよー ....
きゅうくつなくつぬいで
にんげんせかいからぬけだす
ひとのよははかなきものだから
とりやさかなのやうになりたくて
きゅうくつなふくぬいで
はだ ....
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