風が鳴る
凍える魂を
ひき連れ去る寒月を
湾曲する星夜の岸を
鋭く細く鳴っている
{ルビ居炉裏端=いろりばた}の数え歌は
今宵も尽きることはなく
月影の枝が
障子に透けて心細くゆれ ....
情念を全て注いで
90円の切手貼り付けて
何処へ行くのか
気味の悪いただの紙切れ
跳び箱の隙間から覗いた
開いて閉じるだけの世界だった
見てしまった
ただの成れの果て ....
口元を汚して
咀嚼はよく出来ましたか?
何度も何度も
歯茎から血が滲むのも気にせずに
何度も何度も
大事に忘れないようにと
何度も何度も何度も何度も
可哀相に
そう ....
生きていれば
どこかできっと会えるよ
たとえ消えたとしても
その内あっちで会えるはずだよ
僕も
君も
ただ
慎ましく包まれて
細い二本の指先で
互いを汚すだ ....
涙を流す朝も
栄光に歓喜する夜も
時が全部洗い流すだろう
道路に落ちたセーター
片足だけのくつ
ブルーがつよすぎてこまる
町では
たくさんの
自転車が
倒れてる
BBSは
宗教戦争に負けて
家を飛び出した
おれは借 ....
ああ
あの時隣に君が居れば
あの時傍に君が居れば
あの時こうして手を繋いでれば
あの時こうして言ってくれれば
全て全てを
滑って滑って
遠くまで
君と僕を遠くまで
連れ出して行け ....
あたしには明日が無いから
あの子のために祈って欲しい
天国は無いって 解ったつもり
朝が来る前には消えてしまいたい
スプーン一杯の絶望を
紅茶に溶かして甘くする
眠れない夜
....
それでも
優しい歌を
優しく、歌えるようになりたくて
手に取った十年前の手紙を
そっと引き出しに戻した
単純なことを
回りくどくする
それについては、僕らは天才で
ついにここま ....
夕刻
街に初雪が舞いました、そして23時の空には
輝くオリオン
long time no see!
数年前
雪に覆われて色をうしなった冬の真ん中で
バスでのうたた寝が災いし
予 ....
どうしてあんなに楽しかったのか
もう思い出せない
青空
柿の木
白い雲
板の間から見上げた
空気のことを覚えている
ちょっと冷たくて
遠くで
バイパスを走る車の音が
聞こえた
....
在るのは裸の身体だけ
愛されることの亡い裸体
持て余し自慰行為に溺れ
その声に驚愕し絶望し落胆する
脱力した身体を毛布に包み
無理矢理眠りに沈み込む
愛欲を押し出せば何か変わるだろうか
....
夜を媒介する。私たちはためされてはかられて、いまこ
こにいる。あるいは朝を、また昼を媒介して、私たちの
心身が伝導体となって、少しずつ接触していく。私たち
が味わう陽気や狂気も、ひとつの通りすぎ ....
空っぽの井戸にバケツをほうり込む少女。
背後の鉄塔は風見鶏さながら―目撃者でもある、
目医者の男が言う。
「どっちを向いていてもかまわないよ。
指をさしてくれればいい。」
その日、言われた ....
ターン
折り返し地点は
とうに過ぎていて
見上げれば
ゴールはそのまま
始まりの場所
そうか
そうなんだね
恋というマラソンは
そのまま
スタートラインに倒れこむこと
....
1
また、やってきた
あの苦しみが
たった一人きりでいるときに襲ってくる
不安と恐怖が
心臓は早鐘のように脈打ち
呼吸は荒波のように激しい
それらの根幹は
「孤独」にある
それがなぜ ....
ちいさな雲を
いちまい、いちまい、風が縫って
空に真っ白な衣を着せている
あそこへ往くの?
問いかけても
もう動かない唇は冷たく
ひかれた紅の赤さだけが
今のあなたとわたしの今を
....
どういう自分になりたいか
頭痛の中で考えた
それはやはりなんと言っても
他人(ひと)のための人になりたい
見返りなんぞは求めずに
ただただ他人(ひと)の役にたちたい
そのそのためにまず最初 ....
エホバの女史が冊子を投げ入れ笑顔を覗かせたのです
「私は神を信じていませんが、いるかもしれないしいないかもしれないです」
それを聞くと彼女は深い口をちらつかせまし
た
たた
たたた
....
見方を変えるとね、
しかくが、まあるく。
まあるいのが、さんかくに。
さんかくだって、しかくく。
いつだって、《ヒトツ》じゃないんだ。
だからわたしは、前を向いて歩きだすよ。
....
僕はひとりになるために
金属に なってみた
僕はひとりになるために
光沢をみんなに 自慢してみせた
僕はひとりになるために
なめらかな感触に 飛び込んで行った
いろんな人のざわめきが聞 ....
[六月の午後の雷雨]
放課後/定時/時折
石造りの教会に足を運ぶ
窓に打ちつける激しい雨
外ではまだ幼い葉が風雨に圧され
ぐっしょりと頭を傾げていた
それを見て
窓際でしゃがみこんだ ....
僕は岩だ
話すことができない
たとえそばにいる君でも
本当は一緒に笑いたいのに
一緒に泣きたいのに
一緒に励ましあいたいのに
言いたいことはたくさんあるのに
それらは口に出せない
僕は ....
目を瞑ればすべてが見える
心のどこで私が叫んでいるのか
目を開けばすべてが見える
あなたがどこで呼んでいるのか
世界はすべてを含んでいる
今この瞬間も あのときの永遠も
これから始 ....
{画像=080420115727.jpg}
暖かい色
冷たい色
色々あるけど、
何色が好き?
ぼくはダイダイ色。
暖かくて何か期待させる色。
晩秋の夕暮れこれから寒くなる時のマフラー。
....
とくべつなことなんて なんにもないのですね
きみはいつもあのこと あるいたりはなしたり
オレンジの路地でビールを二缶買って
ビニール袋を下げ 家路につく
毎日、毎日・・・
どうってこ ....
目の前をまやかしが通り過ぎる
風よりも音よりも
僕の瞬きよりも速く
それはストロボのように断続的に
僕の網膜に焼き付いて
意識は360度の振れ幅でひっくり返る
もっと駆け巡って ....
何となく過ごしても
有意義に過ごしても
一日は一日
鳩を眺めていました
高さもまちまちの
ビル達が
空と雲を
メルカトル図法で切り取る
街の公園で
鳩を眺めていました
臙脂色の
....
手すりにつかまる
手すりのある国に生まれて
偶然とか必然とか
都合のよい言葉で
意識が今ここにある
手すりに指紋をつけた日があり
手すりの指紋を消した日がある
好んで手すりの話をしたこと ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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