とある復活祭の朝
石臼の歯ぎしりがごりごりと響く工房にて
くるみの近衛兵が殻から脳みそを無造作にえぐり出していた
傍らの国営テレビは再放送のヨダレを垂れ流し
ただぽかんと口を開けたグランマと
....
其処程には
私の死体がいるはずだ
同時に生まれてる
其処程は
空より広く海より深い
死体は時間の階段を昇る
其処程とは
もう横町を曲がったあたり
私と抱き合った瞬間
彼は ....
テレビのわたしが
わたしと主張する
なんだとお
見ているのもわたし
わたしだ
二人称三人称など
ついでに言うと一人称も
何処にもないない
あるのはわたし
わたしだ
わたしの ....
どう見てもセブンだったコインランドリー
セリアになった文教堂
跡形もなく消えたケンタッキー
街の記憶ではない
私の記憶である
誰にも譲ることのできない
私の記憶である
市営住宅の ....
ひかり、在り
暗がりに射し込む
ひかり、在り
朝の静寂に包まれながら
僕は大きく息をする
昨日と同じように
一昨日と同じように
繰り返す日々を掲げ持ち
また新たな一日を掴み取る
....
馬鹿につける薬をください
それは優しさなのか
厳しさなのか
完治してしまう前に
同じ轍を踏む俺に
ビームに混ぜてあいつにも届けるから
その光が射しこむことに ....
切り傷はアンダーラインでしかない
無数の 傷を追うアンダーラインを皮膚に蓄積して 一つのすべての闇の
表面の奥行きに群がり
わたしが吐く息の端に止まる
静けさ
(
白、それ ....
傘立て
なずな
格子戸
本物となにも変わりがなければ
にせものに対する嫌悪はどこから来るだろう
本当はにせものであることを憎めなくなっている
火星へ昇る体力がない
もうとっくに気づいていた、おれは
おれはおれのにせ ....
二〇二〇年四月一日 「論理詩」
①は②である。
②は③である。
③は①ではない。
二〇二〇年四月二日 「論理詩」
①は②より醜い。
②は③より醜い。
③は①より醜 ....
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の奥処に蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく
西の空が
....
春だというのに雪が降る
それはあの年もそうだった
杏子はミニスカートが似合わなかった
三編みも似合わなかった
セーラー服なんて好きじゃなかった
それでも制服を来ないという選択肢は
彼女自身 ....
煙草が無いと無理だとか
ビールが美味いとか
スイーツ カ ....
かつてのうちに はなをくさらす みは
たがえたよるに、ひとしく かぞえる
どなたさまも 草る程 ありうるように
ゆらめきだす、洒落た環状を巡る。
....
{引用=眩暈と共に溶け出してゆく人生}
掌には四月の切れ端
黄金の週は鉛色の空の下
薄紅の花びらが前を横切って行く
時間は夜から型崩れを起こし
意識はカタツムリのよう
低く低く底を這ってい ....
飛び込んできた真実を避けることが出来ず
飲み込まれてしまうのです
真実ほど扱いにくいものはありません
取り扱いは最大限注意です
聞かなければよかった
見な ....
救世主で最後のジャーパの王である
タマンキは
弟子たちを連れて
黒海沿岸を北上し
ウスグライネ国に到着された
しかし、ウスグライネは
チャイルド44の舞台になった国だという
理由で隣国の ....
濡れた火
燃える水
僕らはあまりにも
性急に夢を見すぎた
僕らとは誰なのか
僕らは今どこにいるのか
たしかめようともしないまま
だからそこに出来たのは
はじめから廃墟だった
....
憔悴しきっている、ラゴスとクールラントの兵とは違って、
アースランテの軍勢は活気に満ちていた。何より、
首都から二万の援軍が到着するというのである。
これは、ラゴスという国家を一網打尽にするチャ ....
戦いの場においては、一分一秒の判断の差が、
生死や勝敗を左右することがある。「今がその時だ」と、
アースランテの総司令官エリス・ガザンデは思った。
多重結界を目にして、あれは何かの罠ではないかと ....
「あなた。祭祀クーラス様からの伝令が参っております」
クシュリー・クリスティナは、臍を噛んでいるエイソスに言った。
「何。伝令だと? どのような内容なのだ?」
「それは分かりません。書類を託され ....
いつもの
川ぞいのみちを
いつもの
サウナスーツをきて
ふらふらはしっていると、
むこうから
春が
じてんしゃをこいで
もこもこ
やってきた。
もこもこ
も ....
キミはプレーンヨーグルトの表面を步く
昔、鏡の姉妹であった
かのように
飛來せよ、龜戶以外に
戀はドタバタなのだから
鱶が{ルビ輪=Ring}になる ....
トンネル
信心
夕暮れ
答えはない
ただ大いなる問いがある
それは私を焼き尽くすかも知れない
しかしそれがやがては
大いなる答えを
大空に響き渡らせるだろう
春先の冷たい駐車場の中で一人
僕は缶コーヒーを手に自販機から戻ってくるのだ
ドアを閉めて口にする 缶コーヒーを手に そして
聞いている 同じ ラジオからのCMを
友達は今でも大学に通ってい ....
突破していく
日々の翳りを
うねる海原をひかる峰を
広々と見渡し
凋落する時間には目もくれず
この虚ろな日々に
我ら完璧な新参もの
きらきら光る美しい音楽が聴こえて来て
気分はゆっ ....
「先生、人間が生きるために
必要なものは二つあるのに
なぜ心臓は一つだけなのですか?」
「確かに、キミなぜそんな疑問を持ったの?」
「いや、二つあれば生存率は上がるのになと」
「確か ....
空、気持ちよく晴れ上がり
熱、程よく対流し
風、絶え間なく吹き抜けて
この黄金色の一日を
初めて出逢う照り返しを
(浮き上がるような光景を)
胸高鳴り高揚し
奇跡の取得に傾いて
....
人は
人として経験すべきことを
経験して
初めて成長する
誰かを好きになって
振られたり
誰かに好きになられて
恋人になったり
仕事に就いて
成功したり失敗したり
結婚して子ど ....
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