冬の初めの匂いが好きで
朝早くから窓を開ける。
濡れたアスファルトは
夏のそれみたいに指で後がつくほど柔らかくある筈もなくて
ねえ、今沈んだような気がする
そういって
夏のアスファ ....
真っ白な
雲の向こうに見えた君の笑顔は
いつの間にかぼんやりとぼやけていく
夢の向こうの向こう側
机の上に突っ伏して
開いた教科書の中にいる
ふてぶてしい男の顔には ....
まただ。―別れ際の挨拶に、
握手をするもんじゃない。
居心地のいい部屋を出て行く時と同じ。
ドアノブから手を離せなくなる。そして、
僅かながらにあいた扉の隙間をすり抜け、
部屋の中へと鼠がか ....
さようなら
この世を去るには完結過ぎる言葉か
あいさつでもあるこの言葉を永遠の別れのときにも使えてしまう
使い古された、使い古されてもなお新鮮な
この言葉は、私の旅立ちの言葉で ....
星の輝きを見ながら
…故郷を出て三年
都会で暮らす私
汚れた手と心
破れた約束と地図
消えた友と愛
色んなものが私に触れ
そして…別れも言わず去っていった
....
私が私を感じなければ
ここには誰がいることになるのか
体内には一人分の意志しかない
自分で自分に触れるとき
誰かの手が触れるときのように
鼓動が跳ねることは無い
手が叩く音は
壁を越 ....
ニュージーランドに旅立つという女に、
友人は読みかけの本を渡した。背表紙の裏に、
その日の日付を書き込んだ。そしてぼくらは
傘をさしていたっけ。雨があがった後は、
マンホールの蓋をつついて歩い ....
ドロにまみれたい夜がある
トカゲの尻尾のように断続的でない
何か
孫に殺されたジイサンたちは
地獄でどうしてるんでしょうね
知らないおじさんに殺された少女たちも
地獄でどうやってるんでしょう
バイトでもやってるんだろうか
おれが大声出したから十トン ....
ああ もう
一日中だって眺めていてえよ
かわいて固まっちまった顔料みたいなあいつら
初めは 水のようだったのになあ
ごまかし にせがおづくりに躍起になって
おれはかな ....
二時間の残業があったけれど
あっという間に仕事が終った
電車の手すりにつかまりながら
早く帰りたい
早く帰りたい
と、ずっと思っていた
帰り道のほうが長かった
このまま別の場所に
連れ ....
君の産まれたその訳を
探す旅がこの人生と
果たして誰が言ったのだろう
黄色い砂場で
硝子片を散りばめた
掌の嫉妬
欲深い"愛してる"
メランコ ....
都会と文化
自分と恐怖
肉体からの忘却
錆びついた魂
這いつくばる
青空
ただ深呼吸
ただ深呼吸
空しく
悲しいけど
実力は
ただ深呼吸
時代が変わろうと
君を追い続ける
....
夕暮れが泣いているのだろう
高台から見渡す街の灯が
救いが無いほど光って見える
大勢のひとりが積み重なって作られた明かりだ
しばらく茫然とそれを眺めた後で
僕はただ静かに下りていく
....
{画像=080513015507.jpg}
伝わらないコトバ
届かない心
許されていると思いたい自分
孤独
弱さ
持て余す自分自身を鼻で笑い飛ばそう
りんごを食べたら
なつかしい故郷の味がした
と言ってはみたものの
この街で生まれ
この街で育ったから
故郷らしい故郷なんてどこにも無いんだけど
でも、不思議なんだよね
ひとくちか ....
これは現実ではないの
片側6車線
あなたが飛ばすローバー
もう別れましょう?
あなたのために
女をすることに疲れたの
もう
ひとりで眠りたい
きれいでいたいの
幻想を保ってい ....
お前はもう、モテている
そして俺もモテている
俺たちはスターだ ブサイクだけどスターだ
だっていつも追っかけられてるじゃないか
日々いろんな事に。
いや〜モテる男はつらいよ と言っても寅さん ....
あなたについては謎を解かないことにしました
というありきたりの結論に達してしまって、
そう、怖いから逃げるのです
あなたとは喧嘩してしまうか、ずっとこのままなのでしょう
....
わたしは男の帰りを待つ。
待つ時間こそわたしを
存在させる。
つまり待つことによってわたしは
男への愛情を確認している。
しかしそのことを誰にも悟られたくない。
そのため日常の動作は速く ....
。。。。。。。。。。。。。。。
嗚呼ぶっ壊れっ!!このヤラウ とか
時々ドキドキ思っちゃったりして
常軌逸Θ行動とって
御尻ペンペンされるのです
....
逆さまのロースター白いダイヤで突き刺して
ほころびたその羽でマフラーを一つ編んでいく
凍えたままのブランコが君の指の間をすり抜けて
赤い茨は楽しそうに青い棘だけ引き裂いた
西部の小洒落 ....
あなたがいないことが普通だった日
あなたがいることが特別だった日
あなたがいることが普通だった日
あなたがいないことが特別だった日
なぜ そんなにも突然に
優しい言葉を呟いて
優しい顔をしているの
いつものあなたのはずなのに
どうしてわたしはどきどきするの
あなたの言葉は呪文だ
あなたのくちづけは魔法だ
肩越しの ....
無愛想に噛んでいるガムは
世の中つまんないの印
薄汚れたジージャン
色抜けた黒ジーンズ
髪の赤いのは生まれつきでも
やっぱり笑えるほど愉快でもない
泣き出しそうな坊やにだけ
ひらひら ....
通り過ぎた日々
忘れられない想い
通り過ぎた人々
喪失感だけを置いて
通り過ぎた誓い
時間と共に脆く儚く消えた
通り過ぎた衝動
この手ではなにも…何も掴めなかった
通り ....
注ぎ込まれて
無味と無臭の飲み物
ガラスコップの水は
器 照明にはえて
注がれた 聖な液体 みず
私の息づかいを飲み込んで
円筒形を保って
今 筆の勢いはテーブルを揺らし ....
神様がくれた隠し事に
毎日悩んでは忘れていく
何を焦っているのか
やたらと派手な飛行機が
どうしようもない青空に直線を引いて
もしもそれがチャックみたいに開いたら
想像できるのは人 ....
私の家族は四人だと
一瞬思ってしまった
もう父はいないのに…
母、弟、三匹の猫、そして私
それが今の家族構成
母は料理がうまくて
とても頭のいい人で
要領もよく
五〇 ....
夜明け前の校庭で
父が賞状を受け取る練習をしている
もう賞状なんて
誰からももらえるはずないのに
ひとつひとつの段取りを
生真面目に確認している
毎日この時間になると
不自由になっ ....
4400 4401 4402 4403 4404 4405 4406 4407 4408 4409 4410 4411 4412 4413 4414 4415 4416 4417 4418 4419 4420 4421 4422 4423 4424 4425 4426 4427 4428 4429 4430 4431 4432 4433 4434 4435 4436 4437 4438 4439 4440
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.66sec.