夜明け前
海を望む寂れた町の小さな駅から
各駅停車の その車両は出発する
ゆっくりと少しずつ 速度を早めながら
私の全てとも言える寂れた町から遠ざかっていく
流れる景色が一定の早さで ....
龍の影を追う
内奥の土地で
龍の姿が見え隠れする
胸中の宮で
意味深に
瞳 輝かし
深く 遠く
私を導くがごとき仕草
妖艶の煌き
白龍の娘よ
下弦の弱い ....
雨が
ふると
おまえは
泣く
冷たい
シタイを
抱いて
泣く
柔肌に
食い込む
褐色の
夢
砂漠で
迷子
引きずった
跡
だけ
追いかけて
死んだ
焼 ....
リアリティを損なった青春と
お金と服と安い性器
ふるえたのは端末化したぼく
薄くなったまぶたを伏せて応答する
欲しいのは ....
空気は凍えて
呼吸がなんとなく苦しくなる
聞こえるかな
肋骨の内側をこする音
人は温もりを求めてるみたいだね
一人でいることに震えていて怯えていて
でも冬に生まれた僕はそれを知っていて ....
君は
よわくて
その選択は正しい
うまく隠れすぎて、呻く
君の声が聞こえたときには遅かったのだね、そして
そうさせたのはたぶん私だ
君は
わがままで
その選択は正しい
魔 ....
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今日もまた、
塗り込められた暗闇の中に、
言葉の波間に漂い、
わたしは浮かんでいる。
不安定で
不安で
泣きたくだってなるのだけれど、
それ ....
あなたと箱根に行ったのは
もう何年前になったでしかょうか?
あのときはシーズンオフだったから
観光客も少なくて
とても楽しい旅でした
おいしいお蕎麦を食べて
バスのなくなった山道を
ひた ....
昨日、往きすぎた駅――
マイホームは地図に載ってない。 )))
疲れ果てた大勢の人たちが、
十二月の憂鬱なプラットホームで
蜜柑の載った赤外線炬燵と
逃げ場のない積みあげた日々の
....
伝えたい言葉、三つ
時計の針が四周
五番目の夜明けに
やっと呼吸を思い出した
四番目の夕暮れには
もう気付いていたんだ
じっと眼を瞑って
イヤホン越しの君の悲鳴をただただ噛み砕くこと ....
飛行機はスランプだった
最近どうも離陸が上手くいかない
Uターンして少しずつ速度を上げて
真っ直ぐに走りぬけて
いざ浮かん
さあ今こそ
ほら
気ばかりが
浮いて沈んで抜けていく
....
プラタナスの高い梢の先で
まるい種子が揺れている
風の匂いが蒼くあるのは冬しるし
澄み渡る空気に月は銀色に光る
耳をすませば
眠る者たちの息づかいまでもが
聞こえてきそうな静寂
まだ ....
明るい電灯
空の屋根
ここの支柱は
いくつも伸びる電話線さ
こんなことをそのとき書き付ければいいのに
今になって思い出してる
電灯に照らされた様々な顔を持つ銀杏の木
その落葉が生まれ ....
ねこって可愛い
飼いねこは飼いねこらしく
ノラねこはノラねこらしい顔しているよ
やっぱし育ちなのかな
ひとに媚びるのうまい飼いねこがいて
いじらしいほどノラなねこがいる
そんなねこって
....
めんどくさい自分を乗り越えて
まだそいつとうまくやれないなら
今は縁がないんだよ
この世の果てまでぶっとばせ
群青色の空にほうき星ながれて
きっと今夜は眠れるさ。
オナるのにも飽きたし
少しだけ眠ろうか
少しだけ
ミドリの狂気に包まれ
反吐が出るぜ
最悪だ、俺
転がったチリ紙で
鼻をかむ
くせえ
最悪だ、俺
頭ん中は真 ....
たまご
雨の日に
雲の、目をみはる
ながれの速さに
あかされる
ミルクの皮膜を
くすりゆびに
掛けて
あたたかいのは
どうして
どのように
熱せられた ....
おれんぢ が
世界を闇に貶める
透明、
水温の上昇
どうにでもなれ と
絶望したふりして
カプセルの中で
小指の甘皮になる
テトラ、
薄い呼 ....
{画像=110417031345.jpg}
ぼくは空が好きだ。
抜けるような青い空が好きだ。
白く暗い雨の日の空が好きだ。
降り積む雪に朧に見えない空が好きだ。
日本 ....
くじらはどこかと
島が問う
空をよこぎる鳥の背中も
きっとだれかは
島と呼ぶから
雨は
もうじき
降るだろう
あまつぶは
ふね
乗るも乗らぬも
う ....
つながっていたい
臆病な 僕は
ひとり
歌を 口ずさむ
気づいて ほしい
ひとりよがり で
身勝手な
僕 は
君の
あたた ....
混みあう電車のなかに
何もわからぬ少年が
瞳を閉じた
父の両手につつまれている
車窓の外は
今日という日を照らす
太陽を背に
一羽の{ルビ鳶=とび}の黒影が
翼を広げ ....
あぁ風が心地好い
明るい声が遠くで呼んでいる
何の不自由もない
(自由もないけれど)
何の傷害もない
(衝動もないけれど)
子供達も元気に駆けている
今日はなんと好い天気なのだろ ....
{引用=
***
}
夜行にならんで鳥が飛ぶ
たれかが射落とそうとして
きりりとしている
明けに向かって火球が
火走る
{引用=
***
}
しらないか、しらないか
みっか憑く ....
ありがとうを言い忘れて
今日もぼんやり青空を見る
さようならが言えなくて
今日もぼんやり夜空を見る
君に伝えたい
コト
いっぱいあるんだ
明日の朝
誰もいない原っぱで
手 ....
薄皮いちまいの寒さだ
まだすこし暗くて
クルマのライトで
まえを照らして走った
秘密ばかり取りつくろう
見えないもの馬鹿にして
薄皮いちまいの寒さだ
....
擦り切れて
麻痺した感じが素敵なわけです
脳内の中で躍ることができるバレリーナ
夜通しサメザメと笑える姿を鏡で見ました
世界の美しさに魅了されて
僕は両目を塞ぎます
失くすことな ....
とうりゃんせ と唄われた
神社の裏手
一本の老樹が
わずかに肩をいからせながら
両手を広げ
しどけなく枝先を垂らす
関所と謂われたこの地で
何のためらいもなく
敷きつめられた白 ....
封筒をあけて
君から届いた手紙を開くと
薄紫色の蝶が
ひらひらと
飛び立っていった
拝啓
それから
空白
君も僕も
本当に伝えたいことを
伝えるための
正しい言葉を持って ....
未来への現実的な不安と
矮小でそれでいて強固な無知の塊
それと あの娘のスカートの中の世界が
十四の僕のすべてだった
鼻がもげるような春の異臭は
....
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