数日。
饂飩と餃子と麦酒だけで生活する。
夜更け。
帰ってきたら真っ先にうがいをした。
粗々と水が舌の上で跳ね、粘りを奪い尽くしてゆく。
病魔が、私の身体を狙っているのかと疑 ....
水の中に両手を
そっと差し入れ
泳ぐ魚の影を
そのくねりを
掬ってみたいと
思うのです
光と私はいつでも
とても遠い場所で
落ち合うけれど
必ずまた会えることを
知っています
....
ねえ
人なんか頼っちゃいけない
たぶん
あの人もこの人も
朝になればすり抜けていく
猫みたいなものなんだから
雨みたいに降っている
落葉をいつまでも見ていたよ
いつになったら止むの ....
理由はありません、っていう理由について
もう少しやさしくあれたら、
と思うんだ
さびしい時刻が生え出したのは
ぼくの、背骨を笑う
星のした
だ ....
君の予定に合わせられるように
いつも真っ白なぼくの手帳
12月から1月へ
少しずつさかのぼると
いくつか君と会ったしるしがある
君のとなりで笑っている事が
ぼくのし ....
もう何も怖いことなど無いのだよ
風になって
雲を踏んで
好きな場所で寝転べれるよ
光の条が覚束なくて
ぽんぽん淋しげなのは
人間らしく生きてきたからだよ
じき慣れるよ
できるこ ....
まっくろな空のした 愛しあった 右手はどこか遠くを指差して おまえはそこで止まったね
ろうそくを立てよう かまくらのなかで 灯ともしたら ぜんぶ溶けてしまうよ あれもこれも、もっと先まで
あっ ....
嘘でできたケーキ
踊り場を転がり回る
黒い涙で窓を塗り潰した
折れたハートに突き刺さったスペード
錆び付いたら別に欲しくもない
紫に色づく季節の花
手紙を添えて空へと送る
騙し合うな ....
わたしの肩が
知らず知らずに
雪を溶かす、ということ
それは
もしかすると
物語ることを知らない
ほんとうの物語
容易には
何事も信じないけれど
疑うとなれば
....
真夜中
眠らないで
夜汽車の音を聴いてるの
羊が何匹飛んだって構わない
みんなが寝てるのに
ひとり起きてるのって
いい気持ち
あたしは
あたしを探す
どっかに置き忘れた
....
地下鉄の剥がれかかったサイン計画でいとも簡単に私は迷子になって
孤独に酔って人をビンで殴ってしまい簡単に割れた破片が人を壊して
しまっていて黄色いブロックに救われた盲者の白髪がはらりと落ちて
そ ....
ありがとう、と言うと
むねに少し雪のふるような
はかなくて、とけるとしゅんとなる
それはもうこのひとつに
わたしがさよならすることだから
ありがとう、この年
そして今日がすぎる
....
夜、月を見上げていると、誰かがのぞいていた。
ほんの少しの時間だけ、のぞいていたようだ。
僕に気付いて隠れたのか、僕は気配をうかがっていたけれど、それきり何も見えなかった。
月はながめればながめ ....
今日の自分を 忘れないようにしよう
今日の君を 忘れないようにしよう
どうしようもないほど 不幸だった昨日
どうしようもないほど 悲しかったあの日
明日がまた どんな不幸な日であったとしても
....
指で突いて倒れ始めたドミノに
切って配られるトランプの絵柄
外は薄紫に染め上げられていて
伏せられた今は
カタッ カタッ て
倒れる音だけが聞こえている
忙しいけどそれを理 ....
ひとつの世界を数多の人々が共有していて
あるいは 奪い合っていて
あるいは 独占しようとしていて
一日たりとも平和な日がない
常にどこかで何かが起きていて
あるいは 起こそうとしていて
....
わずかな凹凸が言葉をはじき
異なる言葉に積もり重なる
鳥やら 姫やら
肌やら 毒やら
木々のむこうをすぎる紙
たなびきは左へ
在るだけの音へ
まばたきのす ....
眠っていやしない
酔ってはいるけれど
聞いている 君の話しの続きだね
星が降って来ては 炭酸水のように消えてゆく話しや
星のとんがりが 山に刺さった話
聞いているよ ....
雪のなかに立ちつくし
あとからあとから降り続く雪片を待つ
そうして私を埋める白いせつなさよ
ぼんやりかすんだ空を見上げ何を待つのか
あとからあとから降り続く雪片を待つ
月の海 照らされ
踊る わたしとあなた
風
森
ざわめき
緑は 空に溶けて
青の水 あなたに落ちる
澄みわたる
わたしの心
そして
あなた ....
さらりさらさら、刻の砂
さらら、今日の出口は見つからず
さらり、昨日の砂は無い
時計のなかでは
あどけない頬が
片隅にほんのりと笑っており
記憶の岸辺に
くすくすと
無邪気な声 ....
牛蒡の唄
爺さんが
牛蒡の束から
一つだし
ポリッ ポリッと
かじる
どうしてかねと
訊ねると
俺の趣味さ
ほっといてくれ
お願いだから
菜っ葉肴に
爺さんが
....
あの草原を吹き抜ける風を追って
ぼくはここに来たんだ
五月雨に泣く空も
日照りに飢える田んぼも
ここにはなんでもあった
みつける度にぼくは「正」の一画を
壁に書き込んでいった
でもお ....
ちっこいきみがわらうと、おはながさく
あめの くらいにわに
ちっこいきみがかえってくると、
おはながさいて
やわらかくほほえむ
長いものに
巻かれている
巻かれたまま
雨にうたれている
門柱に汚れた表札
無い
と思う
年末の大掃除の
音と匂いが
街を満たす
そんなに好きなら
大掃除だけしていれば ....
たとえ
どんなに
傷ついても
心に鍵をかけないで
鍵はあなたを
閉じ込めるから
一人じゃなにも
できないから
心に鍵をかけて
塞ぎ込まないで
....
まぁやぁ 赤ちゃんて
こんな ちぃせぇもんじゃったけぇなぁ
玄孫の姿を
光の乏しくなった瞳でとらえ
しわだけの顔になって
ひいばあちゃんは言った
そして もう一度
同じ言葉を繰り返してか ....
夢の中な
もう このまま
毛布 包まったまま
静かに そっと 夢
の中で 永遠に なれた
――なら
キミのいない キミだけ
僕は そんな世界 で
どう遣って 喜び 見つけ
― ....
友は途中で
生き別れ
愛は彼方に
消えてった
親は居間で
垂れ流し
ここで
お前と
一騎打ち
涙はどこだ
無くなった
河に流れる
ブタのケツ
煤を被っ ....
それは、浅はかながら
艶めきを晒している
狂い踊る群衆の隅で
一心に
咲き誇ったまま
燃える
******
....
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