いつまでも迷っているのは
今にも耳もとで
判断を下す声を
待っているからだろうか
いつまでたっても
聞こえない声
求めても決して
訪れない ....
ごめんな
ヤスコ タエ ミツオ
ごめんな
ヤスコ 泣くなって
俺は不死身だ
正十二面の肉軆
は
横たわる
ゆるやかな黄土色の地形
その中心にいるのは誰?
ぼくら背後から目視した
逆さ吊りの蝸牛を埋葬する
その遠称風景
それは何であったか
ぼくは昨日の夢の ....
どこかに風がふいている
耳を澄まして
あなたは言った。
ほら、あの渓谷の流れに
風がほほえんでいる。
私たちの幸せは
どこかに眠っている
登り道ばかりつづくとき
あなたは言 ....
青い夜の蓋のうらには
蛸の鈍器のまなざし、がある
〈蛸の産卵は時に呪詛的な形態をもって行われる〉
乱立するぶどう房
三百人の子供が飛び出す
頚動脈を流れるコンデンスミルクのかおり
やが ....
クリスマスローズは薔薇じゃない
電飾まみれの、トウカエデが、
アオ、とミドリに照らされた、
噴水の、プールにも、映る。
ラッパを吹く天使たち、と、幼く
小さなトナカイたち、 ....
パキスタンで夜を抱くとき
アメリカオヴサザンでは冬がくる
レモンライスは固くなり
シーデリアカットではコナンがはじまる
ドゴリオールのメルヘンの音は
....
かなしみの
うたを
きく・
・ ・・・。
愛の言霊 生まれて きたのよ
と ....
あのとき あなたは どこへ きえた。
(パイレーツ否カビリアン)
夢と覚えし吾がキミよ
ああ、くづれゆく 世界
ああ、くづれゆく 人間
....
一晩中酔い潰れて目覚めた朝は
自分の愚かさが今更ながらに解ってしまって
ただただ 君のやさしさに甘えてしまう
ゴメンよ もう少し強くならなくちゃね
自分の生活にひと時も安らげずにいた
云いた ....
花の名前をひとつ忘れる
波の音が庭を巡る
部屋の空をひとつ名付ける
花が花をなぞる
目を閉じ 聴いている
指先へ指先を唱うかたち
羽の輪を呑み
誰もいない明る ....
あの日の君は それはたいそう 笑顔で
真冬だというのに
黒いシャツ1枚で立っていた
いや〜 寒いですね よく考えたら12月でしたね
って へらへら笑って言うから そのときわたしは
こ ....
彼女は未知の病気に冒された
彼女は未知の病気に冒された
ドクターは彼女の身体に触れようともしなかった
ドクターは彼女の身体に触れようともしなかった
彼は ....
停止線を越えたぼくの感情のかたまりが
きみの言葉で編まれたハンモックに絡め取られた
ぼくが自分の臆病さを知る頃にはすでに
第二の呟きが世界の水面に波紋を描く
....
無くしたのです
何を無くしたのかは
覚えていないけれど
無くしたのです
確かに私は無くしたのです
無くしたのです
無くしたものは判らないけれど
記憶 ....
ひと月に一遍ぐらいある、とても冴えた日。今日がそうだ。詩を書く気分にはならないのは、なにもかもが自明だから。こんな日はだれかと対話するのが良いだろう。小難しい話の輪郭もはっきりと見える。だまになった糸 ....
あ、あ
あ、
ハロー
足の指から上ってくる黒い小さな蠢きを今日も飽きずに殺してゆきます机のうえはいっぱいの黒い点点で埋め尽くされてそれらはつがいを求めて交接交配繁 ....
男は夜を潰し、
サンドバックを相手に
体を鍛えている。
胆となる マウスピース
噛み切れない沈黙―
琥珀色の教室の隅で
うずくまった
背中のよわい夕日が
一年後と
十年と
未来、のあいだに
消えてしまわないよう
お ....
君が僕の詩を待っている頃
僕は君の声を待っている
賑わう街では肩を擦らせながら
人々が振り返らずに先を急ぎ
増殖した三角ポールは
国道の硬いアスファルトを齧っている
橋を渡れば ....
未来は過去だ
そして
過去は未来だ
なんて言うと
歴史学者か何かと
思われるかもしれないが
ある時代を生きることのできる
人間の絶対量は決まっている
たとえば
西暦1969年生ま ....
嘲笑と自分で生み出した言葉の海の中で溺れて眠る
冷たい階段の踊り場で目を閉じて
眠る
通りすがりのブラザーが俺に聞いたんだ
「よォ兄弟、歌は好きかい?」って
だから俺は答えたんだ
「天 ....
薄いビル
民家
靄のかかった空気
嫌な匂いの雨上がり
吐瀉物
黄色い線の内側
ガム
看板
現実さえも
「そんなこと、あったっけ?」
嫌ね、忘れてしまうなんて
時の流れに負けてしまったかしら?
それとも新しいデータに支配されて
過去のデータはデリートされた?
....
タートルネックガール
毒殺ハニー
撲殺マドモアゼル
つんざめく夕立
ざわめく人たち
どよめく轍
サーカスはもう来ない
サンタクロースも
真新しい朝も
コンクリートの道でさえ眠って ....
いつか君の狂気が芽吹いて
僕の精巣から飛び出たら
君の子宮を突き抜けて
幾重もの肉壁を破って
栗の花を咲かせるだろうから
そうしたらお花見をしようよ
そのまま根を生やして
桜の木の下に眠 ....
五十五年前の
六月十三日に
タイムスリップ
ぼくはそこに
命を籠めにゆくんだ
この命を使うんだ
五十五年後の
六月十三日に
タイムスリップ
....
さよならってなんのためにあるのかな?
ばいばいってなんのためにあるのかな?
てをふるってなんのためにするのかな?
わかれってなんでいつもとつぜんなの?
てくのろじ ....
寒さが身体に凍みわたる頃になりますと
不思議と故郷を思い出します
わたしがそこで過ごした十八回の冬は
どれも特別に寒くはありませんでしたが
むかし むかしは雪が深い
それが当たり前だった土地 ....
僕
飛んじゃった
修学旅行が中止になった
からっぽのバスが雲の中で立ち往生
青空がね、
大き、すぎた、ね
もう写真を撮らなくていいね
顔を落とした40人の子供(せんし)たち
す ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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