俺は俺自身の問題と向き合うために
俺自身を破壊しながら進んでいこう
手ごろなサイズの
透明の瓶の中から
一番不安定な私を一人
選び出して
ピンセットで摘まみ出す。
自由になった筈の私は
瓶の外では生きていけない。
彼女が放り出されたのは
なにか ....
ぎらぎら太陽に照らされて
草はしぼんでしまうだろ
激しい雨が降ったなら
草は萎えてしまうだろ
空は草が好きだから
光や水をあげるのさ
花が咲くのが待ち遠しくて
....
昨日とは違った路地に入って
突き当たり
何度でも右にすすむ。
真っ黒な姿をした
自転車の二人組みが
通り過ぎて
背中に
なにか触れたような
気配、
振り返れば
真っ暗で戻る ....
受話器を逆さまにして
あの世と交信する
話すように聞き
聞くように話す
すると私は
あの世の人になる
受話器を置く
置き去りにされた
声とか相槌とか
もう思い出せない
....
いつか
目の前の少女が
いなくなる
そんな未来のことを
考えていた
少女は僕に
やさしく微笑んで
お似合いの白い帽子を
空高く飛ばした
落ちていく帽子を
目で追いながら
....
トゥウェンティ・ファイヴ、君はメリーだがぼくはトニーではない。風がくろい。メリーなのは雑踏で、豆電球がぼんやりと致している。ぼんやりと致している先のスーパーのレジ打ちさえメリーで、く ....
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
日が暮れて
烏が鳴いて
空にはまんまるなお月様
心の安定がやってくる
今年も
たくさん泣きました。
それ以上に
たくさん笑いました。
遠くにいるからわからないけど
どうか ....
別れの日から
どれだけの月日が流れても
私のなかの君は幼いままで
私の上に流れたのと
同じだけの時が流れたはずなのに
顔すらわからないような
今の君でさえ
ねえ、君に会いたい ....
やさしく緑をゆさぶる すこし舞い散る
澄んだ空気 とおりすぎてゆく すこし木漏れ日
駆けぬける ゆるやかな速度
視点は下段 大地に沿う
つちぼこりは少々 ちいさな花おはよう
森を抜 ....
自分が愛した相手への愛は
半分以上は自分への愛からでも
彼は彼が確認できる以上に 彼女は愛し
彼女は彼女が確認できる以上に 彼は愛している
彼は彼が示す以上に 彼女を ....
情緒に問題あり、と
言われた、三者面談で
帰り道、お母さんが
泣いていた、自転車の
荷台で、情緒の意味を
分かりかねていた
テンイヤーズオールド
西日のまぶしさだけ
息が詰まっ ....
あの木の下で
そっと見送った
雨の朝
花の香微かに震え
君はもう旅支度
紫の花びら蕾は北を指し
傘も持たず
歩き出す
投げかけた問いは
雨音に ....
薄着して
地下のパイプ椅子に座っています
怖すぎて
あのひとからの四日前のメールがひらけないマジで振られる五秒前なむさんだ
薄着して
横断歩道では冗談のように雪です
きっと風邪をひいて ....
化石になりたいのです
焼かれるよりも美しい布でくるまれるよりも私は化石になりたい
何百年、何千年という気が遠くなるような時間を
暗く冷たい土の中で眠りつづけます
そしていつか、
....
ここはいくつめの駅だろう
外では雪がやまないし
君はつま先をもてあまして
車内にころがる星屑を
蹴っ飛ばしたりなんかしている
君を胸に抱くまで
宇宙なんてしらなかった
僕はじぶん ....
星のように流れていく君たち
今夜はどこを目指していくの
それとも行く当ての無い旅なのか
いく当ても知らない旅なのか
星団を組んで東から西へ
誰かが君に願い事を託す
ここで君たちを見上げてい ....
壁打ちテニスが流行っていた
とある場所がある
心に描いたネットの向う側へと
誰もがひたすらにラケットを振った
放物線を描き跳ね返ってきた球を
時が経つのも忘れ打ち返した
街灯の明りを背 ....
地べたにぺたん、と
座る事が出来ないで
しゃがんでいます
空は霞
綺麗な心を忘れて
知らんぷり
ギターケースを背負って横切る人
本当の音楽を知っているでしょうか?
目の前に ....
むせかえる緑
森の深みで
一本の幹を背にすらりと立つ
わたしの頭の上にはもぎたての林檎
正面、幾重もの木々ごしに
とらえようとする鋭い矢尻が
抗う弓をキリキリと押しひらいてゆく、あな ....
もし彼女がさよならをいったなら
今の私は幸せだったでしょうか
もし私が出ていかなかったなら
あのときの彼女は今もいたでしょうか
もし、もし
ふたりがおわかれしなければ
....
美しくなった、本当に
美しくなった
成人を迎えるからだの中から
魂の
幼い部分だけ
すくい集めて
投げる
そこに生まれた空間が
やさしく
かたまったら
ほし
と名づけて
揺 ....
午前の安らかな居眠り
窓の風景が寒い冬枯れて
モノトーンの射し込む光に
アケビの橙が透視できる 窓に
うたた寝の前
布団をかぶり
空を呆然と見詰めて
表情のある天候と同期して
....
{引用=
灰となって春が舞い
けだるい光が夏を照らし
深いお辞儀のような秋が来て
桜のように冬が去る
あなたはいつも変わらずに
そこにある全てを慈しみ
琴のしらべに手を差し伸べて
....
ふるさとを求めて
旅が続く
転んでも泣かない
雨が降ってもくじけない
わたしは
おてんとさまとおかげさまの
ちょうどまんなかで
胸に棲む虫がシクシク泣き出す夜も
脅えた鼓 ....
冬の寒い、寒い。
空気が。
熱せられた僕を。
冷たくさます。
温かいものを、包んで。
誰も触れないくらい。
冷えてしまう。
だから、そっちへ行ってもいいか。
俺はむごたらしい目をしていた。冷蔵庫のブウウウンンという低い振動音が足もとを這いずっていた。でないと俺はどうにかなりそうだ、おまえが俺 ....
街の中央にあるパリサイ広場にて
毎週水曜日の夜に
聞く者を癒してくれたり昂奮させたり
時には恋をさせるような歌を歌う女がいると
狭い我が家に住み着いている居候が言うので
気晴らしに見に行くこ ....
笑顔の罵倒の応酬
芳潤な自殺を仄めかす
快楽犯の逃亡
足跡だけは残っている
釦を掛け違える位
当たり前の日常になりたい
もっとあなたに汚されたい
失意の行為の応酬
緩慢な自 ....
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