あなたは並んでいる
両手をポケットに突っ込んで
似たような後姿に紛れ
我先にと腰掛けた当り台に陣取り
ぎんいろの球を弾く
時間を浪費することへの悦楽と
日常とは隔絶された光と音の饗宴に ....
森の夢に 迷いこんで
さむざむと 樹皮をむく
ねむっている おんなを
ゆりおこし 歳月の
しわをのばして 読みふける
えらばれた場所でだけ
かなう願いを
託して
しまいたい
分けられてなお
うつくしいものも
きっと、ある
降る雨の
そのずっと奥のほうで
飾りをえら ....
あなたは届いたり
届かなかったり
する
ふゆのなかでは
わたしはあなたにもぐり込んだり
息をとめたり とめなかったり
する
わたしは海のように
いくつもの約束を
忘れたり
....
心のなにかが抜けているよ
と
ちょびひげさんが教えてくれた
人に必要なものはなんですか
ということを
五択では問えない
君達の痛みも五択じゃない
マークシートリーダ ....
しわしわの手を握り締めて眠ったあの頃
ばあちゃんのぬくもりを探して足をばたつかせた布団の中
夏休みの宿題を昼ドラを見ているばあちゃんの横で
ぶつぶつ文句を言いながらやった
チャ ....
いくつもの古時計が
まばらな振り子を鳴らす
時の無い珈琲店
木目のテーブルに
頬杖をついて
ものを思う
いつかわたしも
衣服の抜け殻を地に遺し
空へ消える煙となろ ....
悲しみを悲しむなよ
こんなにしずかに
寂しさを寂しがるなよ
だれもいないのに
月があって
光がある
たったひとつ
君がいて ....
わたしの心の暗闇に
張り巡らされた蜘蛛の巣は
寂しい一つの宇宙を広げ
いつも小鳥を待っている
幾羽ものはばたきは
見向きもせずに
薫りだけを残して
網の目を通り過ぎた
....
僕の頭には魔物が棲んでい
ます
記憶の棚を食べて
僕を狂わせます
僕の頭には昆虫が棲んでい
ます
感情の蜜を喰べて
僕を平凡にさせます
僕の頭には老人が住んでい
ます
昔の ....
甘いもの食べたいなあ
予約何時からだったっけ
爪が伸びている
遠いと思っていたのに案外
近かったんだな
摘み取った花は短命です
空白が胸から上へ上へ
頭の中は斑模様
....
どうにかなってしまいそう、
あたたかさの包みこんだ夜の隙間で
うたうたいの瞳がやがて変えて、いく、向こう。
憂鬱ななきごえは
黒に近いグレーみたいだ あれが、
夜明けに近づいて
....
手袋の
こすれるすきまから
しろい空気を ふー、と
吐き出すと
それは
青い空にのぼってゆく
きれいなけむりに
よく
似ている
それで
つむじは むずむずして
町も ....
くらくらゆれる視界のすみっこで
かみなりが光る
くらやみがやわらぐ
やさしい雨のにおいがする
失いかけてる聴覚のすみっこで
ちりちりと雨の音は跳ねて
どこにもいけない
かなしい雨 ....
あっというま
目を閉じて
ひとつ息を吸って
ひとつ数えて
一回手を叩いたら
現実が消える
感情を殺せる
パチン。
今日に邁進
....
ときどき
コンビニでおにぎりを買っては
思ってた
おかあさんのおむすび
食べたいな、って。
久しぶりの外泊で
おかあさんのおむすびを食べた
それは
ほんのりあたたかくて
....
僕は女から肉片を奪いとりたい
一回のセックスで 一かたまりの肉片を奪いとりたい
アバンギャルドな左翼酒場のアーティスティックなお姉さんから
艶やかな生々しい肉片を奪いとりたい
孤独な深 ....
生存よりも殺人を。笑顔よりも悲鳴を。意味よりも言い訳を。
現実を否定しろ。生きるために、殺せ。笑顔よりも悲鳴が優美で。生きる意味より死なない言い訳。
重圧を空気へと、地上は天へと天下り。
殺人な ....
ペテン師と言うと
響きは悪いけれど
とにかく君を乗せたいな
肩でも、口でも
どちらでも構わないさ
{引用=(私の砂男に)}
描いたようなみどりの草原、青い空、
白い雲がにじむのはカメラの曇りのせい、
すべて出来合のうるわしい風景、
できる限り倍率をあげてみよう、
くるくるまわる水素原 ....
夜更けにそっと目が覚めた
夢の中で君は笑っていた
こんな世の中だけど
君は僕の心を癒すオアシスだから
愛しいよ
僕たちはまだイントロさ
物語は ....
闇に溶けない夜が来た
冷めたコーヒーに浮かぶクリープが
あなたのスプーンで混ぜられたように
少しだけ溶けた雪をタイヤが踏んで往く
ここから二つ山を越えた街のはずれの山の上に住むあなた
も ....
波打ち際に立つと
のどが渇く
でもそれは欲望ではなく
思い出した事、だと思う
帰る波がめんどくさそうだ
指の間に挟まった砂もそう
いらないと思った途端に忘れられなくなる
生まれ変 ....
うな垂れたまま空にカメラを向けた
屋上から見えるのはいつも
真っ赤な夕日
今日が晴れだったならそのまま家に帰れた
でも、今日は雪
車のエンジンをかけると流れるのは
いつもおなじ ....
【Vermilion】
熱帯夜
切れ切れに見た
夢
それは鮮やかな
夕暮れの朱
軽い知恵熱
黄昏時には
人が狂うって
そんなことは
露知らず ....
1.小説
彼は読む
本の向こうから
呼ぶ声が聞こえる
空に栞がさしこまれ
訪れる夜も
失うことなく
示された意味を
自らの言葉として
世界に生きる
やがてそれ ....
{引用=
「人間はね、言葉の海で泳いでいるんだって。」
「言葉の海?」
「そう、言葉の海だわ。ここは。」
}
みっかのつき というか指先
が 孕んだ 玄関には誰か立っていたのか 風
ばかりまいて
重機のエンジンのうつる窓 にわかに
順番が差し替えられる という白い 指
先
先を行く人
の 呼吸が ....
一月ももう終いだ
二月三月四月など無いも同じだし
五月になれば立派な夏だから
今宵は雪がちらつこうと
夏はじき来る
小さな振幅
揺れている私
過去の夢を見ながら
たまに少しだけ腕を伸ばす
いつも語りかけてくる
その声は真新しいのに懐かしい
口が開かない私は身をよじる
喜びが体内を駆け ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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