貴方の言葉が小玉の辺りに浮いている
シーツはやがて真っ赤に染まり
その上にはペランとした貴方の皮だけが乗っていた
ベランダに干しながら
見上げた空には大きな貴方の生首が
すっかり貴方 ....
ぼくのなみだは ぼくのもの
きみのなみだは きみのもの
ぼくら なみだ混ぜあって
混ぜてはみたが 分離して
ぼくら 穴を埋めあって
埋めてまたほら、 穴増えた
譲れないんだ 境 ....
理由なんてなくていい。
根拠なんてなくていい。
自分の勘だけでいい。
まだ世の中は解明されてない。
答えのない世の中に
答えを求めなくていい。
答えはこれから作られる。
各自の勘によって ....
「挙手なさい。指名しますから」
と、言っておきながら先生は今回も、窓の外を憂鬱そうに眺めている由美子を選んだ。
由美子が渋々立ち上がり音読を始めると、皆が黙って聞く姿勢。まあしかし、一部の ....
僕が君に愛されてるうちに。
死んでしまいたい。
君のココロに、深く大きな
傷が遺れば、
僕が居た証拠にもなるし、
一生愛されるんじゃないかなって、
バカなことも考えちゃう。
この ....
冬木立、腕の隙間を
北西の風が吹きぬける二月
硝子を隔て、
わたしは陽射しを貪る
両の手を
時折、虹色に光る猫の背毛に沿わせ
体温を求めながら
かなしみを忘れるわたし
セー ....
あなたのこかんを
あなたがゆめにでてきた
あなたとくらしてゆくんだろうな
そしてなんどか
あなたをうらぎるんだろうな
おととい日はあちらから昇りました
きのう日はあちらから昇りました
きょう日はあちらから昇りました
きっと
あしたもあちらから朝は訪れるでしょう
この銀杏の葉は枯れ落ちました
....
地吹雪が去った夜
夜空に張った薄氷の中に
満月が封じられている
月の光は
擦りガラスを透した霊安室の灯りのように
歪められ 動かない
風がどこかで身を潜めている雪原で
針 ....
寂しいときに 幸せに
泣きたいときは 微笑みを
苦しいときこそ 安楽を
寒い冬には 手袋を
去り行く命に いただきます
彼と彼女は さようなら
僕と貴方は こんに ....
今日はそういう気分なんだ
この自己中心的な独り善がりの穴の中で
打ちのめし嘲る姿を眺めたいんだ
俺を哀れだと思ったならそう一生思うが良い
この一瞬は諂う事を諦めて
慰めだけを見 ....
もしもこの部屋の前に
停まっている青いムーブが
もしも白いライフなら
今夜の冷たい布団が湿るほどに
濡れ合えるかもしれない
もしもこの部屋の壁に
飾ってある写真の振り袖が
もしも ....
時間の過ぎた大きさを
ときに強烈に感じる事がある
不思議と馬鹿をやっていた時代に
さりげなく聴き濡っていた歌
時代を経た瞬間
実しやかに去来する空虚感
一歩も二歩も向こう ....
思えば貴女に求めていたものは
包んでくれた掌の温もりだけに過ぎなかった
十分な言葉を交わしたつもりもなく
ただ何ヶ月か遅れて忍び寄ってきた
心に突き刺さる冬の冷たい空気から
守って欲しか ....
ほらごらんなさい
目の前に
突きつけるよりも
表そうとするだけで
現れてくるものを
さらっと差し出す
もっともっと
深いところに
届くように
根底から
ひっくり返して
....
金魚鉢の中で
赤い魚は
悠々と泳ぐ
赤い魚は
そのまァるい
硝子の中で
壁にぶつかる
真似もしないで
悠々と泳ぐ
赤い魚は
立ち止まって
私のほうを
じっと見ながら
....
あなたはよく単位を間違えて
十メートル七十三センチとか
十センチ七十三ミリの人が着る
セーターを編んでくれた
それは僕も同じで
世界で一番愛してる
とか
初恋の人と同じくらい好きだ
....
あいつはどこに行ったんだろう
僕は虚空にむかって尋ねる
あいつはどこに行ったんだろう
モデルガンは相変わらずにこりともしない
あいつはどこに行ったんだろう
....
枯れはてた屋上。
フェンスすれすれに、
ジェット機が飛んで行くのが見える。
君臨する夜に向かって、
いい加減に手を振った。
握り潰すように
掌にはスプレー缶があった。
それで
夜から色 ....
2008年1月某日
雪模様の曇り空
LARKの箱みたいな空の下
いつもの道を逆方向へ曲がり
果てしなく果てしなく進む その先、海
道路標識はややこしくっていけない
→(こっち)海、とか ....
おじいさんが
ランドセルを背負って
元気に登校していく
おじいさんは
まだ三時間目なのに
給食を食べる
お父さんは
車輪のない自転車で
道なき道を
どこまでも走 ....
行方不明の水色の風が
春まだ遠い空気に紛れて
時々吹いてくる錯覚にとまどいます
行方不明の水色の風が
どこで吹くのか
それはまだ分からないのです
けれど
....
探していた
おだやかな光を
逢いたかった
カンヴァスを破って
手を、そっと
輪郭のない夜だから
影もなくて
震えを数えていないと
ここがサヨナラになる気がした
風の硝子越しに ....
青く輝く南の海
ぼくはそこで産声をあげた
一つ目小僧のぼくだけど
太平洋に抱かれて
ぐんぐん ぐんぐん育ってく
大きくなったぼくは
アジアへ旅に出るのさ
ポッケにいっぱい
キャンデ ....
お兄ちゃんがまた
女の人に振られてしまったよ
かわいそうに
死んでしまいそうに落ち込んでるよ
幼いころから
おっちょこちょいな人だったよ
がまんしてればよいものを
いつもちょっとかた ....
おきにいりのブラのホックにはふれさせたことがないの
まだ だれにも
そのさきに何があるのか
だからわたしはまだ知らないんだけど
蒼い景色か はやりの色か はたまたよぞらの黒か
きみの好き ....
いつかのふゆのはじまりの日
一人 漂うような面持ちの彼女は
白く塗られた、どこでもない場所に立ち
満月の空が落ちるのを、待っていた。
(雪が、
(降っていたか ....
ルーズな踝はいつのまにか姿を消し
タイトな紺色が街を闊歩する
こんな横並びを欲する時代だからこそ
曖昧なままでは許されないと言わんばかりに
膝上近くまで引き上げられた紺色に感じる息苦しさと ....
つめたくてつめたくて、それでも、ひとりで
素直すぎる君 遠くからだけ旗を振ってる
近づけない
つなぎたいつなぎたい、ゆび、解かして
かさねあう心臓 くるしい
しんじられないまま、知らない ....
湿度は低く
強い風が首筋から熱を離れさせていく
所在無いまま白い月に見透かされている
打ち解けたい内緒はもう何も無い
君の匂いが鼻先を掠めて
話し始めた頃のことを思い出した
....
4330 4331 4332 4333 4334 4335 4336 4337 4338 4339 4340 4341 4342 4343 4344 4345 4346 4347 4348 4349 4350 4351 4352 4353 4354 4355 4356 4357 4358 4359 4360 4361 4362 4363 4364 4365 4366 4367 4368 4369 4370
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