滅びの香りがする 銅の食器で
焼きたてのパンと新鮮なミルクの朝食を取る
滅びは、この部屋の艶のある壁板にも
床の複雑な絵柄の敷物にも 住んでいる
ここでつむがれていく命
日の ....
いつもの地下道
昨日までここに住んでいたひとたちの
姿が見えない
そうたしかに昨日は
ダンボールやらぼろきれやら
なんだかわからないものが
そこらじゅうに散乱していて
変なにおいもたちこ ....
うんこ
メモ用紙のすみに鉛筆で走り書き
それはただのうんこ
つまらないうんこ
活字のうんこ
活字でうんこ
それはちょっとした事件
活字「うんこ」は読むものの ....
顕微鏡の中で人工のひかりをうけて
雪片が光る
結晶が無言でのびてゆくのを
ぼくは視ていた
浅くつもった雪の中を
きみを迎えにゆく
ローカル線の駅は雪につつまれ
こどもの夢のように光っ ....
運命なんて
ないようなもんだと思うわ
別れてすぐは
たがいのこと心配だけど
あたし忘れてしまえるじゃない
風が吹くから
波があるのかしら
海流と波って
....
ぼくらの道は まがりまっすぐ
ときにはハンドルを取られ
側溝へタイヤを落としそうになる.。
横転しなくて良かったね。
心が小さく小さく震えた。
もっと素直に もっとゆっくり
僕 ....
1.
風の強い日
(今日はなんだか
少しだけ地球が速く廻るみたいだ)
窓の外を見ると
鳥に戻った子供たちが空を飛びまわっている
地面の上を
彼らを連れ戻そうとする大人が懸命に走り回 ....
正気を失いながら、それでも
わたしたちは、生まれてしまうのだろう
何度も、何度も、
そしてほんとうは
一度だって、死んだことはなかったのだと
臨終のそのときに、知るのだろう
....
僕と君の間には、何センチの隙間があるのかな。
心と心は、ぴたっとくっついてるけれど。
目を開けると、君は居ない。
月が綺麗だ、と君は言うが。
この朧月のことだろうか。
僕 ....
ホームセンターで
出会ったやかんが
思ったよりも
紳士だったので
結婚した
その時代
ホームセンターなんて
あったの
母に聞くと
母は結婚写真を
持ってきた
やかん売り ....
08/02/16
昨日、映画の脚本があれば、映像は不要だと書いてしまったが、それは制限内の事象かと思う。
テキスト以前の詩は、口承で伝わったの ....
はじめて車に乗った日
すでに僕は30を過ぎていた
はじめて車に乗った日
先月25になったばかりで
自ら世を去った君のことが
頭から離れなかった
はじめて車に乗った日
....
わたしを定義するもの
今朝齧ったトーストの歯形
わたしを定義するもの
会社のデスク
わたしを定義するもの
そこに転がったボールペン
わたしを定義するもの
配達員に捺したハンコ ....
風が吹いた。
なんとなく
振り返る。
髪が長くて
長くて。
風を感じた。
なんとなく
振り返る。
あなたが
そこにいる気がして。
08/02/16
癇とは幼児の引きつけのことと聞く
引きつけとはどのようなものか
金縛りのように身体の自由が利かないものらしい
熱による身心 ....
1.「ナオタへ」
{引用=すこやかなよるに
知らないこと を
ふたりで 机にならべた
フライ返しで
ナオタは
ひとつずつ
ひっくり返した
ナオタは
ゆびがやわらかくて ....
ほら
巻き方が甘いんだよ、
ひとりひとり
人が違うように
ひとつひとつ
こころの形も違うんだ
幾つかの
こころを固めて
ぐるぐる巻きにして
静かに
箱の中へ収めてきたけ ....
テレビを観てたら目から血が出た。
注ぎすぎてコップから溢れる水のように急に赤が流れた。
赤いカーテンは太陽を遮断していて
部屋は黒と、青白いわずかな光で溢れている。
僕が手元のティッシ ....
カチッ―スイッチON
ドッカーーン!!!!!
ヒャハハハ!いきなり爆発してビビってんじゃねーよ!な?
触れたらすぐに切れてしまうトラップ
切るのは赤のコード?青いコード?
触 ....
目の前に一杯のブラックコーヒー
この暗黒の世界には
いろんな形の銀河やら
ブラックホールやらがひしめいていて
地球みたいな星もあったりする
そこには恐竜とかにんげんみたい ....
***
ごちそうさま
きのうのあしたを
とても
おいしくいただきました
***
「お前のココアで母さんが火傷したよ」
見知らぬ家人は、さう言ひ放った。
「昨晩、お前の飲み残したココアを片付けようとして、母さんは火傷したんだぞ。それで救急車を呼んだんだ」
「えっ? 一一九番し ....
川の流れのすぐ後を
少し遅れて
時が流れている
もう聞こえない
あの人の声のように
過ぎてしまった時が
少しずつ遠ざかっていく
水面を割り
魚が跳ねる
私に時を返すため ....
君の胸が時を刻む
窓の外の冬空は
白い雲が流れてとどまらない
今
君がいるのに
哀しみが凍みてくる
静かに待とう
もうすぐやってくる夕暮れに
一瞬でも優しい色に染められるよう
喉の辺りがひきつれる
この道でいいのかと
訳も意味もない問いで
つっかえている
あてどもなく歩いて
歩いて
歩き疲れて
休み時間は終わってしまう
薄暗くひんやりとした壁 ....
この冬、私は矢車菊の紅茶に恋をした
CMコピーのようにもったいぶって
今までこの香りが無くて
やってこれたことの不思議を思う
確かに
その前の年にはミルクココアに恋をしたし、 ....
言葉を探しながら
言葉を飾りながら
紡いでいくやりとりで
君を近くに思ったりしている
優しさはわかっていて
スキだという気持ちも
隠そうと思わないけれど
本当の君はどこ ....
ずいぶん長いあいだ
持ち歩いたくせに
名前もかたちも知らない
自分の小さな臓器みたいに
そそがれる水を受けて
影にまで朝を分け与える
いつもの
透明なグラスを知らない
桜並木に春の風
一瞬で舞い上げられた花びらを
口を開けて見とれてた
手を繋いで笑った
横で煙草をくわえてる君は 少し笑って
また花びらの上を歩き出した。
桜が咲くいつもの夢桜の散るいつもの夢
がさがさに乾いた唇が不意に赤く染まる頃
額縁輝く絵の女の食べる生魚になりたい
君の好きな何かに混ぜ込む
午後 自分でいれた紅茶
夜 友人と飲 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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