雨がふると
むかし行った遊園地の
メリーゴーラウンドをおもいだす
楽しみにしてたのに
その日は雨だった
かっぱを着て
長靴はいて
お兄ちゃんとふたりで
メリーゴーラウンドに何度 ....
一息ついた
まだ飯はこないので
目の前に置かれたメニューを見やり
何するわけでもなく
ぼんやり
時折、熱いお茶をすする
厨房の奥より
カラン
と音が響く
それもまた良し
....
偶然と
必然??と
そんなもの達が
集まって
今僕は
こうして
生かされている
紅煉瓦ゆるく燃
祖は微睡むまま
故郷を疾走す
人の旅の永い事
記憶も既に廃れ
たが残る青さ
ほほえみを残す
黙祷やめ
鷲をかたどった壁のスピーカー
総統のくぐもった声が響く
はるかアンデスから届く寂しいその声
俺は目を開けて壁に並ぶ写真を見上げる
新しく、一番右に掛けられた男の顔
ともに ....
薄灰色の光の刷毛が
風にその身を任せつつ
穏やかならぬ面持ちで
水面の顔を撫でつける
緑の粒は苛立つ様に
発光体へと姿を変えて
身を震わせて踊りだす
憤怒と羨み そして奇妙な変拍子
....
メデジン・カルテル(麻薬密輸組織)の殺害されたボスであったパブロ・エスコバルの弟ロベルト・エスコバル(コロンビア人)は、罷免された大統領アルベルト・フジモリと、彼の元情報部顧問ブラディミロ・モンテシ ....
生まれて初めて恋を知った男が
生まれて初めて失恋をしたのも
当然のことだが今夜のことだ
彼は駆けてみた
走り去った白い軽自動車に追い付けるかと
車種はよく知らない
ただナンバーは好 ....
今日君が流した涙
心の窪みに溜まって
いつか差す光に照らされ
キラキラ輝くだろうから
言いたいこと
どれほど伝えられたのかい
聞きたいこと
どれだけ話してくれたのかい
今日は風がと ....
はやくこいこい、お月さま
なみだが落ちて、くるまえに
のにさくこすもす、やさしく手折り
いちりんわたす、ひとみはあおい
ろんきょをとわぬ、それは盲の
ははのそれにもにた愛であろ
....
小さな小さなあたしの手
何でも掴める気がしてた
大きくなったあたしの手
掴めるものが限られた
矛盾した世の中を
ねぇ笑ってんの 泣いてんの
感情さえなくして
きみはどこに立ってるの
....
雲の上で
誰か泣いている
その
降り注ぐ雨の下
泣いている人もいるだろう
雲の上で
誰か泣いている
誰にも気づかれることなく
誰にもなぐさめられることなく
ひだまりのように好きなのと
嵐のように好きなのと
歌人は高々うたってる
つまり
ただの私のままならば
「好き」の威力も弱いのかしら
ただの私の「好き」ならば
歌にさえも ならないのか ....
あぁ〜〜
あったかいあったかい季節の中
花畑に寝たい
そこで何を考えよう
日ごろの事は忘れて、
彼と手を繋いで居ることを思おうか
友達と手を繋いでいることを思おうか
幸せな話のことをおも ....
湿った夕べ
父の洋服をたたむ
生前の匂いは嫌いだったが
今では柑橘の香りの中で探してしまう
おいおい、そんなんじゃ
だめだろう
酒と、煙草と、スルメと、深夜
私が刻む単調 ....
エルゼ、美しい人よ
お前は今頃遙か異国(とつくに)の
酒と水煙草の煙の香る市場を
鈴のように軽やかに歩んでいるのだろうか
お前の肌のように滑らかな陶器や
砂漠の砂の香る色鮮やかな絨毯
そし ....
騒がしい夜の端で
貴女は僕を静かに殺した
何かを祈るようなしぐさで
何度も何度も夢を閉じて
僕は貴女を愛していた
それが真実かどうかも
捉えられないまま
それなら、と
体温を想 ....
雨の降るのを感じるのは
傘を空へと押し広げる時
張り詰めた半球の帳
音響く球の内部から
滴の垂れる筋を
左手の小指で追う
乾いた小さな炸裂音と
風に乗る湿った臭い
濡れる風景の対比 ....
原始脳である赤の球体はモノクロームの格子柄の上にあって
意識化された恋人の象徴であった
多くは扱いを知らないで弄ばれて腐っていく球体
もはやグレイを帯び翻弄され暗闇に追いやられる
しか ....
一人の少女が
病室のベッドで
微笑みながら絵を描く
ちっぽけな命の花の
枯れる時が
すぐそこに迫っていることを感じながらも
カラフルな色鉛筆で
ひたすら絵を描 ....
明日などないと
二人
一瞬を愛したね
震えながら
二人
一生分を抱き合った
僕より少し年上だけど
僕より幼いあなたの笑顔
一生分の一瞬に
心奪われ ....
ゆっくりと過ぎてゆく
想い出が
憎らしく 哀しい
この濁った空のように
光を遮る雲のように
痛みだけが残ったわけじゃなく
辛さだけがあるわけでもない
ひとしずくのワ ....
平日の午前
雨の日のファミレス
食器の音
まばらな客
障らない音楽
外のひかり
外は雨だ
灰いろの風だ
うんこしたくなるような
落ち着きに満たされ ....
休日の昼過ぎ
先月から通い始めた
自動車学校へゆくと
校内のすべての車は停車して
教習コースの道に並ぶ
紺ブレザーの教官たちが
にこやかにキャッチボールをしていた
長 ....
言葉にすれば
背徳だとか禁忌だとか
人類有史以前から
ありふれた、それ。
長風呂していると
ぽとり、と汗が落ちました
それは昨日の
私のささやかな悪事
手にした ....
桃太郎の養父母、
川上の兄弟達に気付かぬふりした。
女が「れ」の字になって倒れている
無事、卒業できました。
あなたの放った言葉で
憑き物が、落ちたようです。
又、目からうろこです。
コンタクトレンズかもしれませんが。
しかしどうにも
なにか大事なものまで落とし ....
来るな!
一歩前に出るな!
おまえがそうやって一歩前に踏み出すことで
そのおかげで俺の方は後ろへ一歩
ほらまたそうやって
じりじり前に出るものだから
おつに飛び出たおまえの腹と
俺の ....
あまりに心地よい
春の日差し
もったいない
私
穏やかな空気をフリージングバッグにつめた
冷凍室にいれた
翌日
雨が降った
肌寒かった
私
冷凍室をのぞいてみた
くしゃくしゃにな ....
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