わたしの本棚、あなたにだけは見せられないわねと
彼女はそうふわりと笑ったんだ
わたしは今手足の自由を奪われている
視界を黒いつやつやした布が遮っている
わたしを不自由にしたのは彼女だ
布 ....
気がつくと足元にりんごが転がっていた
ゆっくりと地面に沈みこむ自分を見ていた
自由にならない体で
涙だけが自分の肉体を離れていった
遠くからやってくる
7人の働き者の同居人たち
胸 ....
君が忘れても
僕は忘れない
光の速さで君とすれ違う
ものすごく
速いスピードで
麗かな春の景色にも逆らって
不思議だね
同じ日にまったくの
逆方向に向かうなんて
今の距離より
はるか遠く
嘘を本当に ....
死んだ奴らばかりが
生きてる奴らに
「早くこっちに来いよ」
っていうのは不公平だから
僕は
高校の制服を着ることなく死んでしまったあいつに
毎日毎日、狂ったように
「早くこっちに来い ....
湖
哀しみという名の湖に
小石を投げて
湖の深さを測ってみた
小石が落ちた水面から
波紋がゆらゆらとひろがり
いつかどこかで聞いたような
メロ ....
スタッフ皆は「こだわり」を持っていた
ぼくは、
浮遊する事にこだわりすぎて
怒られ続けたね、 ねーんねーこーころーりーよー こーろこーろーりー って
年上の女性が慰めてくれたんだ 居酒屋で ....
懐中時計のボタン電池が切れた
そして「気」「血」「水」も
おらのパネルとメモリーから消えた
ドリーミーな青い春は勿論
....
言いたいことが
あるんでしょ
いまのうちに
言って
月が射している間に
そのあと
そのあと
わたしは
闇を彷徨うから
月の光が
私の影を落として
さよなら ....
右手のスティックで地球儀を叩き壊す
白い硝子の地球儀
粉々に砕けて、僕の指を傷つけた
左手でラジオのスイッチをいれてみる
{雑音=ノイズ}と衝突する人々の声
嗚呼、あれは
最後のファン ....
昨日の春に殺された小鳥が
庭先に落ちていた。
ばかだねぇおまえ
気まぐれなのが
春なのに
冬の冷気をまとって
凍りついた小鳥の目が
ぴくりと動く
それでも春がすきなのだと
そ ....
「なぁ、新鮮な刺身を作ってくれないか?、「なぁ、いいだろ?ハニー ・・・
「新鮮な刺身・・・」
僕は回転寿司で、新鮮ではない寿司を食いながら、頭を回転させていた
ぎゅるるるん
....
激烈に痙攣する音の舌に舐められて
君の敏感な乳首が動くなんて
信じられない僕は老いさらばえた首で
口を半開きに転がって青い空が
はたまた青くない空が崩れて降っている今、という
神 ....
都会のエレキな夜に
吸い込まれるように
まっすぐ飛ぶ
黒い、の
公園ベンチの下
ぼやけた地面に
腑抜けのゴミ共が
寄せ集められる
「それは違うだろ」
「いいや、違わない」
....
油絵が描けなくなるくらい圧倒的な夕焼けを見た(、シンナーで溶ける?)キャンパスにカッターナイフを突き立てて、密室は寂しいから窓を作った。噎せるような金柑の香り。
Fw:
鍵盤が重い ....
ぼくは
腐った野苺を食べてしまったから
おかあさん
さよならです
片耳のちぎれた野良犬が
悲しい目でぼくを見つめているよ
灰色に濁った
その目の奥から覗き見る世界は
ど ....
雨降りの日には
家路をたどる小学生
目につくのです
そして
なぜかは分からぬけれど
私の家路を思うのです
雨降りの日には
母の歌を口ずさみ
家路をた ....
薄汚れた茶色の天井と
古い紙の匂いと
真新しい本の匂い
部屋の中心のストーブの上
やかんがシュンシュンと音を立てる
そのお湯で淹れられたコーヒーの匂いは
そのまま壁に染み付いて
また新し ....
女子高生のスカートが短すぎるけど
パンツを見せびらかしたい
わけじゃないっぽい
たぶん
僕らの青春なんて
誰かのひざ小僧とパンツの間で
いつも迷子になっていて
キオス ....
雨がぽつぽつ音たてて
こころにちいさなドット
貼ってゆく今なのです
私の汚れたおこないが
なんとは知れない法則で
清浄められてゆくのは
春、曇りの空に、そんな日 ....
あおぞらが
ぼくをころしてく
あまつぶが
ぼくをとかしてく
きえて
きえて
きえないで
また
あさがきて
また
よるがくる
ひるは
そのあいだ
しろくて
よ ....
もどる必要のなくなった ページの裏に
目が覚めているときには見えなかった 指が めくる
なぞるもののほうへ 卑怯なペン先が刺す
揺れない手の真下で
けっして 動かないのだと云って ....
がりりと土壁を引っかいた
鎌の刃先の
あの放物線が消せない
おまえの山を見たい
祖父は
赤土をこねて
小さな山をつくった
夏へと秋へと
ゆらゆらと山をのぼる
黄蝶のよ ....
080314
夏が聳えている夕刻
薄汚れた雲が帰宅して
さっぱりした荒野の果てを
もの悲しいとも思わずに
午後11時の鐘が鳴るからと
礼拝堂の前でお ....
春の土が
炊きたてのご飯のように
顔を出す
そんなご飯
誰も食べないわ
君が言う
君が炊いたご飯なら
僕ひとり
よろこんで食べたのに
おかわりしたら
夏になった
季節の変わり目に
心だけ置いてきぼりにされた
そんな私のおなかは
春の夜風にさらされて
きりきりと痛む
手を当てると
こんなにも冷たい
夢の柱がぐらついて
今現実に引き戻された
....
同心円でありたいのです
それぞれの速度で広がる
無数のわっかのなかで
波紋を重ねたいと
降り始めの一滴になりたいのです
そのひとのほほで流れれば
きっと振り返るでしょう
手のひらを空 ....
闇の中なら何も見えはしない
目の前に横たわる孤独さえ
目に映らないものを恐れはしない
死の先にあるのは闇だろう
何十年、何年かは知らない
必ずそこにたどり着ける
恐れ知らずのその境地へ ....
{画像=080314004740.jpg}
歌うことしかない、
と思い詰めることができること、
それは大きな才能だ。
僕らはどこかにそんな恃む心によって立っている。
危うい均衡なのだが、
....
その入口をくぐってはいけない、きっと何も保証できることはない
その入口をくぐってはいけない、きっと満足な心境では
こちらに向かって返ってくることは出来ないよ、なぜか
辺りの空気は静謐 ....
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