多くが壊れ
ひとつ残り
うつろいを生み
栄えさまよう
曇の数だけ夜があり
ひとつひとつの雨のたもと
光は布にひらかれて
足跡のない歩みを照らす
背の花ふ ....
サングラスをかけた
全盲のおじさんが
若者のリュックにつかまり
地下道に入っていった
ポケットに手を入れて
道に佇むぼくの
目線の先に遠のいてゆく
ふたりの背中
....
やさしい声がする
君の声だ
風が頬をかすめて
遠くにいく
次の曲は知ってる
あれだろ センチメンタル
今、こんな風
知らない人が行き交う街
知らない間に好きになってる
勘 ....
またまた 大事な事は言えずじまい
ドキドキ しながら会ったのに
ペラペラ 喋ってばっかりで
ときどき フッと黙っては
キラキラ した目と視線が重なり
いよいよ 大事なシー ....
このごろ
冬の匂いがしなくなった
サクラ咲くまえに
中途半端にするさよなら
声もかけずに
いいと思ったひと
どこかでまた会うような
そんな気持ち
せつな ....
その乱刃の切っ先、どこへ向ける?
君の、白い白い陶器のようなおとがいに
するりとすべらせたなら、なんて美しいだろう
真紅の血しぶきは白い肌をぬらして桜色になる
何時間、眺めていたとて飽きな ....
これではない、
これではない、と言いながら
なにも指し示すことができず
しかしそれは確かにあるのだと言う
散り敷いた花びらかきあつめ
その手をかかげあげても
ばからしいと言う
見 ....
{引用=わたしはすでに
わたしそのもの}
自ら望み
生まれてきたわけでもなく
自ら選んだ
両親と国と時代でもなく
窓辺に置かれた鉢の
枝葉を広げた小木のように ....
慈しみが
ありすぎるから
つらい気持ちで
傲慢になってしまう
悲しみに
すぐ慣れるから
マイノリティが
人に傍観されている
世界で唯一の
....
フウテンの辰旅日記(その一)
おれは途中下車してよ
その駅では
もう列車はないてよ
夜だったよ
真夜中に違いねえ
腹が空いてよー
左の角に
一杯飲み屋
暖簾をくぐれば
女 ....
燃やして、捨て去ってゆく
そういう風に、生きる塊がある
凄くつまらないエピソードを
凄くつまらないままで終らせても
どなた様にもご迷惑を
おかけしません、と
草木も揺るや ....
娘が
私の誕生日にプレゼントをくれた
そういえば
最近娘とは会話もしていなかった
細長い化粧箱
包装紙をやぶいて中を見ると
ドライバーが一本入っていた
娘は
私がそれを ....
沢山の年齢がある
それは日々流動的
社会に出て、沢山の年齢と関わりだした(大人になったかは知らないし大人の定義は更に曖昧だ)。
十年を経て変わったことは、例えば仕事を覚えてお金を貰って生活を ....
ありがちな告白で
緩慢な思考が
訳を言うまもなく
さらに緩慢になる
彼女の紅葉した頬は
いつもの可憐さではなく
泣きそうなその瞳と
合わさってどこか寂しげ
少し時間をくれない? ....
夜の静かさは
うっすらと
冷たい
そっと
気付かぬうちに
周りを覆って
太陽とともに響く
生きた喧噪は
はたりと
いつの間にか消える
....
赤い舌をのぞかせながら
君は緑色のケーキを食べる。
ピスタチオのムース。
新作だってと言いながら
君が買ってきた分を
二人で分けて食べてたはずなのに
僕の分はもうない。
赤い舌をのぞ ....
大きく私が愛する人すべての人を包み込むような、
半円形の人になりたい
私が愛する人の助け声が聞こえたなら、
空のように見上げればいる
いつでもかけつけてくれる
そんなひとでいたい。
....
会社の屋上から見える山が
今日は少しだけ近くに見えた
霞がかった空を
悠然と跳ね烏が
羨ましくて仕方ない
肩や腰だけじゃなく
心も重い溜息の日曜日
遠くから聞こえる笑い声に
何 ....
冬服の人と
素っ裸の人が
街を歩いている
どっちが正しいかなんて
誰もわからないから
みんな春服を着ている
素っ裸の人が
転んで背中を擦りむいた
そんなことぐらい
誰で ....
ありったけの意地を張った後
ずっどんと穴が開いた
何を埋めよう
何で埋めよう
ひとりの時間で埋めよう
唇を噛んで埋めよう
いつか優しい時間がくるまで
人生は鉄道のレールではない
一定のリズム 雲の中で走り出す僕たち
これから僕らは何をすればいいのだろう?
教えてくれ 教えてくれ
それでいい それでいいのだ
自由 ....
全然タイプじゃないし。
今考えても
理想とは全然違う子だなぁ。
あらためて
今日思ったよ
好きだったのにね。
あ
違うか。
まだ好きなのかも
しれないね。
なんで好 ....
ぼくは、運命だと信じ込んでいたけれど
きみは、偶然だとしか思っていなかったんだね
転がり と
あたるつぶて
見下ろし見えるのは
突っ立っている頭
頷かない頭が見返す
あぶりだす熱源の掟
ざわり と巡る血脈
口元に灯り始める気
転がらない
つぶて ....
ふと気づいたら、君は遠くにいってしまっていた
気づくのが遅かったなんて傲慢だけど
それを知った日から空は今までよりずっと特に感じるようになった
ほんの少しでも近づけるようにと
....
どうでもいいような
純情を
世界にまきちらしといて
それはないだろう
オレたちがいなくても
世界はまわると、知ってはいるけれど
世界がまわると、知ってはいるけれど
....
熱で味がわからない
浮かぶ綿菓子
ハッカばかりのドロップ
七色の飴細工
積もったかき氷にシロップ
夜空に金平糖
夢のような国にトリップ
熱で味がわからない
きっと、とびっき ....
川の水だらだら垂れ流し
みっともないくらい
あたしの住んでる川はこんなもんじゃない
もっとシャッキリしてて底が見えてる具合のいい川だよ
でも海に入れば一緒だね
川の上流れてく ....
私が「死にたい」というと
貴方は「みんな弱さを抱えて生きているんだよ」と言う
その意味が分からなくて
私はカロリーメイトを口に詰め込む
口の中で砂になっていくそれを
或いは砂にな ....
ウイスキーを飲む友人
ビールを飲む俺
何杯飲んでもケロッとしている友人
ジョッキで顔真っ赤っ赤の俺
ホッケを頼み
焼き鳥食って
から揚げ食って
余は満足じゃ
男同士水入らずで話 ....
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