早く桜を咲かせてと
小さな心で願う
満開でいられるのは
ほんの一瞬
移ろいゆく日々が
育てた輝き
今確かに愛が
桜と同じ色に染まって
微笑む桜が眩く光る
たったひとつだけ ....
住所を聞くように
ブログのアドレスを訪ねて
これで大丈夫と安心する
また話そうねと文字を塗り重ねて
実際に会うより
大切にしているかもしれない
何かが起きて
アクセスできなくなったら
....
その娘は頬を赤らめることができる
ただそれだけのわけで
マートのレジを叩く少女を愛おしく思った
何故人は人を求めるのかね
一人ではないという幻想
届くことのないテレパシー
真空の宙 ....
孤独な旅に早くもくたびれて
テントの中で アパートの椅子を思う
食卓に一脚の椅子
雨に煙った三日間
バイク乗りは手を差し伸べあうが
届ける花束はない
明日はもっと 寂しい所へ行こう ....
口の中に微かに鉄の味がある
コートの袖口が擦り切れている
錆びたドラム缶からはいだして
月下の廃工場を後にする
奏者を失って久しい機械が
ほの青く光る一群の風琴になっていた
鳥が飛び立 ....
ふわふわの朝靄に
あなたを見送る
消えていく後ろ姿は
ふわふわと
朝靄に包まれ
見えなくなってしまう
早く帰ってね
って言ってみるけど
朝靄に邪魔され
あなたのとこまで届 ....
悲しいだけ
とつぶやいたカメレオンが鳥居にぶら下がっている
雷に打たれていたのは
乾いた老木と夜の帳
指先に切り傷
問題になるのはザクロの色ではなくて
あなたへの愛
水蜘蛛に絡め取ら ....
剥げてゆく空の下
車輪まわり、まわり
金の音さらに、
さらに遠ざかりゆく
緑金の春に
*
やあ
俺は
くちべたなんだ
どういうわけだか
とても仲のよいはずの奴と話していても ....
080411
乱れ飛ぶ
風景が飛んでゆく
車窓の景色
小父さんと小母さんが
席を立ったので
列車の窓は停止した。
舷を叩いて魚を脅す
古くさい ....
山国で育った
目をとじると
どこまでも青いものが広がる
海だった
そうやって彼は
ときどき山を越えた
どど〜んと鯨になる
風のように
しなやかに両腕を伸ばし
....
白雪降る昨日
浮上する結晶たちの空
丘の上に積み重なる
丘の上の突風の
雪を舞い上がらせる大地、と点景たちの
声が透明に消える冬
涙の粒が優しい人たちの頬からサヨナ ....
とはいうものの、
晴れ間はみじかい。
フレーズとフリーズの繰り返し。
真夜中の渋滞、
看板のむこう側に廻れば、延々と、
点々とひろがる迷わないための目印
である意義を放棄した豆つぶ大のそれ ....
だんまりとマンネリが張り付いた魂へ
白々しい褒め言葉を上げよう
飴の甘さを雨の冷たさで
お世辞のセメント責め一名様限定フルコース
賢い君は見る間に
怒りやら、僅かにでも乗せられそうになっ ....
見えない先から
ひさしぶりに糸を引かれ
私も
糸を引いて応える
紅い汗を流して彫刻のように削りだした核から伸びている、それは
時にたわみながらも千切れずに今も
在る、確かめ ....
現在を座標としてとらえると
それは常に原点であり
未来は北の方角になります
そうなりますと
過去は南の方角ということです
西やら東やらは
存在はするのでしょうが
詳しいことは不明 ....
着替えたい
汚れたんだって
しわくちゃなんだって
釦を無くしたんだって
好きだったのに
着替えちゃうんだ
着てあげてるんだって
その高慢さが好きだった
....
耳障りがいいからといって
散らかしてしまった言葉を
解いて文字にかえしています
また
本当に
必要な時が
来るとわかっているんです
今の私には
お下げしてよろしいで ....
あなたがいると
この上ないほど幸せで
自分が「幸せ」だということを実感する
あなたがいないと
この上ないほど不安で
もう会うのをやめようかと思ったりもする
それでも「幸せ」 ....
男湯から君に話しかけたかった
石鹸が指からすりぬける音も
手ぬぐいをしぼる強さも
とてもよく知ってた
あの頃僕は独身だった
おそらく君も
牛乳を飲みたかった
{画像=080410233222.jpg}
急に立ち止って後ろ足を張って立っている。
それは猫足のような立ち方ですが、
猫が秘めているような力強さはなくて、
掴まり立ちをした娘のようなんです。 ....
去年の落葉のように
毛布にくるまって待つ
それが前夜、という夜
篝火はひどく電気仕掛けで
ひとりぼっちな自己主張
もう永遠はいらないから
あなたを灼きながら、焦がれたい ....
落とすなよという
ぬくもりに頷いて
大口を開けたまま
空を仰げば言葉の
群れがやってくる
言葉を零さぬよう
頬張りながら排出
してしまわぬよう
消化だけに留める
全て ....
キミはボクに気付かずに、
ヒトの流れを眺めている
買い換えたばかりの
イヤフォンが
なんだか
ロポットの部品みたいで
耳を塞がなくちゃ
街を耐えられない
キミの姿は
なぜ ....
夜道の散歩で見上げた空の
無数に瞬く星々は
億光年の遥かな場所で
すでに姿を消している
夜道の散歩で見上げた空の
瞬く星が幻ならば
日々の暮らしの傍らにいる
あなたもす ....
墜落するくだものたちをあなたは笑って見てる
白い砂をびんにつめるのはながれだしたときの音が美しいから
二年生の教科書に書き込んだ虚像はわたしによく似ただれかのわ ....
金魚の水 を
かえないまま
入浴しているのです
もう ひとつきも
散ってゆく水面が
茶色く さがるのです
あるでしょう あの
あぶくが
あれを金魚は のみこむ
わけですけれど ....
080410
よーかんにお茶ならば
いつでもいいと
杉浦茂の猿飛佐助
警戒が厳重な
四谷の大木戸を避け
代々木あたりでちゃっかりと
江戸の街に入り ....
だれを想うわけでなく
誰のせいにもせずに歩きたい
散る雨の中
見えるひと
見えない人が
残りの粒をひろげて、
足の跡をのこすから
いつかは、わかること
頼らずにいきてるんだと ....
楊貴妃の流し目の、
紅差す頬に惚れちまった。
ああわが心の疱瘡よ、
今直ぐに掻き毟りぼろぼろになって、
あなたの裳裾に縋り付きたい。
小町の麻呂眉の、
細い目尻に惚れちまった。
ああ ....
薫風馨る五月の窓に
ぬかるむ畦道を辿る貴方の後姿を見ていました
長い髪を靡かせて振り返ったあなたの口は
手話の解説のようにはっきりと動くのに
何回も繰り返しても聞き取れないのでした
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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