その新月の夜
庭におおきな 深い穴を掘る
足元に大きな布の包みがひとつ置いてある
掘り起こされた土は濡れて
手に持ったスコップが地面を突き刺しては
一塊を持ち上げる湿った音だけ ....
揺らぐ決心
暗い森に咲く菫の花
震える手を天に伸ばし
振りおろす力は深く身をえぐる
信条 何が信条?
浸透 痛みは芯まで辛く
進行 それでも往くしかなく
真情 本当は弱い ....
いまあたしは ふたりのおとこをすきでいる
そんなことはありふれたことにすぎないが
あたしには おおきおもすぎてはちきれそうなのだ
まるいゆびのさき おおきくない て
ち ....
何と言っても綾瀬はるかが好きだ
牛乳は小さい頃よりも好きじゃなくなってきた
清水ミチコが好きだ
の芸が好きだ
眠ることが好きだ
夢は書き写すよりも考えの解決案になっているのが好き ....
瞳の奥の
あの壁の隅
目をあわせていないと
[世界]は通信をやめるから
こっちにきて
始めようよ
階段は放課後
窓の光から影を作り出し
影に隠れたあの子は
一人通信を ....
地下鉄のホーム
ベンチの下に
コロがる
アサヒスーパードライな時代
犬も猫もカメさえも
よっぱらう
そんな時代
誰もが皆
目に
毒をもり
も ....
鋭く口を開けた 激しい暴力の傷
穏やかな 美しい死が覗いている 傷口
きれいな肌 シミ一つゆるさない 美しさと健康
暴力と死を恐れる心が隔てていた 広大な世界
あんしんと安全と ....
「 」
―――そう、少し、はにかんだ笑顔で話す貴方が愛おしい。
貴方は時々、あたしの前でもお父さんになる。
そんな裏表の視えない貴方だからこそ、あたしは好きでい ....
午前1時の暗闇の中
部屋の窓から
教会が見える
十字架がネオンになっているんだ
あの教会の前の十字路で
「サヨナラ」と言った
子供が学校の帰りに言う
「皆さん ....
小指の先くらいの
小さな虫が
ほんの僅かなひかりで
戯れる頃
私も
肉眼で見たとして、
あなたの瞳くらいの
月を
眺めることでしょう
....
ちんけな権力ステル
偉いと思う心すてろ
ステルすてろ
ちっぽけな自分ステロ
金をすてろ
車をすてろ
服を、食い物を
家を
すてろステロ
ステルすてろ
年寄りをすてろステル
....
{引用=
(光を常に浴びて変われ
きみという緑の輝きの)
(そのうすい葉脈のすみずみまで満たせ
それがたとえ何かを)
}
おぼろなる
季節は過ぎて
五月
つつ ....
何一つありませんでした。
「はい」という相槌を打ってはみたものの、何かが通ったことは認識したものの、そして「はい」の後に何かを通したことは認識したものの、わたしは何一つ言葉を伝えたことはありません。 ....
例えば
それは真っ黒な海に広がる
一滴のミルク
ゆるゆると広がり
消えて行くのか
それとも行かないのか
海の広さを
図りかねている
年月よりも尚
重い枷があるのだとして
そ ....
平日の昼間から僕のアドレス帳に登録されている人間たちに片っ端から
「雲を見に行こう」とメールを送りまくった。
来てくれたのは友人の一人モモサキだけだった。
彼はメールの一時間後、ピストル ....
ボクの今が、
うすまるのは、
あるがままをなくしてしまったから。
それに、
うすまっていく自分を見てしまうのは、
つらすぎるから。
浸れる映像を探しに毎晩リモコンを押しつづける ....
向精神薬なんて、鍵のひとつじゃない
ドーパミン
セロトニン
生まれもった病気のふり、やめろよな
あたしの未来になにをするんだ
医者やインターネットの
あたしペイ ....
さみしいものが
さみしいものと
こすれあう
すると なぜか
うみは ひろがる
なみは ひくいまま
たよりなさげな
しっぽでも
つなご
ひねりだしたって
しょっぱい ....
となりの貴方を想う
その顔。
そんな顔の
過去の自分が
懐かしくて――
1つが2つ
増えていく気持ちを
僕は縮められないでいる
それは距離のように それは遠ざかる
受け入れれば 受け入れるほどに
一つにならない
それは分離しているということ
増え続ける ....
現状取り急ぎ報告いたします期待はずれでした
それはもう期待はずれでした知らなかった頃に
戻りたいの多くの者が申しております何かの事故で
あって欲しいとも申しております裏側を覗く者もおります
足 ....
花火 のよう
ではなかった
燃え上がった炎
お互いのいのちを
内側から削り合って
混ぜ合わせた粉に
火矢を放つ
一瞬の火花の中
求め合い
探り合う
薄い皮膚だけ保たれて
....
夕方
ベッドで
横になっている
台所からは
母の立ち働く
音が聞こえる
サクサクいう
包丁の音
ガスレンジをつける
チッチッという音
何か炒める
ジャッという音
....
自分の身勝手から
すべてに放り出された男
孤独と挫折を繰り返した
男の左手首には
すべてを終わりにしたかった
一本の深い傷跡がある
何も聞かず
何も言わず
後ろから ....
ある友は
繰り返し押し寄せる
夜の暗闇に闘い疲れ果て
自らの命を絶った
ある友は
不条理な世の濁流に流され
無情な職場から
解雇通告を受けた
ある友は
老い ....
アスファルトの上に
放置された猫の遺体を
夏の陽射しが腐らせる
数百年昔
同じ場所で戦があり
斬られた鎌倉武士の遺体は
掘られた土の穴に埋められた
やがて季節は巡り ....
ハス
ガマ
ヒシ
ホテイアオイ
ジュンサイ
カナダモ
キンギョモ
アマモ
目に見えない
役目
誰も知らない
生態
世の中には
説明できない
けど
大切な事があ ....
フレンチトースト作って
コーヒー入れて
タバコを吸って
くつろぐ
夜香木の芽が
吹いた
挿し木をして
初めての夏
ターザンが
ホオオオホ
アーアアー
飛びついてきた。
....
絵里子は石垣に崩れ落ちた。
街は皆殺しにされた。
絵里子は落ちた。
愛もまた、絵里子と同じだ。
攻め立てられ、落ちた。
愛も、絵里子も同じだ。
唐突に攻められ、驚きとともに、
....
透けるレースのカーテン揺れて
弦はさりげなく弾かれていく
庭から伸びる仲良しな枝の先
蓄えていく思いつきのメロディ
楽譜に記録する事をあきらめた少年
鉛筆を放り出してハミングする
息を ....
4220 4221 4222 4223 4224 4225 4226 4227 4228 4229 4230 4231 4232 4233 4234 4235 4236 4237 4238 4239 4240 4241 4242 4243 4244 4245 4246 4247 4248 4249 4250 4251 4252 4253 4254 4255 4256 4257 4258 4259 4260
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