世界は現実味がなくて
絵葉書を見てるみたい。遠い。
この窓を開けて
風を部屋に送り込めば
少し生きてること
実感できるけど
ねぇ、なんだか
とうめいにんげん、になった気分
....
お外のお花見は 楽しかったですか
散らかしたままの お部屋の
どのこのハンカチなのか
綺麗にアイロンがけして
小さく折りたたんであるのに
あめ玉でもつめて
ポッケにいれるの忘れたのかな ....
静かなサーカスから 流星を追い越して
痛みの隙間を 夜明けが埋める
眠れぬワインで嘴濡らす
ジェラシーに踊る海燕
群青の恋を抜け
空の終わりへ 羽ばたく
傷だらけの翼をいたわりなが ....
駅に、駅に行ったんです。
大切な人に、大切なことを
伝えなければと、駅へ。
バスの時刻は毎時6分、
一時間にたった一本。
あ〜ぁ、バス
行っちゃったじゃない。
大切なことを、 ....
ふゥッ
って抜けてく
足の力が、
どれだけ自分に
負担かけてたのか
知らせるんだな。
あんよ、痛い痛いなの。
母さん、あんたの言ったこと
今更ながら
心にしみるよ。
いまいましい季節が過ぎ去って
春の匂いを運んで
ちいさな風が
独り言を
ちっちゃな声で
ほんにゃら ほおい
赤いランドセルに
まだおんぶされているような
ふきのとうの葉で
傘 ....
自分で考えてみても些細過ぎる悩み事を
頷きながら聞いてくれる
復縁できたらとか下心あるのかな
彼だった頃は喧嘩ばかりしていたのに
なんだか不思議だよね
今では心を開いて相談できる
同志 ....
踵から広がっていく波紋
浴室の中では
気負うことがない
反響した声が体内へ戻った
再認識する
私が意識していたことを
煙突からの排煙
あんな風に空の中へ入り込めたら
....
僕と
君と
誰かが
貴方を待っているから
逃げたりしないから
前を向いて
転ばないで
....
病人は目を醒まし
言葉にならない声でさけんでいる
葬儀屋が切り取った脚を
箱に入れて去っていく
皮膚は黒かったが
骨は白いままだろうか
もっと遠い窓の向こうでは
咲いたばかりの花が
離 ....
悲しみに黄昏れた
僕を包んでくれたのは
両手広げて迎えてくれた
温かい母の胸
悩み 迷い 閉ざされた
僕の瞳に映るのは
厳しい試練に ものともしない
大きな父 ....
咲いたさつまいもごはん、
なれないかもだけど足らない
あかきいろマスクはじめの
あともひとつ、やや考え
入って美しく都合で紫平気
おいしくできた喜んで
あともひとつ、期待して狭い力 ....
だから「それ」は
わたしになりました
*
選ばれなかったから残った
と 言うのは
選ばれた
と 言うよりも
5センチほど
ほんのりさみしくて かなしい
だけど
選ば ....
定期考査に追われた学生のように、さぁ、身辺整理を始めようか。
いつでもどこへでも旅立つことができるように。
跡を濁さぬ鳥のように。
埋め尽くす雪のように。
澄み渡る空のように。 ....
来年のことを言ったから鬼が笑った。
勘が良すぎるのは考えもの。
唐突な別れは何の感慨も呼び起こさないらしい。
ひとを失うということのなんと簡単なことか。
「哀しい」のだと確信を持てない ....
反復することができない
ものが、示されて
きみは
わたしを愛していない、愛していない
きみはわたしではない、
わたしがわたしでない
とき、きみは
われに返って、夜
に、
指し示す ....
・
わたしの好きなひとの眼の中には
いつでも空がひろがっている
外が雨でも嵐でも
すこんと晴れた青空の眼だ
することが何もない
曇った日曜日なんかには
一日中好きな人の眼を見ている
そ ....
■或る猫のイメージに悩まされている。
黒猫で、きちんと正座していて、そして首は切り落とされている。水平な切断面からは花が溢れんばかりに咲いていて、花束のようである。脊髄から花弁にいたるまでピンと張 ....
信号待ちをするときは
雨のアスファルトを
濡らす夜の光を
滑るように踏み締める車の連続の
車、車、車の
融合しているかのようなスピードに
巻き込まれないだけの重さの、足 ....
明日
僕は
旅に
出る
遠い
所だ
君の
世界
より
外へ
行く
とき
一度
だけ
振り
返る
から
僕と
目を
合わ
せて
くれ
窓の
一滴
....
いつかいつかってそればかりの日々だけど
いつかももしももここへは来やしないよ
お金があって時間があって棲みきれない広い家があって
死ぬまでに味わいきれないと思えるほどにある食べ物に飲み物 ....
画用紙の
白があまりに白かったから僕は黒を塗った。
黒があまりに黒かったから僕は白く塗った。
黒の上の白は黒を包み込んで灰の色になった。
灰の色の上にニンゲンを描いた
ニンゲンは滲んだ灰の色 ....
吸い込む煙に咽こんで
突き抜ける頭痛に把握する現在
何より無く何故も無く
成すべきと定めた納期を
遣り繰りするだけに生きている
山陽道に横たわるモグラ線を
時速三百キロで駆け抜ける退屈 ....
湿ったような乾いたような空気
飛ばされたいくらいまっさらな風が
少しずつ鉛色の街を包む
ベランダに出て君と話す
そうなんだね、と何か分かったふり
暖かい匂い
くらくらと目眩がするほど
弾けた ....
来る日も来る日も、「自分はなんて不幸なんだ」と嘆いていた男は、或る日神様と出会った
「おまえの望みを一つだけ叶えてあげよう。但し、代わりにおまえの一番大切な物をいただく」
男は悩んだ
....
書き留めたことばの意味をわすれてしまってどこか遠くなの
真昼の星座のように
記憶の中で物語を紡ぐ
思い出せるだけの登場人物が
いつも同じ台詞
終幕はいつも引かれないまま
あきらめきったような時報で
私の視線は花壇に戻る
鬱金香、まっすぐだ ....
{ルビ人気=ひとけ}の少ない
菜の花ロード
あなたと肩を並べ
静かに歩き始める
記憶の隅っこを
居場所に選んだ
幼い記憶をたどって
とおくとおく
忘れてはいけない
ささい ....
ぼくは いなくなろうとおもいました
だけど みんなはぼくに
みずをあたえ たいようのひをあびさせ えいようをたくさんくれました
ぼくは みんなに ありがとう をいわなければいけなくなりま ....
さよならのかわりに
一滴の涙を
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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