きみに
あげるものは、
ない
どうやって、わたしたちは
他人同士なのか、
きみも
わたしも、
何も
分からなくなったとき、はじめて
何かを
送る機会がおとずれる
....
これまで幾度も、きみの
ものである
それは失われた、
すべてのもの
その時刻は
涙するために残されている、きみにか
わたしにか、分からないままに
引き換えにしている、
彼に
....
24時間営業のスーパーは
清潔で興奮する
蝿一匹くらいいないものかと辺りを見渡す
軽快なマーチが
終わることなく流れ
蛍の光はもう、ない
キャベツがほどよく水滴を付け
豚 ....
その人は真直ぐ立って
にらめっこ
しましょう
あっぷっぷ
母は私の手をしっかり握っていた
赤いりんご
赤いお人形
赤いクレヨン
赤いスカート
....
29才の冬
やっとふたりきりで会えた4つ年下の彼は
路駐させた車を降りて
ひょぃっとガードレールを飛び越えた。
会うなり
『ライター持ってる?。失くしちゃったの、さっき。』
そう言って ....
軒先から落ちる雫が
あなたの頬を濡らしてた
あなたは
待っていた私の頭を
くしゃっと撫でて
少し困った顔をした
秋から冬にかけての
その川のせせらぎの音は
とてつもなく柔ら ....
その子は
お客さんにね、どんな死に方が綺麗なのかを教えてもらったと
妙に笑顔で言った
そのお客さんは仕事柄 色んな遺体を見るんだと
そっか
どうでもいいけど 一応 聞いとくよ
....
ディラン・トマスに憧れて
「 ハーモニクスフォルテシモ 」
光が沈黙する夜
月はカラスとなり
蔓延する本能の炎に
飽和した自由は焼かれ
僕はそれを咀嚼しきれずに ....
温かいいのち
君は生きている
触れ合う手と手
君はあたたかい
心をつなげたい
君の手からは
体温が薄れて
君は凍えている
順番待ちの
君の両親が
今度は二人一緒に
君と手をつ ....
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疲れた後の浅い眠りのように
私を誘う女の手よ。
私を誘わないでくれ、
私は弱き男なれば。
死の後の深い眠りのように
私を見つめる女の目よ。
....
言葉が時代の上空を走っていく
夜も昼も黒も白も
ハイソもセイホも
自民も民主も越えて
想いがやせ衰えて行く
かぼそい真実が怯えている
見過ごすのか生贄か
選択を洗濯に ....
優しくてまるいものと
強く冷酷であるものを
全く違う世界をちゃんと作った
全く違う人がつくったものを
何かの拍子に
同時に
僕が
欲したら
失礼だ
と、誰 ....
背の高い花がとおく
グレーの空
ぱしゃん ぱしゃん
あめ
やらかいカーテンに小学生のころを思い出した
プールから出たあとみたいな かぜ かぜ かぜ
体が乾いて落ち着 ....
清しく、邪な風に
華奢な下肢をさっと隠した
裾広がりの白地に
ピンクの薔薇の咲くスカート
立襟のブラウスに
光る栗色の髪を
ながく垂らし
ただ、甘く春に散る
花の匂いを漂わせて
....
二番地の内田さん 前田ふむふむ
白いあごひげをはやして、美味しそうに、キリマンジェロを飲む、二番地の内田さんと呼ばれている、この老人は、若い人と話をすることが、何よりも好きだ。よく、真面目 ....
森の夢―古いボート 前田ふむふむ
1
青い幻視の揺らめきが、森を覆い、
緩んだ熱を、舐めるように歩み、きつい冷気を増してゆく。
うすく流れるみずをわたる動物 ....
暗い暗い、
星も月もない闇夜より暗い
そんな場所に
今、私はいる
想う人は遠く
もはや、出会うことはない
だけど結局
誰がいても変わらないから
たった独りは変わらないから
孤独な闘い ....
51年前の或る日のこと・・・
「お願い、一度だけでいいから、きみの手料理食べてみたいんだ」
・・・嘘つき
「しょうがないなぁ、一回だけだよ?」
....
永遠に続く時間があれば
人間は何でもすることができる
永遠に続く時間があれば
人間は何もしないこともできる
永遠に続くということは
終わることがないということ
永遠に続くということは
....
貴方が私を
引き出しの奥に大切に
仕舞い込んでくれたと
思ったあの日から
50年の月日が流れ
あなたは
素敵な奥様や子供たち
孫たちに囲まれて
私はと言うと
....
走る戦場に文字を投げつけてると
膠着した後、跳ねられました。
それは拒否ですね
戦いからも弾かれる
世の隅で土を掘り
突き当てた文字を
渡したかっただけなのに
今は黒い空を見て
....
"祭日。陰り"
Kの日記の最後
その後の唐突な終り
無造作に切られた
電灯のスイッチのように
Kは消滅した
何の感慨も残さなかった終り
"共感する& ....
魚の群れとか
飛び交う鳥とか
憧れて生きる
羨んで朽ちる
笑う神様
「聞いたこともない」
ヒト嫌いなヒト
「なんで生きてんの」
海の中潜る前に
言う ....
たんぼの土手に立つと
風が強くあたる
しろかきが終わり
水の上に浮いている
稲わらをとって
土手に集める
もうすぐ田植え
晴天の太陽が たんぼの水に輝く
強い風は水の上をう ....
お囃子の笛と太鼓で空腹だ
手をつなぐと、焼きそばが食べたくなる
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死という観念が人間固有のものなのかもしれない
知ったかぶりのシかと思うときもある
こうして生きている、という特殊な事態をも私たちは理解するのに時間がかかる
他の生き物には、生きている ....
梁にしがみつく蝶を引き剥がすたび
親指と人を指す指が情けなく震える
コロシヤシナイカと懼れながら
ただ善意を偽って助けようとして
羽を掴む、その度に
燐粉が指先に着いてしまい
その後でゴシ ....
「就職おめでとう」
そう言われて渡された
腕時計です
黒い皮バンドの
文字盤だけの
シンプルがベストでしょう
それからいつも
相棒の腕で
一緒に働いていました
....
あなたのお陰で咲きました
白と黄色はあなたのようです
白は純粋で
黄色はほがらか
孫の世話で忙しい
お父さんお母さんにかわって
世話をしてくれました
なのに
あなたは哀 ....
あらから二年たったのですね
あなたは
また私を贈り物にして下さいました
好きな青いリボンをかけて
アルバイト先で知り合った彼女
暗闇を彷徨っていたあなたの
光になりました
....
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