080519
癒着した粘着液を
B29から落とし
不発弾に垂らし
静かに土を被せ
そのままにしておいた
不安が的中した
....
異国の時計塔を真似たチャイムが
終わっていない今日を告げ
青白い街路灯や
オレンジに仄めく窓の
表面をなぞる高音は
濃紺の夜に飲み込まれ
いつしか遠い列車の轍の軋みや
姿の無い鳥の声と同 ....
雲のさけめへ
わたしの鳥が飛ぶ
バス停のベンチで
その人は彫像のようだ
まちつづける不安が
長い水路をながれてゆく
ふいに顔をあげて
蘇生する花
生きるために生まれ ....
僕は善人だった
根っからのとは言えないけれど
僕は善人だったんだ
でもいつの間にか
悪人になっていた
僕は善人だったんだ!
信じておくれよ!
僕は善人だった!
でも気が付いたと ....
羊水にドップリ浸かり
心の臓の音
世界一安全な場所
大切に守られる
どんどん成長して
色々なものができて
そんなお母さんを
足蹴にする
お父さんの腹膜でもできる?
へその緒は ....
{引用=
器用な
きみでさえ
泣いている
恋は
単純で
むずかしいのと
きみは言う
不器用な
ぼくは
そんなきみを
好きになりそうで
ああ
だめだ
と
からっぽの
....
アノマロカリスほど有名ではないけど
僕はアロマノカリス
グリーンランドのシリウスからやって来た
石くれをハンマーでかち割るときには
用心深くやってくれ
醸されつくす前の曙の生命が
ひと ....
電車の中で目をつむると
ずっとトンネルの中にいるような錯覚をおぼえる
でも実際の電車の窓の外には
それぞれの家々と
それぞれの生活を送る
それぞれの家族がいる
そんなことを考え ....
えぇ 私は折れた傘でございます。
そうです、もう役には立ちません。
捨てるのも面倒です。
ご迷惑おかけします。
イテテ そこは逆に曲げられると どうも ねぇ。
自分なりに ....
あの淡い月光のなか、あなたの姿は砕けていった。
神聖な森の泉の中に。
もがいていた指先が今もまだ見える。
あなたはわたしを殺したかったですか?
いいえ、 ....
雨の日にはかなしみに服を着せ、傘を持たせて出歩かせる。普段は裸のかなしみは、はじめ服を着るのを嫌がるけれど、すぐに慣れてはしゃぎだすのが、いつものこと、ぴったりした服 ....
地下鉄の黒い風の中
流れゆく人々に逆流して
何かを追いかけた
朝の駅前交差点
横断歩道を斜めに歩いて
近道をしようとした
けれども
人の波に流され もみくちゃにされ
この場所 ....
夕方色したセーターを
柔らかく羽織った女の子
ガラス玉の眼は水色で
悲しい程に深く澄んでいる
わたしのなかの夏、が
嘘をついている
生まれたばかりのやさしさと
おぼえて間もない過ちに
うっすら、として
汗をかき
絶え間ほどよく
やわらかく
涙の意味が熟するよ ....
きみを知って
わたしのコトだらけでゴチャついていた引き出しを
まずは区分したいと思った
それはすなわち
シンプルになりたいということだ
きみを知って
つぎに シンプルになったわたし ....
きれいな箱のクッキーは
触れると
ぽろぽろ崩れる
シフオンケーキは
握り潰すと
小さくなる
薄荷のキャンディーは食べる気もしない。
お腹の中に収まった
お菓子は
もうお菓子じゃな ....
何もかも
灰に侵されて
ここ都の西
東京タワーの見える 丘陵は包まれて
驟雨に煙り
高層ビルは霞んだ
遠く 近く 雨垂れの音は
軽い放心に誘うから
純潔の水 ....
雨 音がする
沈みこむベッドの斜め上
伝い、叩くしろの音がする
煙草を吸う
天井からぶら下がる電気コードには
僕の息は微塵も届きはしない
ふー ーう
....
隣で何度もあくびをしては
「ねむたいの?」という
わたしの言葉をまっている
君の期待は
気づいても
気づかないふりしたから
さびしくなっていじけた
夜は長いから
携帯を鳴らすんでしょう ....
夜のドレープに裂け目が入る
夜明けが裾にそっとくちづけると
私はすべてを脱ぎ捨て
一羽の鷹になって飛んでゆく
まとわりつく冷気を翼で切りながら
あなたを求めて飛んでゆく
私は ....
{引用=ふたりきりでも まだ
さびしいので
ラジオをつけると あなたは
雨音だけで充分だと言った}
愚痴を云わないけれど聞けない
つまらない女ですから
晴れ女でいいねと羨ましが ....
毛細血管
ひろがって
あし
お湯を足の間に埋める
それは
なみうちぎわにたつ
イメージ
体の隙間に埋めるかのように
ひとみ
波打つ
ひとみ
ひとみちゃん
ひーちゃん
ひと ....
ぼくに幸せをくれたきみに
どれだけ返すことができるだろう?
きみがそこにいてくれるだけでほんわかで
冬でも春がなってしまうよ
きみが微笑ってる姿は
どんなあったかい景色より幸せで
....
太平洋沿岸を舐めるように
季節外れの台風が横切った日
67歳の親父は
嵐の中かっぱを身に纏い
今朝も警備の仕事に出かけた
63歳の母ちゃんも
食事のかたずけを終え
....
「 抵抗することに疲れた 」
そう言い遺してある友は
自ら世を去った
思い通りにならない日々の
不自由な鎖を巻いたまま僕は
しばらく横になっていた
ランプの灯りの下
....
僕達は容易に
たくさんのものを失ってしまう
取り戻す事のできないものですら
時計はその時を
刻み付けたまま沈黙している
瞼の裏に
残響だけを刻み付けて
無くなってしまったものを ....
この街をいくら歩いても
こなかった「いつか」は迎えにこない
二人で住もうと決めた古屋の縁側には
今日はやわらかく雨が落ちているだろうか
「約束はしたけど守るとはいってないよ」
なんて ....
呪いをあの人にかけてあげよう
神様に祈りを教会で捧げて
災難に見舞われますようにと
ロザリオを提げながら
十字架に祈りを
この胸の痛みをどうか
あの人にも伝わりますように
私だけを見 ....
確かなものが欲しい、と泣いた
そんな日々には
野良犬たちも
たんぽぽも
いつもの帰り道さえ
他人だった
君の小指と僕の小指を何度絡ませて
....
これ以上 きみの声を聞いてはいけない
これ以上
もう
これ以上 きみの歌を聴いてはいけない
本当に
はまってしまいそうだ
きみのその詞を油断して聴いていると
ぼく ....
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