大好きな大好きな雨の音。
恵まれた環境の中で聞く雨の音は
とても心地がいい。
こんな環境に生まれることが
できたことを感謝しよう。
大好きな大好きな雨の音。
いつまでも ....
では離れる。手術痕に最後の一文を貼る。セロハンテープで。もちろん透明な窓。鉄条網を抱えて、それは引き剥がした。他人の手が隣の座席に。手以外は手紙の一文に添えてある。
電報はこの瞬間にも心臓を青く ....
倒れてから半年
「紐をください」
孫にも敬語を使う
あてがわれた部屋で
『紐』の本に指を挟んだ
「趣味くらい」と彼の娘
わたくしの母
手芸用の太い編み紐を
渡したのは確信犯だった
....
自分は
1986年3月13日
群馬県前橋市生まれ
O型
身長178.0cm
体重60.0kg
大学の専攻は英語と男女共同参画
地元の小売店で働く
音楽とイタリアンが ....
いやなのです まぼろしにおもえて
躍動するモニュメント と
でっちあげた有機物 が
こわいのです タナトスにみえて
浮遊するオブジェ と
腐敗した無機 ....
暖かなコーヒー
沸騰する苦い色の液体
牛乳をたっぷりと浸みこませ
ベランダで 爆発物を飲料にする
爆薬はカフェオレ
導火線は中南海
烈火のエクスタシーに浸る
雨 ....
帰っていく
町のともしびが
冷たくなって
帰っていく
月の出ない晩
朝まで
何の鳥を鳴かせよう
誰かがきた
また遠のく町に寄せる
手紙と同じ重さの波
海が近い
花 ....
あるとき私は、一輪のスミレだった
ひび割れたコンクリートの僅かな隙間に根を張り
強い紫色の花をリンと輝かせた
けれど陽の当たらない場所に生まれた私は
誰にも見つけられることなく
静かに枯れて ....
父さんと母さんが
結婚しようと思うまで
君はどこにいたの
その時君は
父さんと母さんの愛について
知っていたの
かつて僕も君の母さんも
君だって
つい最近までそこにいた
....
彼女との交歓のさなかに
私は蕾を発見した
中指ほどの大きさをして
しっとりと重い
唇で触れた瞬間
あの無音の炸裂音と共に
弾け開いたそれは
彼女の脚の間で
実に15センチはあろう
一 ....
空から新聞を配達した
鳥が
雲の匂いをさせて
日付変更線をまちがえて
落ちてくる
少しずつ速度を上げて
時はわるびれた様子もなく
記事が
ところどころ切り取られていて
それ以 ....
ひきさかるかやのやに
ほせとうすぐりよまい
ちきにゆるとさめすえ
ねのもうえになきとうすえ
むつくひにかしおとけおせ
ひくこえぎのわつづり
しにやりにせわたせり
とびちるこぼれるあふれる
亀裂は断続する黒点
から
ただれて
淡々と
丸いメロディ
一、二、四
円周率の汀に咲けなかった蘭の
つぼみ
ひらくたおやかな
ゆびへ
黄色い
なみだぼ ....
ひどく深い山奥に
その百貨店は建っていた
百貨店といっても実際にはよろずやで
それでも、食料品から最新のテレビまで
なんでも売っているのだ
ダムが出来ると
集落のすぐしたまで水面になる ....
貴方には大きく翔たく
翼がある
貴方にはやらなければ
ならない使命がある。
生きているからには
役目をはたす。
生きているからには
苦を共にする
くつろぎの時
力が抜け
頭 ....
{画像=080524153641.jpg}
人を判断する基本としての足首
ぼくの友人は足首で判断する
細い繊細な足首がキリリと力強く歩み去るのを
眺めるのが好きだ
太い力強い足首が折り重 ....
ときどき僕は
「やさしさってどこにあると思う?」って
生徒に聞いてみたりする
僕はにぎりしめた手を胸にあてて
コンコンとノックするようにたたく
生徒は了解したように
「胸のおくにあ ....
発生源は机の上の携帯電話
送信ボックスには謎の名前
ご丁寧にハートマークまで添えてくれちゃって
言い逃れようとする方が無理がある
902号室は荒れ模様
リビングに台風が吹き荒れる
....
かつて訪れた道は高架橋下、新国道へ続く。
記憶は、花を求めない。耕された田畑も求めなかった。
土地が深い眠りについていた二月の終わりだった。
乾いていた用水路には、水が流されている。
断片 ....
電話越しに彼女は言った
「私はアナタに支えられている」
ありがとう
嬉しいよ
でもね
僕は君が思っているほど強くないし
優しくもないんだ
打ちのめされて
倒れてしまうこ ....
明るい空から降る雨を
見ていると
青桐のみどりは
いっそう映える
あまりに明るいので
消えてしまいそうな花の色
五月の柔らかな光の中で
現れては消える面影
あまりに明るいので
まなざ ....
今宵もまた
月が美しく下界を照らしている
その穏やかな光は、
万人に微笑む
その月が欠けし時
人は、夜に恐怖を覚える
また、月の満ちし時は、
人の夜への恐怖は ....
桃色の四角い顔で
素朴にほほえむ
ぱすも君
無数のバスや電車にのりうつり
街から街へ今日も走る
今日は職場の老人ホームで
婆さま達に囲まれて
歌って踊ってすごした ....
しゃりしゃり 音をたてて
ぼくらの素足は歩いてゆくから
つま先で輪を描いた。
どこからか流れ着いた
すかすかの
流木の端っこ「のぞいてごらん?」って
言うから 見てみたら
....
眠たくなったからが先か
眠ってしまうからが先か
どちらにしろ 人は眠りにつく
人が言葉に出会った
生み出したか
生まれたかの違いで
人間は使い始めていた
息をする ....
今夜、あいつの幸せを願う。
流れる涙は勘違いの味。
俺の想いなんか勘違いでしかないから。
あいつは幸せになるんだ。
なんで悲しいんだ。
それすら勘違いだ。
全部勘違いだ。
勘違いだ。
俄かに浮かぶ朧月を掴もうと三歩前に出る。連なる街灯の明かりの明かりを反射する路側帯と横断歩道。肩に降り積もる湿度と温さを含んだ外気。霧の様に光の中をうごめく蜻蛉の群れ。
小さな虫の声と、靴音と、風が ....
夢をみた
影のない夢
脈絡もなく
断片ばかり
夢の最後は
あさっての新聞を手にして
冷や汗をかいている自分
不安な焦燥に身を焦がして
紙面に目をやると ....
空―。
丸みを帯びて広がる この澄んだ青が
とてつもなく大きなひとつの目だとしたなら
その目はどれほど大きな世界を見ているのだろう
その目をもってすれば
果てしなく広がり ....
080524
スーパーハイビジョン映像を眺めていたら
後ろの人が溜息をつく
地デジ対応のテレビを
薄型液晶を買ったばかりなのに
もう次は ....
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