私がこの世に産声をあげたのは、一体何故
であろうか?・・・十代の頃からその問は、
胸中に芽生えた。あの頃、私の心の土壌に顔
を出した芽は、現在三十歳を過ぎた私の心の
土壌深くに根を ....
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った男が綱渡りをしている
彼の目は落ち窪みもはや世界を見るための確かな光はそこには無い
生まれてから40年近く繰り返してきた言葉 ....
君はおれだ
君の中に生き続けるよ
別れじゃない
ずっと
一緒だから
風の音がする
夜明けが近い
〜「誰がために鐘は鳴る」から
真夜中
港まで自転車で走る
橙のあかりが点々と
その下に一人
また一人と
釣り人が並んでる
釣れますか
聞いても誰もこたえない
みな透明だから
二人乗りしてきた友人も
いつのま ....
誰にも触れさせないような素振りでいる。でも本当は
誰でも容易く触れる事ができる。ただ、気がつかないだけ。
それとも、皆気づいていて言葉の彩で遊んでいるだけなのか。
深い青の中に沈むと、紅色の ....
洗いざらしのような 空気が 夜を運ぶ
淡い 淡い 夢を見ながら 眠る君の
呼吸の音がしない部屋を 星が染めていく
いくら片目から涙が零れていても
君は笑ってくれない と ....
どうでもいい
世界はもう終わりだ
幸福は疲れ果て
喜びは血の涙を流す
ああ、報われないなら
始めからそうだと言って呉れ ....
それでも好きと言いました
自己陶酔の自己懺悔
愛する人には捨てられて
愛する友にも見限られ
それでも天に神様は居まし
形而上の ....
かりそめの日を生きる
ちとそらのきわへと
ながくつづく道を愛したのだ
はらはらと
はらはらとふりかかる日々
ふりつもる日は
うつりゆくきせつとともに
とけてゆくけど
いたみやぬくもりの ....
涙はするりと溶けた
それを掬った手は もうすぐ消えるよ
泣いた筈の目は乾いて
本当に願ったことは もうすぐ叶うよ
ぼくときみの身体は離れていて
繋いだ手は継ぎ接ぎ
溶けないように紡い ....
さよな*らさよなら
、六月*の雨の日、
前線の*停滞と耳障
りな警*戒音、僕た
ちは一*度も約束を
交わさ*ないまま、
死別し*た。
{引用 ....
期待させるだけなら
ひとりぼっちでいたかった
あなたの言葉を信じてしまったから
こんなにも離れてしまって
寄り添って来る孤独と
....
大地の轟きと歪みに傾聴か体感か無関心かうやむやか。
蟾蜍?酒宴渦巻きの欺瞞?国益OR地球?
子たる者、親たる者の叫びに、
死者が瓦礫の下で無言に答えようとした。
歴史?人命?国際政治?単純な善 ....
自ら築いた家庭を守る
そんな当たり前の事ができなかったのだと
あのひとは言った
幸せそうな笑顔の傍らをすり抜けるとき
言い知れぬ悪寒を覚えるのだと
あのひとは呻いた
家族のために自 ....
ビル前の長い階段を下りていると
劇団員の声出しが目に映った
軍服のようなものを着た団長は
大きな声で団員を叱っていた
スキンヘッドの若い男の子は
特に何度も注意を受けていた
....
不自由は
ひとつの自由の答えだろうか
迷いと混ざり
散りゆくひかりを
なつかしく嗅ぎ
瞳をほそめる
夏の滲みの
あふれるかたわら
両手にかぜを伝わらせ
海 ....
靴箱の上にある
木彫りのふくろうは毎晩
わたしの前で目を光らせる
夫は気づかなかった
それはわたしの幻想かもしれないし
夫の現実逃避かもしれない
靴箱の上の定位置に
じっと座って ....
イバラの城で眠る私を
硝子の靴の持ち主を探す
貴方は助けに来ないけど
きっとね、いつか
靴を剣に持ち替えて
私を助け出す、ただ
ただそれだけのために
来てくれるって信じて眠る
「 人が心の奥に押し殺した感情をまるで自分のことのように感じとってしまう能力 」
その秘密を 僕に話してくれたカミヤマくんは
自分の心の奥を誰にも説明できないまま
とても静かに、 ....
あじさいは雨に
色をもらう
少しずつ少しずつ
となりの子とは違うように
淡く。パープル
ぬれてるからって
傘は差しださないで
雨がすきなのわたしたち
雨でわたしたちは
きせつを彩 ....
飛行機を見に行かれるんですね。
私も見に行こうかなあ。
空港の近くに祖父母の家があって。
お墓参りでもした後に。
ぼんやりした時間があることは大切なんだと思います。
自分を省みるゆとり。
....
何か変えられるかもしれないと、小さく祈る様な気持ち・・・
それは、きっと少女の賭けだったのだ
ほんの少しの、淡い、期待。
恋心にも似た それ は、消え入りそうなほど、ほのかな想い
いつまでも続くような
ひとりの加速道路を
たらたらと運転しては
サイドミラーをびびって覗き
High Wayに入れなかった
もし勝負の分かれ目があるなら
合流前の加速時に ....
きしきしと刻む音をわずかでもいい、消す方法を探している。
まいにちは、ないふりをするので忙しい。あなたではなく、となりの人の目を見ていることで途方もなく疲れる。
針のある、それはいりません。と ....
青空に白雲の流れ
こうして天空は流動し呼吸をする
空とこの大地が接合する場所
なだらかな斜面に牧草が茂り
遠い過去から 吹き上がる風
そして長い髪が絡み合って
巨大な帆を作り上げ
....
壊れたメトロノームに吐息をかける
憂鬱に染まった二酸化炭素が
銀色の棒を白く濁した
流れない涙の代わりが
赤い音符を作り出し
鼓膜を壊す程の静寂が
鼓動を奏でる
詠えないけれど
....
とある町に喋る猫がいた
人間の言葉を流暢に喋ることが出来た
人間の言葉を理解することも出来たので
世渡りがとても上手だった
人間はみな猫に優しくしてくれた
ただ言葉を喋れるとい ....
食器を洗う熱湯
湯気、水流弾ける音を
換気扇が吸い上げていく
じゃばざ
じゃばばばビタばば
つるるろるうう
きゅんと蛇口を締めて
前掛けを擦り上げるように
手の水分を拭き取る
....
そうして私は
どこかへ移動し
どこかへ帰ろうとする
あの時と同じ場所に立つと
その時の景色ではない
今の私が静止してる
私がいるだけで
無情に吹くだけで風になれたなら
空を見 ....
世界が生まれて消えるまで
それをはかる時ならばいらない
、どこまでいっても自分
それを刻む鼓動の美しい機械に
{ルビ内燃機関=エンジン}
{ルビ回転速度計=タコメーター ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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