もはや此処には
やむことのない雨しか降らない
きみの水晶体についた
糸屑みたいな傷
それは世界の
傷だ
もはや此処に ....
窓を見ていました
身体のどことも違うガラスの質感でしたが
手などの白いあとはかすかな
生きていたものたちでした
あの窓の向こう側に
はたして外はあったのでしょうか
ただ立ちつくすだけだ ....
捨てるように なぐり蹴るように
削ぐようにして
落としていっても
それはあなたの ものだ よ。
てのひらに集まる
てのひらによせるならば
そう 小さな花びらのやさしさで
包 ....
影が一人増えた
灯された
蝋燭が役目を終え
また
一人影が増えた
重い空気が
脂汗を誘う
冷たい空気の下では
音の伝導率も高い
影が座り込む
行儀よく
影が笑 ....
黒く焦げた
手紙の切れ端
風に舞い上がり
粉々になる
これでもうあなたは
どこにも居ない
ずり落ちた先は
知らないところ
錆びたドラム缶の中から
聞こえてくるのは
祈り
....
冷たい足
遠くで水の音がする
『トンネル』
指針をなくしたなら作るしかない
自分で作れないなら誰かに訊けばいい
そんなふうに言ってた
でも誰も教えてくれなかった
それでも歩く ....
血のにじむ空をゆびでなぞる
なぞりながらする自慰の必然性で結わかれた髪の毛のリボンがほどけていく
地下鉄の券売機の中に吸い込まれていく札をみている
どこにいくんだろう
あたしはこれに乗っかって ....
ぼくは
きみのヒーローでいたい
きみの目に
ぼくは強くて、かっこよくて、やさしくみえる
そんな魔法を
きみにかけているつもり
きみの前でやらかしちゃったときは
きみの目をみて確か ....
三原色のフィルムを通して
お前は見ていたんだろう、それらを
整備不良の1200ccで擦り切らしながら
走っていくものだから
スクリーンに映した虚像みたいだ
光速に呻き ....
傘までも逃げ散る月曜に
体温を奪われた透明傘
水玉越しの水溜まり
電線は交差しない方が良い
映り込む景色を真っ直ぐ走る
線、雨上がりの青い天井
別世界へ潜りたくて
足を踏み入れて拒ま ....
つ、たん、とわずかなタップダンス、軒先を転がるようなリズムがして
時のながれをひとあしおいこして行く
あのひとは、いまごろ猫だろう、思いのほか自由な四肢で世界を掻い ....
このところ
夜の音は風のなか。
風のなかなのに
風の音をきいても
夜はいなかった。
心が 心が
心のままでいられなくなりそうです
今 今私
光の速さで
後ろ歩き
だだだだだー
{引用=何を思い出した?
うん。そうだね。
あのときの涙。
うん。 ....
梅雨どきに疲れがでるんだなんて
あなたはやっぱり年をとったんだね
地球がうまく見えないんだなんて
ちょっと余裕なさすぎなんじゃない
かんぺきな芸術
あとだしジャンケン ....
雨のそぼふる
路面に一人
いつまでも濡れている
あの丸い小石に
僕はなれるか
息を吸うては、吐き
息を吸うては、吐き
ヘッドフォンで塞いだ
左右の耳に流れる
素晴らしいメロディ
( 魂 )の、充電。
自らもうたいながら
日常へ踏み出す、 ....
電車に乗ってどこかへ行こうとしていた
何処へ向かおうとしているのかは分からない
病院だったような気がしないでもなく
山奥の施設のような気がしないでもない
見たことのある風景同士が
直 ....
精一杯になりたくて
自転車を目一杯漕いでみた
瞬間最大風速で駆け抜けた
あの時は精一杯になれなかった
精一杯だったかもしれないけど
考えることすらできなかった
....
私が想うよりも
きっと
私は貴方を求めてる
雨が降ってる
いつも理性的でありたい
論理的でありたい
....
酒のつまみに
キュウリを切る
塩で喰う
少しこしょうも振る
まな板からキュウリが
ひとかけら床に落ちる
キッチンマットの上で
転がったキュウリを
そっと拾い上げる
これをゴミ ....
{ルビ萎=しお}る大葉
はらはらと
死を知る春
老いを知るおいら
{ルビ孜々=しし}とし走る原
遺志を師事し
思惟を維持し
恣意を覆い
示威を張る
威張る{ルビ徒輩=とは ....
ゆっくりと
ふくらんでゆく風船
際限のないあくび
黒点を跳ね上げ 蛇口から流れる闇
コックはねじ切れている
のびてゆくバスタブの海を
あらゆる方向へ沈んでゆく 果実に
大陸が浮かんでいる ....
きみの夢は
ただひとつ
ぼくといっしょに
くらすこと
??????・・・
きみの夢は
ただひとつ
おおきないえと
たくさんのおかね
??????∬
きみの夢は
ただひとつ ....
{画像=110719004209.jpg}
ヒュール ルルーと
消防車が喜びの声を上げ
夜の町を躁(はしゃ)ぎ回る。
初夏の夜は
不思議に透明で、
サイレンは色硝子の曇りのよう ....
本当のこと 言わない
好き 言う
嫌い 言わない
親友 言わない
友達 言う
愛してる
絶対言わない
本当のこと 言わない
....
恐れた 君と離れること
懼れた 君を失うこと
でも君はわたしの誰かではなかった
怖れた 君のこと
畏れた 君と同じ人であること
こんなに愛しくても
こんなに恋焦がれ ....
へのへのもへ詩はももたろう
おともはさるといぬときじ
なまえはぽえいち、ぽえじとぽえぞう
おにが詩ままでまいります
へのへのもへ詩はきんたろう
まさかりかついで大江山
やみこきへいあん ....
サイコロを振って
出た目に従って
誰かが殺される
殺され方も
サイコロを振って決められる
こんどはだれが って
おまえが爪先を
ピンク色に塗りながら言う
屠殺場からの叫び声が
聴こえ ....
そうだ
あの夏の日に見たのは奇跡でも何でもなくて、ただの現実だった
忘れないようにしている
夏
僕らは、三丁目の角を曲がることにしていたのだ
赤信号の下にいた少女の制服はすでに白襟の ....
夕暮れ時 太陽の沈む音
二度と戻れぬ今日の日に「またね」と声をかける子ら
薄明かり 絵画のような雲の色
ひとりふたりと木馬に乗って帰っていく
どうしてこうも世界は緩やかに
まるで明日 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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